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「夏休みのあの子、ご飯食べられてるかな…」インフレでコロナ禍の夏休み、窮地に立たされている親子がいます

小・中学校が夏休みにはいって1週間が過ぎました。

給食がなくなり、子どもの昼食の準備に頭を悩ませている親御さんも多いのではないでしょうか。しかも、いつもより食費や日用品の消費が増えるこの時期に、相次ぐ食品や日用品の値上げで、家計のやりくりに苦心されている子育て家庭は少なくないはずです。

なかでも、経済的に厳しい状況にある子育て家庭が、さらに追い込まれている可能性があります。フローレンスが2022年の2月から3月に実施した緊急支援でお米を送ったご家庭からいただいた声からは、日々の生活を切り詰めている様子が伺えました。

「物価や高熱費も上がったが、賃金は上がる訳ではないし、自分が我慢すれば…と我慢しすぎて精神と身体を病んでしまいました。そんななか、主食であるお米の支援、助かりました!」
「子どもに食べさせることを先にしてるので、わたしはもやしが主食でしたが、子どもと、わたしもお米をたくさんたべます。ありがとうございました。」

コロナ禍で打撃を受けた経済的に厳しい家庭の生活

コロナ禍では、非正規雇用者の解雇や時短勤務の強制などで、多くの人が職を失ったり減給したりしました。総務省が毎月発表している労働力調査によると、緊急事態宣言が解除される直前、2021年8月の女性の非正規雇用者数は、コロナ禍前の2019年8月と比較して78万人も減っています



(*1)「労働力調査」(総務省統計局)(https://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html

職を失ったのは非正規雇用者だけではありません。労働者すべてを含む完全失業者数を見ると、2020年3月から2021年6月まで、すべての月で完全失業者数が前年比増となっており、もっとも失業者数が多い2020年10月では、「勤め先や事業の都合による離職」が22万人でした。


(出典:労働力調査(基本集計) 2021年(令和3年)8月分:https://www.stat.go.jp/data/roudou/rireki/tsuki/pdf/202108.pdf

雇用が回復しても、苦しい状況は変わらない

緊急事態宣言が明けて雇用が回復してきたからといって、すぐに生活が楽になるわけではありません。職を失った苦しい時期に抱えた債務を返済したり、買い控えをしていた生活必需品の購入が必要なこともあるでしょう。

しかも、ここ数ヶ月はインフレの影響を受けて、物価変動を反映した実質賃金は2ヶ月連続で減少しているのです。


(出典:毎月勤労統計調査 令和4年5月分結果速報:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r04/2205p/dl/pdf2205p.pdf

世界的な物価高騰が話題になるなか、日本でも、光熱費や水道代だけでなく、生活必需品の値上げが相次ぎ、連日メディアで取り上げられています。帝国データバンクの調査によれば、主要食品メーカー105社で、年内に累計2万品目が値上げされる見通しで、そこには小麦粉を原料とするパンやパスタ、食用油なども含まれており、家計への影響は免れない状況です。


(出典:『食品主要105社』価格改定動向調査(7月)帝国データバンク:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000496.000043465.html

このように、コロナ禍での不安定な雇用がようやく落ち着いてきた矢先のインフレに、もともと経済的に厳しい状況におかれていた家庭が悲鳴をあげています。

夏休みに「子どもの体重が減る」という日本の現実

食料品や日用品などが軒並み値上がりするなかで、学校は夏休みに入りました。

給食がなくなれば、当然、食費がかさみます。

2020年の夏には、ひとり親家庭で東京に住む小学生の10%強に体重の減少がみられたというデータがあります。育ち盛りの小学生の体重が減ってしまうという戦中のような事態が、この現代の日本で実際に起きています。


(出典:東京新聞TOKYO Web 2021年5月7日付:https://www.tokyo-np.co.jp/article/102780

皆さんの力を借りて、子ども達を支援するフローレンスの活動

コロナ禍の親子を救え!「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」


2020年3月、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言から、日本の子育て家庭は常にリスクと隣合わせの日常を過ごすことになりました。

フローレンスでは、特に、ひとり親や経済的に厳しい子育て世帯に対し、2020年4月より様々な支援をおこなってきました。他団体とも連携しながら日用品や食料品の提供や相談支援等さまざまな支援を実施し、ひとり親家庭については、2021年3月までにのべ 11,100 世帯以上にサポートを届けました

困難を抱える#すべての親子を置き去りにしない

2022年1月からは「新型コロナこども緊急支援プロジェクト2022」を始動し、企業との連携で食支援を届ける「こどもフードアライアンス」の実施、ひとり親家庭へのお米の配送や相談支援の提供などを行ない、同時期に政府が行った「子どもへの10万円相当給付」等に関する提言活動も実施し、成果をあげてきました。

夏休みのご家庭に食品を届け、孤立を防ぐ取り組み

2020年4月より強化してきた「こども宅食」事業は、2022年3月末までに、全国71団体、10,000世帯規模にまで広がりを見せています。この夏休みには、多くの団体が国内の物価高騰を受けて8月の配送内容を通常より増量したり、子どもが日中一人で調理できる食品を追加することを検討しています。

また、こども宅食事業から派生した新しい取り組みとして、デジタルを活用し、支援を求めるハードルを低くする「デジタルソーシャルワーク」も全国に広げています。オンラインで継続的に声をかけ、ゆるやかに雑談・相談を受けながら情報提供・支援につなぎ、家庭の孤立化を防いでいきます


「おやこよりそいチャット」は、開始からわずか半年で全国4000以上のご家庭とつながりが生まれました。デジタルソーシャルワークでお米の提供とメール・LINE等を通じた支援情報の提供を受けたご家庭からの声をご紹介します。

自分の経験ですが、ほんのちょっとだけ、一時的にでも手助け頂けたら無事乗り切れたかもしれないのに、そこがこらえられずにどんどん坂を転がってどうしようもなくなる方々が、今、きっととても増えていると思います。これからも、今回のように、目を向けてもらえない状況の家庭や子ども達にも手を差し伸べていただけたら心から嬉しいです。

継続的な支援を、より多くの家庭に届けたい

夏休みに入って1週間。一学期最後の給食から2週間が経とうとしています。

あなたの周りに、満足に食事が取れなくて、お腹を空かしている子はいませんか?

子どもの食事を優先させて、ギリギリの生活をしている親御さんはいませんか?

もしかすると、すぐ近くにいても気づかないかもしれません。

今の日本では、相対的貧困が見えにくくなっています

食品の無料宅配支援や、孤立を防ぐデジタルソーシャルワークを必要としている子育て家庭が全国にいます。

例えば、フローレンスの「デジタルソーシャルワーク」は、皆さんからの寄付を原資に実施しています。毎月10,000円のご寄付で5世帯にお米5kg程度(状況に応じてお送りする内容は食品・日用品・金券等から選択しています。)のお届けと、それをきっかけとした“つながる活動”を行うことができます。

夏休みにお腹をすかせる子どもをひとりでも減らせるように、親御さんが孤立して誰にも頼れなくなる前に、どうかあなたの力を貸してください。

フローレンスの様々な子育て家庭への支援活動は、皆さまからの寄付を原資に運営しております。これからも、応援をよろしくお願いします。

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