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なぜCTOたちはAIベンチャーに参画したのか 〜染田CTO編〜

京都を中心に、フィリピン、仙台などにリモートメンバーを抱える #京都AIスタートアップ のハカルス。ハカルスには、なんと3人の"元CTO"が在籍しています!

”元CTO”たちは、なぜハカルスを立ち上げたのか。なぜハカルスに参画したのか。

そんなインタビューの記念すべき第1回目は、今もCTOとしてハカルスを牽引する、染田さんのインタビューをお送りします!

ハカルスで2回目のCTOを経験。領域は異なれど、継続して取り組んできたデータ解析。

--- ハカルスに入社されたのは、2016年ですよね。ハカルスに入社するまでの経歴を教えてください。

大学院の卒業後サン・マイクロシステムズで、冷蔵庫みたいなハイエンドサーバやストレージを使って、アジア各国の顧客向けシステムのパフォーマンス検証に携わっていました。ハードウェアだけでなく Solaris / Java / Oracle といったソフトウェア環境のチューニングも経験しました。

サン在籍時に未踏ソフトウェア創造事業に採択され、そこからプロダクト開発にどっぷりハマり出します。この頃にお世話になった Seasar という Java コミュニティがきっかけで凄腕エンジニアやベンチャー経営者など様々な方と繋がりができたのは今も財産です。

未踏のプロジェクトを終えた後、ベンチャー企業にジョインしました。その会社は、私が在籍している間に上場を果たしています。それを目のあたりにして、今度は自分もやりたくなってきてしまいました。そして、30歳にして e ラーニングを提供するベンチャーを共同創業者 CTO として立ち上げました。


--- それが1回目のCTOの経験ですね。

はい。そのベンチャーからの退任後に、プロジェクト管理ツール等を開発する福岡のベンチャーの京都支店の立ち上げに携わりました。そこでは、OS やミドルウェア、AWS といった環境の構築や運用から、フロントエンドからバックエンド開発のアプリ開発プロセスの全般を一通り経験したこともあり、エンジニア的視点でいえばバランス型(器用貧乏型?)なのだと思います。また、この会社では、テクニカル・エバンジェリストという肩書きで活動してきました。グロースハック、マーケティングやビジネスのスケールを担うミッションの経験があるエンジニアは、珍しいかもしれません。




--- 今ではグロースハッカーという言葉も当たり前になりましたが、おそらく2012年頃に日本でもやっと出現した職種だったかと思います。かなり先進的な取り組みもされていたのですね。その後、ハカルスに入社されると思いますが、ハカルスと出会ったきっかけは何ですか?

京都で長らくベンチャー業界に身を置いていたので、代表の藤原のことは以前から知っていました。Startup Weekend で生まれた Coworkify をバイアウトした藤原が、IoT ベンチャーのハカルスを新たにはじめたというニュースは、自然と耳に入っていました。

前職を退職した後、次を考えていたときにハカルスがエンジニアを募集していました。そこで共通の知人を介して藤原を改めて紹介してもらい、ビールを飲みながらカジュアルに色々な話をしました。その帰り際に「染田さん、CTO に興味ありませんか?」といきなり切り出され、正直面食らいはしたものの、ほぼこの時点で心は決まっていたように思います。


--- そんな形でCTOに就任されたのですね!なんでハカルスのやっている領域に興味を持ったのですか?AIやスパースモデリング、Pythonなどの領域は今までのご経験と被っている訳ではないですよね。

そうですね。40歳が見えてきているタイミングの転職ではあったので、自身のこれまでの経験は活かしつつも、新しい事にもチャレンジしたいと思っていました。その中で、ハカルスが創業からテーマにしているヘルスケアについては、ジョインする前から興味を持ってはいて、自分で体重管理のアプリを作ろうかと考えていた位です。また、それまで主にエンジニア対象のサービスを長く作っていたので、異なったユーザ層へのサービス開発に挑戦したいという思いもありました。

ちなみに、情報系の学生だった時は、統計的なアプローチでノイズキャンセリングを実現する研究を行なっていましたし、e ラーニングのベンチャーでは回答傾向から問題の難易度の推定、前職ではデータ解析からユーザ行動を理解するといった事にも携わっていました。ですので、ど真ん中ではないにせよ、AI のベースとなる技術領域には定期的に触れてはいたんです。


ザッツ・スタートアップな苦労や変化を乗り越える。

--- ハカルスでCTOになり始めの時はどんな感じでしたか?ご自身のブログでは、「ザッツ・スタートアップな1年」とおっしゃっていましたが…(笑)

