2022年8月に大手冷凍・冷蔵機器メーカー「サンデン・リテールシステム」からデイブレイクに転職した豊田勇輝さん。特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を技術的に支えるTECチームメンバーの一人です。TECチームはこの1年余りで少しづつメンバーが増え、現在では5人のチームになりました。
同業界からの転職メンバーとして、入社当初から製品の研究開発担当として入社し、担当以外の業務にも取り組みながらTECチームを支えて来た豊田さんの、”体感3年”と比喩する激動の1年間を振り返ります。
デイブレイクがメーカーへ転身する要となったTECチーム
今デイブレイクは、特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を代表商品とした冷凍機”メーカー”を名乗っていますが、「アートロックフリーザー」ができる2021年9月までは他社の冷凍機を販売する専門商社だったんです。
TECチームの役割は、アートロックフリーザーの研究開発、委託先との技術的やり取りやお客様へ製品を届けるための輸送手配・納品業務、メンテナンスなど技術にまつわる業務全般。どんなふうに食材に冷気をあてたらダメージが少なくなるのか、お客様が迷いなく、カンタンに高品質な冷凍を実現するためにどんな機能をつけたらいいのかなどを日々考え、形にしていくことや、ご購入いただいたお客様のもとでの技術的なトラブルの解消に向けてサポートをするのが主な仕事です。
私はその中でも製品の研究開発をメインに担当していて、アートロックフリーザーの次のアップデートの方針や、設計などを行い、外部の製造工場とのやり取りを重ねながら新機種の開発を進めています。
2022年8月に入社した当時、デイブレイクがメーカーに切り替わりTECチームが発足したばかりのタイミングでTECチームは私を含めてたったの3人だけ。
自社開発をはじめたばかりだったので、それこそ研究や設計、メンテナンスに必要な基本的なツールをその都度集めながら手探りで体制作りをしてきました。
このほぼゼロの段階からの参画に魅力を感じていた半面、正直にいうと大変なこともあり…
実際の在籍期間は1年ほどですが、体感は3年は経過した感覚です(笑)
この1年間でTECチームは5人体制になり、それぞれのバックボーンで培ってきた経験を活かしながら、担当を細分化できるようになりました。もちろん、まだまだ少ない人数なので担当に縛られないフレキシブルな動きをしながらですが、私もメイン業務である研究開発に注力できるようになってきました。
幼少期からモノづくりが身近にある日常。大学進学後は自然とメーカーの道へ
私の祖父は、婦人靴の製造をする町工場を営んでいました。そんな祖父の姿を見てきたこともあり、モノづくりに興味を持ったのは自然な流れだったのかもしれません。
大学の進学先を選ぶときも、モノづくりに関わる未来を思い浮かべて機械工学を専攻しました。
機械工学の中でも冷凍・冷蔵機器に目を向け始めたのは本当に偶然でした。大学生時代に菓子販売のアルバイトをしていたとき、ふと目の前にあるショーケースを見て「そういえば冷凍・冷蔵ショーケースって身近にあるな」と。
身近にあるこれらを研究したら面白いだろうなと思ったのと、流体力学に関心があったため冷凍・冷蔵ショーケースの風回路について研究できる研究室に入りました。
人の生活を支えている製品は目立つわけではないけれど、ないと困ります。目立たないけど身近な冷凍・冷蔵機器に惹きつけられて、大学院まで研究を続けました。
大学院卒業後は、新卒で冷凍・冷蔵機器メーカーに入社。
開発部に配属され、1年目は主に設計を担当、2年目からはシミュレーション部門の立ち上げに伴い異動となり構造解析や流体解析を7年間担当、その後、学生時代から同じようなことを続けてきたこともあり新しいことに挑戦したいと志願し商品企画部に異動しました。
3年間の商品企画部時代はこれまでの業務とは異なる面白さがあり、もっと企画の仕事を極めたい!と思っていたところで、以前所属していた部署に戻ることになりました。
会社がシミュレーション部門をさらに強化したいタイミングだったので、経験者として頼りにされた嬉しさは感じつつも、自分の新たな興味関心やこれからのキャリアの広がりを考えると少しモヤモヤとした気持ちがありました。
この異動をきっかけに、もっと挑戦できて、ワクワクすることができないかと転職活動を始めました。出身地である東京で働きたいという想いも、後押しになりました。
