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今日から使える!50人に会ってわかったユーザーインタビューで有効なテクニック20選まとめ

こんにちは、安元です。

個人的に、最近ユーザーインタビューを行う機会が増えてきました。

ユーザーインタビューって簡単そうだなと思いがちですが(私もそう思ってました)、色々とテクニックが必要で、やってみると意外と難しいなと感じます。

今回は、ユーザーインタビューを通して学んだ注意すべきこと・意識すべきことなどについて思いつき限りのことを書いてみます(全部で20個です。随時追記します。)

①:謝礼は先に渡す

インタビューされる相手(インタビュイー)とあなたは初対面である場合が多いでしょう。

相手はかなりの確率で緊張しており、私たち(インタビュアー)のことを疑っている可能性もあります(本当に謝礼はあるのか?とかはその1つですね)

相手の不安要素を早い段階で取り除くためにも、謝礼は先に渡しましょう。

②:インタビュイーが普段生活している場所まで行く

インタビューする場所は、インタビュイーが普段生活している場所(大学生なら大学とか)まで行くのが良いでしょう。

インタビュイーは不慣れな場所に行くと緊張してしまい、良い回答ができなくなる可能性があるからです。

③:PCではなく紙とペンでメモを取る

インタビュー中のメモは、PCではなく紙とペンで行うのが良いでしょう。PCだとタイピングの音がうるさいので、インタビュイーの気が散る可能性があります。

普段PCと馴染みがないインタビュイーにとっては、PCすらも「非日常」となってしまいますし。。。

④:相手の斜めに座る

座る場所は、インタビュイーの斜めが良いでしょう。

インタビュイーの正面に座ると、威圧感・圧迫感が出てしまい緊張してしまう可能性が高まってしまいます。

⑤:ラポール形成を忘れずに

インタビューが始まって早速質問をするのはやめましょう。何度も言いますが、インタビュイーは緊張している&インタビュアーのことを疑っていると思っておくべきです。

このような状態では良い回答が得られないので、まずは雑談(アイスブレイク的な)をしましょう。天気の話とか昨日のテレビの話とかなんでもOKです(そこで相手との共感を増やせればベスト)。

⑥:まずは簡単な質問から

⑤で雑談がある程度終われば、まずは簡単な質問からインタビューをしていきましょう。

ここでいう簡単な質問とは、「(ほぼ)何も考えずに答えられる質問」です。以下のような質問が挙げられます。

・最寄駅はどこですか?

・家族構成はどんな感じですか?

・休日は何曜日ですか?

⑦:自分はこのサービスの関係者じゃないからどんどんdisってね

例えば、インタビュアーが仕事で携わっているアプリに関するユーザーインタビューを行うとします。

インタビュイーは、「このアプリってこんな人が作ってるんだ」と思うと、自分の意見を言うことに遠慮してしまうかもしれません(不満や言いづらいことは特に)

なので、インタビューの早い段階で「僕はこのアプリに全然携わってないので、どんな意見でも遠慮せずに言ってくださいね!」的なことを言って、より正直な回答をしてもらう努力をしましょう!

⑧:共感を増やす

インタビュアーは、インタビュイーに対して「私はあなたの味方ですよ」感を出すことでより良い回答を得られる可能性が高まります。

そのためにも「相手に対する共感」を増やしましょう。

インタビュイーの話に対して、「確かにそうですよね〜」とか「それ、私もそう思ってました〜」とかです。

⑨:相手の話は参考になっていることを伝える

インタビュイーは、「自分の話なんて役に立つのかな?」とか「私の意見は参考になっているかな?」とか不安を抱えている場合が多いです。

実際、私もインタビューの最後に、「すいません、なんか役に立つ意見が言えなくて・・・」と言われたことが何度かあります。

そんな不安はインタビュー中に解消していきましょう。会話の途中で「タメになります〜」とか「それってめちゃくちゃ貴重な意見ですね」とかを言って、「あなたの話は役に立っていますよ」感を伝えてあげましょう。

⑩:YES/NOで答えられる質問ではなく、なるべく抽象度の高い質問を

インタビューでは「YES/NO」で答えられる質問はなるべく控えましょう。質問の抽象度を上げて、インタビュイーがなるべくオープンな回答ができるようにしてあげます。

これはインタビュアーの確証バイアスを避けるためでもあります。インタビュイーの回答を誘導しないようにしましょう。

例えばこんな感じです↓

悪い例:「この機能を使ってみたいと思いますか?」

良い例:「この機能についてどう思いますか?」

「使っみたい?」と聞かれたら、「うん、なんとなく使ってみたいかも?」と思ってしまうのが人間です。。。

【参考になった記事】
『ユーザーインタビューの価値とは?良いインタビューを実施するために抑えるべきこと』
https://goodpatch.com/blog/user-interview-ux-point/

