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「人事未経験で、人事領域に転職を考えているが、これまでの経験をどう活かすか悩む」
「人事領域でキャリアを積んでいくと、どんな経験を積めるかわからない」
非人事から職種を変え、人事領域でキャリアを積んでいると、そんな相談を受けることが増えてきました。
採用人事は他のBizDev等の職種と比べ総数が少なく、ロールモデルの多くない職種です。
人事未経験から職種を変え、どのようにキャリアステップを作ればよいのか。組織を拡大する上でどんな壁があるのか。「人を採用する」という視点で組織成長に携わる上で求められるスタンスとは何か。
メルカリ時代に60名から1800名までの組織拡大を牽引し、LayerXで挑戦を続ける石黒さんをお招きし、ゼロから採用人事としてキャリアを積むことについて考えました。
この記事では、5月18日に開催したイベント「ゼロからの採用人事。積みたい経験を10個あげてみる。# 採用帰れま10 vol.01」の内容をダイジェストでお届けします。
※ 「#採用帰れま10」とは、エクサウィザーズの採用チームの主催する、自社イベントです。
(忙しい人向け、ゼロからの採用人事で積みたい10個の経験まとめ)
■ プロフィール ■
石黒 卓弥
株式会社LayerX 執行役員 (人事・広報担当)
NTTドコモに新卒入社後、マーケティングのほか、営業・採用育成・人事制度を担当。また事業会社の立ち上げや新規事業開発なども手掛ける。2015年1月、60名のメルカリに入社し人事部門の立上げ、5年で1800名規模までの組織拡大を牽引。採用広報や国内外の採用をメインとし、人材育成・組織開発・アナリティクスなど幅広い人事機能を歴任。2020年5月、LayerXに参画。2020年12月、デジタル庁(仮称)設立に向けたデジタル改革関連法案検討推進委員に就任。
半田 頼敬
慶應義塾大学文学部社会学専攻卒業、2010年ベネッセコーポレーションに入社し、マーケティング、商品開発、事業開発に従事。2015年リクルートホールディングスに中途採用担当として入社し、子会社のIndeed, Inc.のPMIの一環として開発センターの立ち上げに伴い、国内外の新卒・中途のTech系人材の採用プロジェクトに従事。また、リクルートグループ会社の海外子会社設立に伴い、現地責任者の採用のプロジェクトを経験。2018年にエクサウィザーズに参画後、人事責任者として、採用を中心に組織開発などに従事。Linkedinが選出する”日本で最も勢いのあるスタートアップランキング、TOP STARTUPS2019で1位に選ばれた。2019年10月からは採用責任者を務める。2019年 Linkedin Japanが選出する人事でMVPを受賞。2020年はエクサコミュニティマーケティング担当も兼務。
非人事から人事になったからこそ身についた視点
半田:最初のトークテーマは「非人事から職種を変えたからこそ身についた視点」です。人事をやる前、私はマーケティング、石黒さんは営業を担当していました。
石黒さん:NTTドコモで、新卒採用を担当しているときに、営業の時にお客様から言われたことを体温を持って、リアルに話すことができたのは良かったですね。やっぱり、実際に経験しているからこその納得感がありますよね。
半田:実体験に基づいた経験の方が響くことは多々ありますよね。現場を知っていると、候補者とのコミュニケーションだけでなく、社内での自分の動きも変わってくると思います。
前々職でアプリ開発の立ち上げメンバーとして動いていた時に、サービスの質で勝負する前に、エンジニアの開発スピードがビジネスの成果に大きく影響することもあると気づいたことがあります。その時の経験が今の採用人事の活動に活きており、いいサービスや事業を作りたいのであれば、とにかく妥協せずに採用活動をしようという気持ちにつながっています。
石黒:視点の話とは少しズレますが、いつでも営業に戻れるんだ、というある種の安心感が、より人事としてのチャレンジを後押ししているなと感じます。また、他職種を経験していると、それだけで人事であっても任される仕事の範囲が増えて、成長機会が多くなるメリットもあると思います。
経営陣とのコミュニケーションのポイント
半田:次のテーマは採用人事としては避けては通れない「経営者とのコミュニケーション」についてです。経営者と「どれくらい考えが同期できているか」は、採用活動において重要項目ですよね。石黒さんはどんなことを心がけていますか?
