リモートワーク全盛の時代において、あえて「出社主義」を掲げることは、正直なところ"やや面倒"だと思われることも少なくない。
「通勤コストが無駄ではないでしょうか?」
「オンラインで十分に回るのに、なぜですか?」
よく聞かれる質問だ。
実際、ロジックだけで考えれば、在宅勤務の方が合理的なケースも多い。
それでも僕らは、"非効率"を選んでいる。
なぜか。
それは、
「思考の速度」と「信頼の濃度」には、オフラインでなければ生まれない瞬間があるからだ。
Slackでやりとりしていたアイデアが、たった5分の立ち話で大きく前進する。
なんとなく違和感を感じていたメンバーの表情に、同じ空間にいたからこそ気づくことができた。
議論がぶつかり合う熱量も、偶然のすれ違いも、すべて"体温"を持って届く。
もちろん、物理的な距離が正義だとは考えていない。
しかし、空気ごと伝わる会話"には、計算では測れない強さがある。
僕らの仕事は、仮説をぶつけ、言葉を試し、現場で感情を観察し、それらを構造化していくことだ。
だとすれば、言葉にならない"間"や"目線"を見逃すわけにはいかない。
だからこそ、毎朝オフィスに向かう。
雨の日も、眠い日も、少しだるい日も。
"全員が出社する会社"など、今どき少数派かもしれない。
それでも、そのスタイルを選んでいることに、僕らは誇りを持っている。
なぜなら──
「空気ごと動かせるチーム」は、強いからだ。
出社は効率ではない。
けれど、意思決定の速度、危機の察知力、すれ違いを未然に防ぐ"編集力"は、圧倒的に高い。
何より、**人間は感情で動く生き物である**。
僕らは、数字や構造だけでなく、「熱」で動けるチームでいたいと思っている。
それが、facingという会社の思想であり、僕自身がビジネスにおいて譲れない美学でもある。
正しさよりも、強さを。
正論よりも、現実を。
最短よりも、"納得できる遠回り"を。
そんな会社でありたいと、今日も朝から仲間と机を並べている。