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“多様性の時代”に、必要なコミュニケーション力とは?世界中で使われるプロダクト開発を目指すEDOCODEが、「哲学対話」を社内ワークショップに取り入れた理由

こんにちは、EDOCODE採用広報担当のツヅキです。

多様性が大事だと言われはじめて久しいですが、一方で、コミュニケーションが難しくなっていると感じる方も増えているのではないでしょうか?

EDOCODEは、組織づくりの指針の一つとして「多様性/インクルージョン」を掲げています。その理由は、世界中の人びとに使ってもらえるプロダクトが、多様性のない組織でつくれるわけがないとEDOCODEは考えているからです。

「多様性(ダイバーシティ)」だけでなく「インクルージョン」という言葉を含めているのにも理由があります。「多様な人びと」がいるだけでは意味がなく、お互いを理解し尊重して始めて意味があるものと考えているからです。

ちなみに、 EDOCODE社員の構成は、以下のとおり。多様なメンバーで成り立っています。

(2021年9月時点)

# 性別
- 男性11人(55.0%) : 女性9人(45.0%)

# 出身国・地域
- 🇯🇵日本 12人(60.0%)
- 🇺🇸アメリカ 2人(10.0%)
- 🇳🇵ネパール 1人(5.0%)
- 🇨🇳中国 2人(10.0%)
- 🇹🇼台湾 1人(5.0%)
- 🇮🇩インドネシア 1人(5.0%)
- 🇧🇳ブルネイ 1人(5.0%)

そんな環境のEDOCODEでは、コミュニケーションを非常に重要視しています。そのため、継続的にコミュニケーションを良くするための取り組みを行っています。今回は新たな取り組みとして、「哲学対話」という手法を取り入れたワークショップを行いましたので、そちらを紹介します。

EDOCODEが哲学対話を実施する理由

哲学対話は、1960年代にアメリカで始まった「子どものための哲学(Philosophy for Children:P4C)」に由来するそうです。これは難しい哲学者の思想について、先生が教えるのではなく「対話」をしていく手法で、思考力を育てるのに有効と考えられています。その後、学校のみならず企業や地域コミュニティ、子育てサークルなどでも実践されてきました。

哲学対話は通常、参加者が輪になって行います。「輪になる」ということはつまり、お互いが対等で誰もが発言していい場であることを意味しています。また、話し合うテーマは自分たちで決めるというのも特徴で、人から与えられたのではなく、自分たちで決めた問いだからこそ、自ら考えることができるのです。

今回は、リモートでの開催ということもあり、各グループ4人での実施です。ファシリテーターには、以前より定期的に本を使ったワークショップを開催いただいている選書家の川上さん。ちなみに、この手法は川上さんが最近注力されているもので、コミュニケーションの活性につながるということで、今回EDOCODEでの採用となりました。

EDOCODEはこれから新規事業開発にも取り組んで行く予定です。そのために必要なのは、「はっきりした答えのないことを考える能力」です。 "あやふや" なことや、答えのないことを自分なりに話したり、他の人が話してくれたことに共感したりする機会にして欲しい、というのが人事のKyoさんの狙いです。

ポイント①事前のルール確認で、誰もが発言しやすく

今回の哲学対話では、下記のルールが事前に告知されました。

1. 発言は自由
2. 他の人の発言に対して否定的な態度はとらない
3. お互いに、問いかけるようにする
4. 知識や情報ではなく、自分の経験や体験をもとに話をする
5. 答えが思いつかなくなってしまったら、他の人に問いかけてみる
6. 意見が変わっても良い
7. 分からなくなっても良い
8. オチがなかったり、話がまとまらなくても良い

哲学対話では、参加者の誰もが発言できる場だと感じることが重要です。そのため、話すのが苦手な人にも発言してもらうために、ルールを確認するのです。色んな場所でワークショップをされている川上さんによると、自分の発言に価値がないと思って発言しない人も、実際は必ずユニークな経験や体験をしているのだそう。そのため、知識や情報ではなく、自分の経験や体験をもとに話をしてもらうのもポイントです。

ポイント②発言するだけでなく、聞く力も大事

「発言すること」より難しいのが「聞くこと」。川上さん曰く、1000人に1人くらいしか聞くのが上手い人はいないのでは?とのこと。

川上さん自身ももともとお話好きということもあり、聞くことの方が苦手だったそうですが、今では参加者の話を聞き出すのが得意に見えます。その理由を聞いてみました。

「僕自身も若い頃は話すことの方が大事だと思っていたんですが、2000年代後半から時代的に聞くのが大事になったという感覚があって。自分だけ喋る人って、今は敬遠されますよね。僕がいつも意識しているのは、やっぱり興味を持つこと。表情もとても大事です。特にオンラインでは、表情がその人が興味をもっているかの判断基準になるので、なるべく表情豊かにするようにしています。

また、もう一つのポイントは、話を深掘りすること。結構質問が横滑りして次の話題、次の話題、となり、話が深まっていかない場合って多いんですよ。なのでそれもポイントですね。」

横滑りというのは、何かの発言で疑問があったときにその理由を聞かずに、次の話にうつってしまう、ということだそうです。確かにそういうことってよくありますね。

ポイント③価値観が違うことを恐れない

上記の「深掘り」にも関わることですが、通常の会話で本当に対話ができていないなと感じる場面を振り返ると、自分が緊張していて次に何を話そうか考えているか、「これ聞いちゃっていいのかな」と悩んでいるか、が原因になっていることが多いように思いました。

川上さんも「特にコンプラアンスが叫ばれるようになってからそういう傾向はある」といいます。しかし、そう言った価値観の違いを恐れていると、表面的な会話で終わってしまう危険性があります。

そのため、この哲学対話ワークショップでは、ある程度踏み込んだことを聞きます。しかし、それには答えなくてもいいし、嫌だと言ってもいいというスタンスを徹底するのです。

実際のワークショップの様子は・・?

