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意思決定が経営に与える8つの影響 ―クオリティの向上と時間軸

今回はサイバーエージェントの新卒同期で現在はHRBrainで取締役 VPoEをしている”かわちゃん”こと、川田さん(@ssossan)と下記のツイートのスレッドでやり取りした題材を掘り下げようと思います。

https://twitter.com/ssossan/status/1467061446270140424?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1467061446270140424%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Faboutproduct.jp%2Fmedia%2Fbusiness-operation%2F990%2F

多少、概念的ですが最後までよろしくどうぞお付き合いください。

すべては収益構造とコスト構造

すべての意思決定は経営の視点から見ると、収益構造とコスト構造に対してプラスをもたらすかマイナスをもたらすか、そしてその時間軸が短期か長期かという2x2x2=8区分しか存在しない。

デッドであれエクイティであれ資本主義の枠組みの中で資金を調達して経済活動をしていくのであれば、それは資本主義の制約を受ける。

資本主義の制約を受けると、結局はすべての企業活動や意思決定は数字に還元されて、以下の図で示す構造のどれかに収まる。


例えば、新卒採用を行うという意思決定は、短期的にはコスト構造に対してマイナスの影響を及ぼす第7の影響を持ちながらも長期的には収益構造にプラスの影響を及ぼす第2の影響を持っている。

どういう開発チームの構成にするのか、どういうアーキテクチャにするのか。どの部分を外部にお願いして、どの部分は内製で持つのか。そのそれぞれの意思決定もこれらの8つの影響のどれかないしは複数に落ちつく。つまりはその意思決定が収益・コストのどっちの部分に(Where)、どのタイミングで(When)、どれくらい(How Much)経営にプラスをもたらすのかを考えて意思決定をおこなっていく。

このように、オフィス選定も人事施策もプロダクト施策も採用の打ち手もマーケティングも営業も全部この8つの影響のどれかに還元されてしまう。

あとは強いて言うならば、それらに対して、本当にそれが起こるかどうかを司る、蓋然性(probability)の概念が入ってきて、意思決定をする。

つまるところ、すべての議論はこの表で表すことができる

要素選択肢1選択肢2影響の対象収益構造コスト構造影響の方向プラスマイナス影響の時間軸短期長期影響の蓋然性高い低い

8つの影響の勘所を合わせる

これらの8つの影響のうち、何を重要視して何を軽視するのか、どこを追求してどこを妥協するのか、この感覚が合っていないとチームがひとつにまとまらないし、コミュニケーションコストが掛かってしまう。

上長や経営陣との話においても、ここの目線が揃わないと提案が通らないし、議論が平行線になるし、権限移譲が進まない。

クオリティ向上は経済的にはサチる

事業の種類にもよるけれど、一般的にはクオリティの向上がもたらす経済的なリターンは早晩サチってしまう(=サチュレーション、成長グラフが寝る)

わかりやすさのため極端な図にしているが、チャートにすると以下のような図である。


一定レベルまで上がったクオリティをさらに向上させようとするとき、それらの活動は前述の8つの影響に当てはめると、「収益構造に長期でプラス」である第2影響か、「コスト構造に長期でプラス」である第6影響か、もしくはその両方に当てはまる。

クオリティが一定に到達すると、それ以上のクオリティを上げる活動に対して説明(実行することによる経済的リターンの大きさ)が必要になるケースが多いが、それはその活動のリターン回収が意思決定者の時間軸に沿っていない(大体は意思決定者の考えるリターン回収時間軸より長期的なものになってしまう)からである。

ストーリーの続きは読む場合はこちらへどうぞ!

https://aboutproduct.jp/media/business-operation/990/

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