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社員対談:料理未経験から、メキシコの日本食レストランで料理人になった2人に迫る!海外日本食レストランでの挑戦と成長。

中南米を舞台に飲食事業と広告代理店・コンサルティング事業を中心に展開するEncounter Japan。飲食事業ではメキシコ合衆国にて和食店を3店舗、コロンビア共和国では寿司屋を1店舗運営しています。今回はメキシコ合衆国に在住し、シェフ、料理人として活躍する二人の対談をお届けします。

今回対談したのはこの二人!


プロフィール

坂本 和也 (通称:ペルさん)

北海道出身。高校卒業後は京都の大学に進学し建築を学ぶ。ピースボートで世界一周を経験。日本の飲食店、リフォーム会社、海の家での勤務経験を持つ。創業の地「Encounter Shibuya」や日本国内のレストランで勤務後、2019年にメキシコへ渡航。現在はEncounter JapanのFood&Baverage 部門にて総料理長を務める。

森本 翔磨

大阪生まれ大阪育ち。府内の工業高校を卒業後、Panasonicでセールスエンジニアとして6年間勤務。同社退職後、メキシコへ渡る。一年間の放浪期間を経て、Encounter Japanに入社。板場未経験から、現在はケレタロ市内にある日本食レストラン「GOEN FUJITAYA」にて主に刺し場の料理人として勤務中。


-まず、お二人がメキシコに来たきっかけを教えてください。

坂本:日本国内でEncounter Japanが運営する飲食店舗で働いていた際、愛媛県内での出店計画に向けて準備をしていました。そのタイミングで、代表の赳史くんに愛媛県の新規出店に関わるか、メキシコ合衆国に来てカリブ海近辺で働くかどちらがいいかと聞かれました。

2018年頃、Encounter Japanでは東京都内とメキシコ国内の双方に飲食店舗を運営していて、赳史君はメキシコへ既に渡って主にメキシコでの事業に注力していたのですが、実際に赳史君がメキシコで何をしているのかよく分かっていませんでした。

ただ、前から海外で一度働いてみたいと思っていたのと「カリブ海」という甘い言葉に誘われてメキシコに行くことを決めました。実際にはカリブ海ではなく、海からはほど遠い内陸に位置するレオン市内のGOENで働くことになりました(笑)。


森本:僕はメキシコに来る前、Panasonicでセールスエンジニアとして働いていたのですが、当時結婚する予定だった彼女に振られまして。「人生の転機が欲しい」と思っていたところに駐在員としてメキシコに在住中だった高校の同級生が「メキシコに来たら?」と誘ってくれたことをきっかけに、何も考えずにメキシコに来てみました。

その友人が住むケレタロ市を拠点に、1年程度メキシコ国内でふらふらといたずらに時間を過ごしていました。そんな最中、当時パティシエとして弊社で勤務していた安藤あきちゃんから声をかけてもらって、料理長のペルさんと面接した上でEncounter Japanに入社しました。


-渡航前はメキシコにどんな印象を持っていましたか?

坂本:もともと日本のEncounter Japanで働いていたので、メキシコに渡ったとて極端になにか新しいことをするという意識はなかったですね。またピースボートで世界一周の旅をしていた際にメキシコにも来たことがあったので、イメージがゼロの場所というわけではなかったよね。

森本:渡航前、メキシコについての知識はゼロでしたが、なぜか不安もゼロでした(笑)。結婚を約束していた彼女に振られた3日後には、メキシコに行くことを決めていましたね。そもそもメキシコがスペイン語圏ということも知らなかった。

坂本:よく来たな(笑)

森本:事前準備もゼロでしたね...。彼女に振られたショックが大きすぎたので、決断できたのだと思います。


-メキシコに来た直後の印象はどうでしたか?

森本:道に牛がいる。

坂本:いるっけ?

森本:首都のメキシコシティからケレタロに来る道中の道沿いに、牛、馬、羊などが沢山いました。

坂本:僕の出身地、北海道にもいるけどね(笑)

森本:大阪に住んでいた僕からしたらびっくりですよ。映画でしか見たことないような、チェック柄のシャツを着て、帽子を被ったカウボーイ風の人たちも目について異国感を凄く感じました。

坂本:そんな分かりやすいメキシコ風の人、見かけたりする?(笑)

森本:どこにでもいますよ!メキシコに着いてから一年間はメキシコ国内の色んな場所をフラフラしていたので、ローカルな町や田舎に行ったりしたからですかね。たくさん見ましたよ。

坂本:自分はメキシコに到着後、グアナファト州のレオンという都市にあるレストラン「GOEN」で働いていたのですが「意外と日本人がメキシコにはたくさんいる!」というのが最初の印象でしたね。社内にも、当時は社員やインターンシップ合わせて日本人が5人ぐらい働いていたからね。2019年の当時は来店されるお客様も日本人が中心で、正直そこまで海外にいる実感もなかった。


-今のメキシコのイメージは、そのころと変わりましたか?