最初の頃の体制は、開発チームの半分は海外でリモート、残り半分は外部のパートナー、事務所にいるのは僕一人だけ、というものでした。当たり前と思っていた事がなかなか通じず、コミュニケーションもとりにくい一方、ローンチの時期は刻一刻と迫るという不安から、最初は文字通り、眠れない夜を過ごしていました(笑)

というのも、前職の開発プロセスが自分にとって当たり前すぎて、説明を飛ばしてしまっていたことが多々ありました。例えば、開発プロセスでいえば開発タスクに取り掛かる前にチケットを切っていないことが多々ありました。ある程度大まかなタスクをチームで合意すれば、その後のタスク分割やチケットの登録は開発者が自発的にやるのが当たり前だと思っていたのですが、そこは前提が環境や経験によって異なるものだと学びました。

また、フィリピンのメンバーも当時開発を手伝ってくれていた外部パートナーのメンバーも僕に比べ10歳以上若いメンバーが占めていて「体験してみないとその良さがわかりにくい」といった開発プロセスは、無理をせずに現実的に進めやすいやり方に替えるといった事も行いました。

丁寧にコミュニケーションをとり続けること、また実際の共同作業を通じて少しずつ信頼を積み重ねて行くことに勝るものはないな、と改めて感じました。


--- スタートアップは、事業を取り巻く変化も大きい環境だと思います。ハカルスも今までたくさんの変化があったと思います。当時はどんな心境でしたか?苦しい判断もたくさんあったと思います。

現在のAI・データ解析の事業は、創業時から取り組んでいる事業ではありませんでした。しかし、営業活動を通してクライアントの声を聞く中で、「これは事業にできるかもしれない」と思い、現在の事業を伸ばしていくきっかけを作り始めました。最初はまずサービスの説明のWebページを作りそれを色々な所で紹介する中で少しずつお引き合いをいただけるようになりました。引き合いの状況やお客様の反応を既存事業と比較しながら進めている中、あるデータ解析案件の打ち合わせで、僕一人に対し、七、八名のお客様が熱心に質問を浴びせている様を藤原が目の当たりにした時、ニーズの強さの違いを実感した、との言もありました。

事業が変化するということは、伴ってメンバーの役割も変化していくということなので、簡単ではありませんでした。ただ、ありきたりに聞こえるかもしれませんが、会社としてどうお客様に価値を届けながら、かつ自身もベンチャーとして成長していけるかを考えた上で、現在の事業に注力するに至りました。



どの経験も今に生きている。無駄なことはない。

--- 今回で2回目のCTO経験だと思いますが、1回目との大きな違いはありますか?2回目だからこその余裕はありますか?(笑)

打たれ強く図太くなったのが 1 回目との違いに思います。ベンチャーは状況が変わるのは日常茶飯事ですし、うまくいくか分からない事でも自身のチームや技術を信じてチャレンジするのがその存在理由でもあります。なので「分からない」状況を恐れるのではなく、一歩引いて「どこかでクオンタムリープする」事を信じながらやれるようになったのは大きな違いな気がします。一回目の時はもう少し悲壮というか、シリアスな感じが自分自身に漂っていました。


--- 今のCTOという業務を遂行するにあたって、「これは経験しておいてよかった」という修羅場経験(笑)のようなものはありますか?

学生時代に友人と二人でとある企業の業務システムを丸っと引き受けて開発をしたことがあり、自身の未熟さも手伝ってかなり大変でしたが、なんとかそれを乗り越えて、最終的にはシステム更改まで数年間使ってもらい続けれたこと。当時も、眠れない日々が続いて大変でしたが「どうにかなる」という感覚をもてるるようになりました。

また、前職では、主事業が受託開発だったところから、プロダクトの成長に伴いプロダクトが主事業の会社に変わるのを目の当たりにできたこと、その過程に参加できたという経験は財産です。粘り強く事業を続けることで「どこかでブレークスルーがやってくる」という感覚をもてるようになりました。


--- 新規事業、事業開発はそのブレークスルーを待てずして終了してしまうことも多々ある中、それは貴重な経験ですね。では、最後にスバリ、今のハカルスだからこその、入社するメリットは何でしょう!

ただ技術を学べるということだけでなく、会社のカルチャーを作ること、プロセスを作ること、会社の根幹作りに携われるというのはこのフェーズのベンチャーでしか経験できないことだと思います。

今は人数が少ないので、手をあげてやりきる姿勢があれば、色々なことにチャレンジできます。

また、ベンチャーである一方、僕を含め 40 代オーバーのスタッフも多いので、若いメンバーのみのベンチャーでは得られないような、おっさんの経験に基づく示唆に富んだアドバイスが受けられます。ありがた迷惑の可能性もありますが(笑)




--- 今日はありがとうございました!

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