⑪:「一般論」ではなく、「最近の経験」を聞く

インタビュイーには「一般論」ではなく「経験(できれば最近の経験)」を聞くことに焦点を当てましょう。

「一般論」の場合、どうしても話の内容がフワッとしていまい、インタビュイーの状況が掴みにくくなってしまいます。

例えば、こんな感じです↓

【悪い例】

インタビュアー「普段、料理はどのようにしていますか?」

インタビュイー「まず、近所のスーパーに食材を買いに行って、それから〜〜」

【良い例】

インタビュアー「最近料理をした時のことを具体的に教えてくれますか?」

インタビュイー「最近ですと、昨日、近所のスーパーで特売で売っている肉を買いました!そして〜〜」

【参考になった本】
『ユーザーインタビューをはじめよう UXリサーチのための「聞くこと」入門』

⑫:インタビュイーの言葉で曖昧な箇所、気になる箇所を深堀っていく

インタビュイーの言葉で曖昧な箇所はとことん明確にしていきます。例えば、以下のような感じです。

インタビュイー「この前、友達と一緒に鎌倉に行ったんですよ」

インタビュアー「へー、楽しそうですね!この前っていつのことですか?」

インタビュイー「うーんと、3ヶ月ぐらい前ですかね?友達も楽しかったみたいです!」

インタビュアー「(全然この前じゃないやん・・・)友達は何人ぐらいと行ったんですか?」

インタビュイー「私入れて5人ぐらいです!」

このように、インタビュイーとインタビュアーの間では「この前」という言葉ですらも認識の差がかなりあります。

これらの認識の差を埋めることで、より鮮明なインタビュイーの状況をイメージできるようになります。

【参考になった記事】
『ユーザーインタビューの極意』
https://note.mu/uxman/n/naf3831283a4a

⑬:「なぜ?」と聞かない

インタビュイーに対して「なぜですか?」とか「なぜ〇〇をしたのですか?」とかは控えましょう。

人間は、自分がとっている行動について明確な理由を持っていないことがほとんどです。

なので、「なぜ?」と聞くと、相手に論理的思考を強いることになり、本音の回答を得られない可能性があります。

「なぜ?」を考える(仮説を立てる)のはあくまでもインタビュアー側の仕事なのではないかな?と私は思っています。

ちなみに私はインタビュイーの「なぜ?」について考える時、「The Five Whys?」という手法(以下の記事参照)を使っています。

【参考になった記事】
『深く考える訓練、その1』
https://note.mu/fladdict/n/n8ab496771bc0

⑭:沈黙を恐れない

日本人って沈黙が苦手なのか、インタビューではなるべく会話を途切れさせないようにする人がいます。

「相手が回答した後にすぐさま次の質問をする」とかはありがちなので気をつけましょう。

沈黙を恐れずにいると、相手が勝手に情報の上書きをしてくれる場合もあります。以下のような例です。

インタビュアー「昨日はなんの料理を作ったのですか?」

インタビュイー「昨日はカレーを作りました!」

(沈黙)

インタビュイー「あ、そうそう。カレーを作ろとしたら、思ったよりもカレー粉が少なくて、慌ててスーパーまで行ったんですよぉ。。。」

「沈黙」という余白を相手に与えることで、相手が勝手に追加情報をくれる場合があります。

【参考になった記事】
『ユーザーインタビューの極意』
https://note.mu/uxman/n/naf3831283a4a

⑮:「1つの質問に1つの要素」を心がける

1つの質問に複数の要素を入れないようにしましょう。インタビュイーの頭が混乱するかもしれません。

悪い例:「この機能で、どんなことに不満点や使いづらさを感じますか?」

良い例:「この機能で、どんなことに不満点を感じますか?」

    「この機能で、どんなことに使いづらさを感じますか?」

⑯:次(別)のトピックに移る時は、そのことがわかるようにする

例えば、「料理のことはもう聞いたから、そろそろ普段の仕事について聞きたいな」と思った場合(次のトピックに移る場合)、インタビュイーに「ここからはトピックが変わりますよ」ということを明確に伝えましょう。

それにより、インタビュイーの頭の中でも切り替えが行われて、良い回答が得られる可能性が高まります。

※頭の切り替えができてないと、今のトピックと前のトピックで頭がごちゃごちゃになるリスクがあります。

こんな感じです。

インタビュイー「そうですね〜。昨日の料理はなかなか上手くできたと自分でも思ってます!」

インタビュアー「なるほどぉ!では、ここからは料理の話は離れまして、仕事の話に移りたいんですけど〜〜」

【参考になった本】
『ユーザーインタビューをはじめよう UXリサーチのための「聞くこと」入門』

⑰:実際に行動させて観察する

例えば、あなたが「ユーザーがアプリを起動してから検索を終了するまでの流れを知りたい!」と思っているとします。

そんな時は、そのアプリを実際にインタビュイーに使わせて、観察をしてみましょう。

悪い例:「アプリを起動してから検索が完了するまで、どんな手順を踏んでいるか教えて頂けますか?」

良い例:「実際に今、アプリの起動から検索の完了までをやって頂けますか?」

実際に行動させる方が、気になる点・新たな発見が見つかりやすいです。気になる点(行動)があれば、その場で質問をしましょう。

⑱:インタビュイーの連絡先をGETする

インタビュイーの連絡先をまだ持っていない場合は、インタビューの最後らへんで連絡先を聞いておきましょう(そのインタビュイーは今後も有用な意見をくれる可能性があるので)

ここまででラポール(信頼関係)が構築できていれば、多くのインタビュイーは連絡先を教えてくれるはずです。

⑲:他の人を紹介してもらう

インタビューの最後に、インタビュイーに「他にも同じような課題を抱えた人はいませんか?いたらご紹介頂きたいのですが・・・」的な感じで、他の人を紹介してもらいましょう。

ここまででラポール(信頼関係)が構築できていれば、インタビュイーも「この人になら協力してあげてもいいかな」と思い、他のインタビュー候補者を紹介してくれるはずです。

ユーザーインタビューには求められるのは「人たらし」能力ですね。。。

⑳:腕組みをやめましょう(個人的な反省)

最後に個人的な反省です。腕組みは相手に圧迫感を与えてしまうのでやめましょう。

安元の一言

いかがでしたでしょうか?まずは上記のどれか1つでも意識してユーザーインタビューをしてみると良いかもしれません。いつになるかはわかりませんが、近々「課題インタビュー」と「ソリューションインタビュー」のそれぞれについてのまとめブログでも書ければなと思います!

というわけで今回はこれで終了です。ありがとうございました!

(文=安元一耀 編集転載:小林宥太 転載元:http://startuptimes.jp/2018/07/13/90714/

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