森本:「メキシコ」のイメージだと「怖い」や「危ない」といったネガティブな印象が一般的には強いと思いますが、それに勝って明るく陽気な印象が勝ります。陽気な人がたくさんいる国ですね。

坂本:確かに陽気な人が沢山いて、彼らとのコミュニケーションが楽しい一方で、メキシコ人と一緒に仕事をする上では、未だ完全に信用できない自分もいるね。メキシコで働く中で、これまで従業員と様々なトラブルを経験してきたので...。彼らを信頼はするけど、信用はしない。真摯に仕事に向き合ってくれてることは事実なので、場面場面では信じるけども、長期的にはどこか疑っている自分がいるように思いますね。


- 日々の業務内容を教えてください。

坂本:一言で言うなら、従業員の𠮟咤激励。

森本:(笑)具体的に言うと?

坂本:厨房に入って、仕事をしているみんなに、ワーッといって、これはいい、これはダメと伝えていく。今は日本人の料理人が自分以外にも2人いるので、がっつり現場にいるというよりは、従業員のマネジメントや売上の管理などが業務の中心で、PCを開いて数字と向き合ってることのほうが多いですね。あとは、トラブルが起きたときの対応ですかね...。

森本:僕は刺し場という、生魚を扱うポジションを担当しています。刺し場はカウンター席の目の前にあるので、料理をしながらお客さんと会話することも少なくありません。GOEN FUJITAYAでの通常業務に加えて、広告・コンサルティングを展開する他事業部のプロジェクトにもアサインしてもらって、ケレタロ市外へ出張に行ったりもしました。

2024年には他都市でメキシコ人が経営する和食店やシーフード専門店に出向き、日本産の水産品の取り扱いを説明する講師役を担う等しました。またGOEN FUJITAYAやGOEN LEONで定期的に開催している鮪の解体ショーを担当させてもらう等、メキシコ人の前で話す機会が多いですね。今後はEncounter Japanの中で「エンターテイナー」としてのポジションを目指したいと思っています。


- お二人はもともと料理の経験があったのですか?

森本:僕は高校生の時に3年間、餃子の王将でアルバイトしていたぐらいですね。父が料理人であることと、祖父は釣りが好きだったことから幼少期からなんとなく魚に馴染みがありましたが、魚を捌くことが得意な訳ではなく、自宅で料理をした経験もさほどなかったですね。Encounter Japanに入社して、魚を捌き始めた一か月後に、現在はコロンビア支社長を務める小川晃司さんから「じゃあマグロを解体してみようか」と言われまして狼狽えてると「大丈夫、アジと一緒だよ」と言われましたが、「アジも捌いたことないわ!」という感じでした(笑)

坂本:そういえば、僕もメキシコに来て一か月で「Tú y Japón」というレオン総領事館の日本文化発信イベントで鮪の解体ショーを任されましたね(笑)。僕も、バキバキの料理人としてのキャリアがあるわけではありません。


- メキシコで料理人として働く魅力はなんだと思いますか?

森本:メキシコ国内では年々日本食レストランの数が増えていますが、その数はまだまだ限られています。また日本人のシェフがいる店舗はかなり少ない。「日本人である」ことが武器になるマーケットだと感じています。料理人としてのキャリアを歩んで一年の僕でも、日々お客さんの前で料理をしたり、マグロの解体ショーを任されたりと、色んなことにチャレンジできる環境は魅力的だと思いますね。

坂本:メキシコ国内に星の数ほどある飲食店の中で、僕たちのレストランは決して安くないにも関わらず、日々多くのお客様が訪れてくれる。メキシコ人従業員も同様で、数ある料理の中から和食を選び、その中から「GOEN」で働く選択肢を取ってくれている。自分の給料で和包丁を買ったりしているメキシコ人の従業員を見ると「お前はそんなに料理が好きだったのか、仕事に本気なのか」と驚くのと同時に、やはり嬉しい気持ちになりますね。

森本:あとは、目の前のお客様が喜んでくれている姿や幸せそうな表情を見れるのが、大きなやりがいですね。お客様の前で料理をするからこそ、お客さんの喜ぶ顔がよく見えます。「日本食に興味を持ってくれるメキシコ人を増やしたい」ことや「本物の日本食を知ってもらいたい」という気持ちを抱きながら日々料理に取り組んでいるので、自分たちの料理を通じてお客様が喜んでくれている光景は本当に嬉しい。自分が生まれ育った国の文化を、食を通じて発信できているんだなと感じます。

-Encounter Japnはどんな会社ですか?