そんなとき、転職エージェントから「デイブレイク」を提案されます。
実はデイブレイクの存在は以前から知っていました。
前職の製品がテレビで取り上げられたときに、次のコーナーでデイブレイクも紹介されていたのです。
古くから続くメーカーが多い冷凍機業界で、販売台数も伸びて急成長しているベンチャーは珍しい。特に、ベンチャーの大半はソフトを売って台頭しているところが多い中で、ハードを売っているところは稀少です。
これまでの冷凍・冷蔵機器業界では、同じような製品をいかに値段を下げるか、目新しい製品を出してもすぐに真似をされ、コスト勝負になってしまうのが通例でした。
そんな中でもデイブレイクは一線を画していて、特殊冷凍という付加価値を提供し高価格でも売れる製品を作っている。
しかも製品を売って終わりではなくて、コンサルという形で顧客と繋がり、顧客の価値自体を高めていることも知りました。
お客様に対しトータルサポートを実現出来ているのが、魅力的でした。
社長はイケメンだし(笑)、社員が若いし、面接をしてみて面白そうなカルチャーだなと思いました。
40歳前にチャレンジしたいとの想いもあり、デイブレイクへの転職を決意しました。
意識の変容!横並びから牽引する立場へ
前職の平均年齢は45歳くらいで、40手前の私ですらまだまだ若手と言われるくらいでした。
でもデイブレイクでは若手メンバーも多いので、すっかりベテランと言われてしまうような立場になりました。
前職では、自分の意見はいくつかあるうちの1つで、もっと偉い役職者が決定権を持っていましたが、今は自分が発する意見の1つ1つが会社の重要な分岐点にもなりうるので、責任や裁量の違いを日々感じています。
前職よりも責任を持った仕事ができる点は、ベンチャーに転職するときのひとつの魅力だったので、身の引き締まる思いもありますが、ワクワクするポイントでもあるなと感じています。
もう一つ感じるのが役員との距離の近さです。
以前の会社も大手としては役員や社長とも距離は近かったのですが、デイブレイクは社長や役員からフランクに話しかけられたり、自分から相談したりする回数が段違いに多いです。役員との距離が本当に近いため、相互間の想いを伝え合う場が多いです。
というのも、社長が会社にいるときはプラプラと歩き回ってくれて、誰にでもフランクに話しかけてくれます。自ら話しかけて、みんなの意見を汲み上げようとしてくれるのが伝わります。
この雰囲気は社員同士にも浸透しています。
例えば、セールスのメンバーがお客様に説明する際に技術的な不明点があると、すぐTECチームに声をかけてすり合わせをしたり、逆にお客様からいただいた要望やアイデアを伝えてくれたりします。メンバーのフットワークは軽いし、グループの壁もないので、お互いがよく話し、助け合う文化が当たり前に存在しているなと感じます。
社長からは入社した当時と比べて「変わった」と言われることもあり、いい意味でデイブレイクの文化に染まってきたように思います。
社長が一番熱くて、メンバーも熱い。
そんな活気にあふれた会社にいられるのが、面白いですね。
設計まで含めた内製化を目標に!世界進出に向けた製品のオート化が課題
デイブレイクは自社工場を持たないファブレスメーカーです。
企画・研究開発は自社で行い、外注して設計をしてもらっていますが、いずれは設計まで内製化したいと考えています。そのためにもTECチームを強化して、冷凍サイクル設計や制御設計、電気設計等が得意なメンバーにどんどん入社してもらうのが今の課題です。
デイブレイクは冷凍テクノロジーにおいて、日本一、世界一になることを目指しています。業界初の機能を搭載した、デイブレイクの代名詞となる新たな製品をスピード感をもって開発していきたい。
海外進出へのキーワードは「認証」と「オート冷凍の実現」です。世界で販売するための認証には、専門の知識や経験を持つメンバーの力が必要になります。
また、冷凍機自体が、食材によって最適な冷凍を自動で判断して実施してくれるような機能は言語の壁を超えるために不可欠です。
この高い壁に挑むデイブレイクでの仕事は、楽しくて、キツくて、面白い。
プラスの気持ちに転化できるのは、メディアでも注目される独自性や、会社の風通しのよさ、熱気、お客様の期待を日々感じられるからです。
「冷凍食品は生鮮品より味はイマイチだけど、便利だから選ぶ」のではなくて、
「冷凍が一番美味しい状態だから選ぶ」。
そんな新しい価値観を提供できる技術と製品をこれからも作り続けていきたいと思います。