❚ MVVは「掲げる」だけでは浸透しない
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を定めてから、DALUMAXは大きく変わった──と、外から見るとそう見えるかもしれません。
でも実際には、最初から今のように“使えるMVV”だったわけではありません。
掲げて満足していた時期、
なんとなくかっこいい言葉を選んだだけだった時期、
「これ、現場でどう使うの?」とメンバーに聞かれて答えられなかった時期、
そんなフェーズを、ちゃんと経てきました。
❚ 言語化より“運用”のほうが難しい
MVVを作るとき、時間をかけて言葉を磨きました。
「DALUMAXらしさって何だろう」
「なぜ自分たちは、この事業をやっているのか」
「“スピードが命”って言葉に、なぜここまでこだわるのか」
正直、良い言葉をつくるのはそれほど難しくなかった。
でも、その言葉を“使う文化”をつくるのは、何倍も難しかった。
❚ 「理念を使う」って、どういうこと?
ある日、Slackにこんな投稿が流れてきました。
「今回は“信頼と尊敬”で判断しようと思います」
「“即応性”を大事にして、一旦こっちで動きます」
「バリューの“構造的思考”に則って整理してみました」
それを見たときに思いました。
あ、MVVって、こうやって“会話のなかで使う”ものなんだなと。
会議で判断が揺らいだとき、
Slackでやり取りがズレたとき、
お客さんに何をどこまで伝えるか悩んだとき、
拠りどころとして“バリュー”を使う。
それが、言葉が文化になった瞬間でした。
❚ 修正しても、繰り返してもいい
実は、DALUMAXのMVVはこれまでに何度か“語り直し”をしています。
言葉そのものは大きく変えていませんが、
意味づけを変えたり、現場での解釈を増やしたりしてきました。
理念は“固定された正解”じゃない。
組織が動けば、解釈も変わる。
それを止めずに語り直すのが、経営の役割なんだと思っています。
❚ おわりに:MVVは、使ってもらって初めて“実在”する
「MVVを使ってください」と伝えても、たぶん誰も使いません。
でも、「自分はこういう価値観で判断した」と語る人がいれば、
その周囲に、少しずつMVVが実在していきます。
DALUMAXは、これからも変わり続ける会社です。
その変化の中で、“言葉が指針になる瞬間”を増やしていきたい。
そのために、MVVを「掲げる」ではなく「使う」。
その文化づくりは、まだまだ続いています。