森本:色んな挑戦をさせてくれる会社です。他のレストランでは絶対に出来ないような経験ができます。メキシコ市場における日本産帆立のプロモーションに関わらせてもらったり、カンクン市内の大型リゾートホテルグループに日本食の講師として招待されたり。社内に複数のレストランがあるので店舗間の行き来があって、各地で社内外の色んな人と出会える日々が楽しいですね。他のレストランだと、同じ店舗で日々同じ料理に取り組むだけで、いつか飽きがくるのかもしれません。Encounter Japanでは、次から次へ同時多発的に新たな挑戦や取り組みが起きて、次に何が始まるのか良い意味で分からない(笑) 。飽きが来ないですね。20代、30代のメンバーが中心の、勢いあるベンチャー企業ならではの若さと勢いがあります。

坂本:代表の赳史くんが、メキシコや中南米でビジネスをすることを「空いていない宝箱探し」とよく例えていますが、振り返ってみると、既に宝箱は沢山開けてきたと思っています。それでも「もう宝箱は沢山見つけたけど、きっとまだまだ空いてない宝箱があるな」という感じで、いつ終わるか分かない宝箱探しをずっと続けている感覚です。皆で発見した財宝たちも、どんどん大きくなってきてる。

自分も翔磨も、日本の飲食業界で働いていたら恐らく特別輝けることはなかったように思うんだよね。不思議とメキシコに流れついたことで、日々の業務と数々の挑戦を通じてめちゃくちゃ荒くも磨かれて。気づいたら輝かされている。日本では石ころだったものが、何かよく分からない宝石になっている。メキシコという国で、Encounter Japanと歩む日々の中で荒く削られた結果だよね。

森本:確かに...!それはもう荒い磨かれ方ですけどね(笑)日本で料理人の道をがっつり渡ってきた同僚の仲村嘉文さん曰く、日本の飲食業界では上が詰まってしまっていて、トップになるのは難しいと仰ってますもんね。料理を本格的に始めて一年の僕でも、お客様の前で堂々と料理しています。当然、成長のためにかなり背伸びをしながら緊張感を持って日々働いていますし、学ぶ意欲を強く持って仕事してますけどね。

坂本:先週決めたことを、もう次の週には更新しないといけない。いろんな持ち場があるからこその勢いですね。

森本:すさまじい勢いで成長している。

坂本:きっと止まったら死んじゃうんだろうね。

森本:マグロのような会社...。


-最後に今後挑戦したいことを教えてください!

森本:出張寿司のサービスをやってみたいと思っています。お客様のご自宅に訪問して、寿司を握る。よりリラックスした空間で、寿司を楽しんでもらいたい。いつか始めたいサービスですね。

坂本:カリブ海への進出...。といいつつも、ここ数年は、年に一回は必ず業務を通じてカリブ海に行けているんだよね。2024年は年に二回、仕事を通じて屈指のリゾート地であるカンクン市に行けた。カリブ海に進出する夢は、なんだかんだ叶いつつあるのかもしれないね。あと最近思ったのだけど、コロンビア共和国にもカリブ海はあるので、コロンビアからのカリブ海進出もあり得るかも。2024年はコロンビアで新たにEncounter Japanとして寿司屋「NANA」を開いたことによって、新しい角度からのカリブ海への進出が見えてきた。夢が広がってるんだよね。

だから最近は「目の前の仕事をやり続ければ、いつかカリブ海にたどり着けるかも」と感じてる。赳史くんや、執行役員の生田祐介が獲得してくるプロジェクトや業務は、とても面白い内容のものが多くて。いつも「そんな仕事どこから持ってきたの!?」と感じています(笑)。

色々とカオスで、時に前人未到の環境下で、どうやって店舗を作っていくのかということを考えるのが、すごく面白いんだよね。メキシコに来た時はカリブ海をめがけて仕事してたけど、結局この6年間くらい色んな場所で様々な仕事に取り組んできた。最終的には、カリブ海でのチャレンジが待ち構えているのかもしれない。

森本:行きたいな...僕もビーチがいいな。

坂本:その前にやることは山積みです。



Encounter Japan では、メキシコやコロンビアの日本食レストランで働く料理人を募集しています。

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