入社して3か月。各部署で1週間～2週間の研修を行い、ついにやってきました配属会議。そう、ゲットイットには「配属会議」というものが存在するのです。この会議で配属先が決まり、「晴れてあなたは今日からゲットイットの一員だよ！」となるわけです。（採用時の条件等で配属会議の有無が変わります。）

私の場合、営業候補で入社したわけですが普通の会社なら研修が終わり次第「はい、あんた営業ね。さっさと商品売ってこいやー！」となるところ。ですが、そうはならないのが我が社の面白いところ。

各部署の研修を通じて「俺には技術系の才能が眠ってたんや！」となって「技術部門で働きたいです！」と配属会議で発表して、みんなが「良いね！」となれば今日からあなたは技術者です。「私には社長の器があるやん！」ってなって「社長やらせてくれ！」ってなって、みんなが「良いね！」ってなったら今日からあなたは我が社の社長です。（残念ながら前例はないですが、制度上可能なはず？）

つまり配属会議というのは、研修でどんな事を学んでどんな風に活躍したいのか。で、それができるのはどこの部署なのか？を発表し、みんなで議論して決める。そんな会議なのです。ちなみに「みんなで」というのは、本当に全社員（100人ぐらい）で会議に参加して決めていくわけなのですが・・ちょっと狂気じみています。想像してください。zoomに信じられない数の人数が映ってるんですよ。もはや会議というより、WEBディナーショーみたいな感じです。質疑応答の時なんか、もはや合同記者会見。

配属会議までの大まかな流れや内容は事前に知らされていました。ですので、各部門の研修を行いながら「この会社でどんなことがやりたいか？」「自分の才能をどんな形で活かせるか？」といった事をずーっと考えておりました。技術部門の研修でCISCOのスイッチをいじりながら、物流の研修でバルク梱包をしながら・・・

3か月本当に悩みました。こんなに悩んだの久しぶりだよってぐらい悩みました。息子の名前を決める時よりも悩みました。（その時の記録は45日ほど。）こんなこともやってみたい。あんなことにも挑戦してみたい。考えがうまくまとまらなかったんですね。

だって普通そうでしょう？営業候補で入ったら、営業になるのが普通じゃないですか。何も考えずに目標達成のためにがんばるだけ。どの部署で働きたいか？どんな形で才能を発揮したいか？なんて考えたこともなかったし、実際に研修を通じていろいろやってみて、いろんなことに興味が湧いていたし。頭の中がこんがらがるのも無理ないと思うんです。「100％の答えのない問い」「問題設定が問題となっているいやらしい問題」それが、我が社の誇る研修システムの「最後の難問」だったのです！

一歩間違えると、「自分は何がしたいのか」「自分は何者なのか」「自分はどこへ向かうのか」といった「ゴーギャンの作品か！」みたいな、哲学の世界に入り込みそうになる。しかし、こういったプロセスを経ることで、自分もみんなも納得して配属先が決まる。それがすっごく重要で、その人にとっても会社にとっても最高の形になるわけです。もちろん常に100％フィットするってことはないから、配属後に配置が変わるといった事も少ないけれどあるらしい。ですが、少なくとも全者・全社最適を目指している姿勢、それを形にした制度は普通の会社にはなかなか見られない、ユニークなポイントだと思っています。

ちなみに私の配属会議は、「風の谷のナウシカ」の終盤に出てくる腐り落ちる巨神兵よろしく、考えが固まりきらない状態で出撃したため見事に撃沈。砂漠に転がる屍になり果てました。全社員の頭の中にたくさんの「？」を生成することに成功してしまったわけです。結果、3回も会議を開くことになり（前代未聞？）、今は思い出すと笑っちゃいますが、当時は結構キツカッタ・・・。でも逆に燦燦たる状態だった為、本当にたくさんの人から暖かいフォローを頂いた（本当に感動した）のと、「良くも悪くも社内で名が知れた」という副産物を得ることができました。

いずれにしても、こんなユニークな研修制度が存在し、一風変わった人事制度があるのは他社にはない我が社の特色。「もっと自分を表現したい！」「もっと活躍したい！」そういった人を、心からみんなで応援する。その土壌がある。うわべだけでよく聞くうたい文句ですが、それを地でいっている数少ない会社のひとつ。

面白い会社です。ゲットイット。