それでは実際にワークショップを行ってみてどうだったのか・・?当日の様子とメンバーの感想をレポートします!

①お題を決める

Zoomに入ると、同じチームの3人とファシリテーターの川上さんがいました。まずは軽い自己紹介が行われ、その後に今回このチームで話し合うお題を決めることに。お題については、事前になんとなくアイディアを考えるようにアナウンスがありましたので、それぞれが「これはどうかな?」というお題を発表していきました。

「幸せな犬と、不幸な人間ならどっちがいいか?」「モノガミー(一夫一妻制)以外の選択肢はないのか?」「家は賃貸がいいか?購入がいいか?」などいろんなお題が出ます。どれも面白そうです。ここで、今日話してみたいというものに2つずつ投票し、全員一致で「幸せな犬と、不幸な人間ならどっちがいいか?」に決まりました。

どのお題も、親しい友達とたくさん話した後に話すような、ちょっと深い話題。なかなか普段同僚と話すような内容ではないので、ちょっとワクワクします。全員一致で「幸せな犬と、不幸な人間ならどっちがいいか?」に決まったのも面白いなと思いました。

②それぞれが考えを発言し、それをちゃんと聞く

続いてそのお題について、それぞれが考えを述べます。こういう場面では、発言しすぎたり逆に全く発言できなかったりすることも多いと思いますが、ファシリテーターの川上さんがバランスをみて振ってくれるので、全員が意見を述べることができました。

話を進めていくと、一つ問題が生まれました。「幸せな犬」の幸せの定義ってなんだろう?ということです。そこからは、どういうことが幸せなのか、について話し合います。「どういう状態になれば一番幸せ?」。ここでメンバーの価値観の違いが出てきます。例えばお金と時間に余裕があって、行きたい時に旅行に行けて・・という人もいれば、旅行にはあまり興味がなくて広い家に住みたいという人もいます。料理をたくさんしたい人もいれば、料理には全く興味がない人もいます。

価値観の違いが明確になった一方、その経験を誰かにシェアしたいという気持ちはみんなが共通して持っている、というのも面白い発見でした。

みんなの感想は?

参加したメンバーに感想を聞いてみました。

私と同じ会に参加したフロントエンドエンジニアのYupingさん

「普段会社のメンバーとなかなか話さない話ができて楽しかったです。特に面白かったのは、議論しながらみんなの答えが変わっていくプロセス。幸せの定義を決めてなかったから、話し合いながらそれを決めていったのが面白かったです。

また、自分の価値観を深掘りするきっかけにもなりました。なかなか人生について考えることはないけど、そうすると機械っぽくなってしまう。自分の価値観に気づくと同時に、一緒に働く人の価値観も知ることができて、私は毎週やってもいいんじゃないかと思うくらい面白かったです(笑)」

別の会に参加したというデザイナーのAnastasiaさん

「私が参加した会では、”人生ってなんのために生きているのか?”というお題について話し合いました。職種的に普段ほとんど話すことがないメンバーもいたのですが、人柄を知ることができて面白かったです。この人はこういう人なんだ、意外だなと思うこともありました。

EDOCODEで他のメンバーに話しかけにくいってことはないんですが、やっぱり普段は忙しくてなかなか雑談のために時間を取ることって難しくて。毎週のレトロスペクティブ(振り返りの時間)とも違い、少人数で一つの話題を話し合ったので、いつもより深い会話ができたと思います。

ITの会社で哲学対話って少し不思議だなと思ったんですが、普段はITの話ばかりしているので、気分転換にもなって楽しかったです。」

まとめ

人事のKyoさんによると事後アンケートでも好意的な意見が多かったそうですが、ファシリテーターの川上さんの手応えはどうだったのでしょうか?

「昭和時代は違ったと思うのですが、今は仕事の時は仕事のモードに切り替えて仕事する方が多いですよね。でも時間の8割は会社に割いているのも事実です。家族の話とか、昔やっていたこと、そういう業務に直接関係のない会話をすることが、コミュニケーションの土台となって、仕事の質も変わってくるんじゃないかと思っています。

そういう会話を作ろうということで、EDOCODEさんでは以前より本のワークショップを定期的に開催していましたが、今回この哲学対話の手法を取り入れたことで、対話がもう一段階深いところにいけた気がします。

面白かったのは、どの会も人生や幸せについての話題になったこと。そこは普遍的なんですね。」

一方、Kyoさんの狙いである、「はっきりした答えのないことを考える能力」が開発できたか?については、一度の開催ではまだよくわからないというのも現実。これから継続していくことで、どういう変化が起きてくるかについては、時間をおいてまたご紹介できればと思います。

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