石黒さん:良いコミュニケーションを取るための準備として、経営陣のカレンダーを頻繁に見るようにしています。経営陣が今何に時間を割いているかを確認することで、経営陣の優先事項を理解し、それに応じて自分の動きを取捨選択するように心掛けています。
半田:相手の優先事項を理解すると、経営陣とのコミュニケーションの仕方も変わりますよね。どのタイミングで連絡を取るのがベストなのかを意識できるようになり、コミュニケーションの速度や質も変わります。
経営者の頭の中を理解するという意味だと、思考のロジックを理解するのも大事ですよね。エクサウィザーズの社長の石山さんは、般若心経、料理、音楽など様々な方面に関心があって、アナロジー力がすごく高いんです。
彼の考え方を理解し、候補者に伝えるために、入社したての頃はイベントなどで話した内容を録音し何度も聞き返していました。また、考え方をすり合わせるために、最終面接における石山さんの評価と自分の評価の比較もしていました。
石黒さん:私も経営陣の候補者への評価コメントをよく読みますね。一つ注意したいのが、経営者の頭の中を把握するということは、経営者の話に迎合するっていう意味ではありません。どういうロジックでものを考え話しているかを理解することです。
半田:ただトレースするだけではなく、自分なりの軸を持って議論することが大切なのですが、まず理解できないと始まりませんよね。他にも思考背景を理解するために、経営陣が今読んでいる本はなるべく読むなどしていました。
事業成長と組織成長における人事の役割
半田:次のトークテーマは「事業成長と組織成長における人事の役割」です。近年はHRBPやCHROなどの役職も増えています。
石黒さん:前提として、採用人事の仕事の本質は「採用した人が活躍すること」だと考えています。組織配置を変更することで、採用した人がより活躍できるのも手段の一つであって、あくまで採用人事の延長にある存在だと思っています。
つまり、肩書き関係なく、事業成長に資する採用人事には、事業に対する理解が深い事や事業部と強い協力関係がある事が求められる。そのためには、人事が人間的に興味を持ってもらうのも大事だと思っています。
半田:私も採用した人が活躍して事業の成長に結びつくことこそが、採用人事の提供価値だと思っています。
採用人事だからこそ事業に提供できる価値を挙げるならば、事業計画に対して、採用の側面からフラットに議論できる事だと思います。
例えば、市場にはこんな人がいて、事業成長するにはこんな人を採用すれば事業が成長するといったことや、タイミングはマーケティングに予算を投下するよりも、人の採用に予算を使った方が良いなどです。逆を言えば、そういった提案ができるくらい事業を解像度高く理解する必要があります。
自社事業に対する解像度を高めるには、当然他社の情報を集めることも大切。他社がどんな人事戦略を取っているのか感度高く情報を集めるようにしています。ちなみに、エクサウィザーズの採用チームでは、毎週の定例で人事周りで気になるトピックをシェアする時間を設けて、感度の底上げに取り組んでいます。
石黒さん:僕も他社がどうやっているのかを常に情報収集しておくことは大事だと思います。そういう勘を持ち続けることで事業成長にも貢献できるでしょうし、意思決定の決定要因になることもあり得ます。
半田:あとは、事業成長に貢献する人事かどうかは行動量に現れると思います。情報収集や、たくさん考えることも重要ですが、それと同じくらい行動に移すのも大事ですよね。
石黒さん:そうですね。例えばの話ですが、「CFOが一年くらいいません」と言うのは簡単です。でも、本当に一年いなくて悩んでいるならば、何かを捨ててそこにリソースを割いてどうにかできないかを考える必要がありますよね。だから、本気かどうかという感情論ではなくて、時間・脳内リソースを割けているかという話だと思います。
人事は人として磨かれる職種だ
半田:最後に、人事としてキャリアを重ねてきた中で大切にするようになったことについて伺って、イベントを締めたいと思います。
石黒さん:この人はこの会社に入ることでその人は幸せになるかということを考えるようになりました。当たり前ですが、欲しい人を獲得するというのが採用の目標です。しかし、それは会社の都合でもあります。だから、この人がこの会社に入って活躍して、さらに幸せになってほしいというところまで考えます。
LayerXが大きくなってほしいという思いを持ちつつも、「候補者一人ひとりはどう思っているのか」を考えますね。LayerXは、10年、20年という長い時間をかけてミッションに取り組む会社なので、「この意思決定は本当に幸せなのか」を問い続けています。
半田:エクサウィザーズは、入社希望者のウェルビーイングに寄り添うことを大切にしています。個人的な考えなのですが、まず本人が幸せになってもらわないと良い仕事はできないと思っています。特にエクサウィザーズは社会課題を解決する会社なので、社会課題を本気で変えたくてそれに挑戦することが楽しいと思える人と一緒に働けたらなと思います。
社会課題という大きなものに挑戦しているからこそ、一緒にやる仲間は大事。マーケティングでは100人と101人の違いは小さいかもしれませんが、採用において101人はとてつもなく大きいと思っています。「採用担当者にとっては200分の1かも知れない候補者は、本人にとって1分の1だ」というポリシーをいつも大切にしながら、人事という職種に向き合っています。