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採用を「科学」する——。大きく動き始めたキュービックの採用戦略

営業、育成、採用など、リクルートで16年以上にわたってさまざまな仕事を経験してきた鳥谷雄治さん。2020年9月にキュービックに入社したあとは、事業サイドでの業務を経て、2021年秋からは採用チーム兼任に。「採用のプロ」鳥谷さんに、キュービックの採用戦略の今後について伺いました。

◆話し手
・鳥谷雄治
2004年株式会社中四国リクルート企画に入社。その後、株式会社リクルートへ転籍。HR領域にて、ゼネラルマネージャー、シニアプロデューサー、コンサルタントなどを経験。2020年9月キュービックに入社。メディア事業本部アライアンス担当を経てマネージャーに。2021年10月からは採用担当も兼任。
◆聞き手
・市原純(@Junomi_icchi
2018年新卒入社。北海道生まれ。キュービックに内定後、内定者インターンとして転職領域のコンテンツメディア運用チームに配属される。新卒入社後、クライアントのオウンドメディア運用チーム→営業部署の立ち上げ→ウォーターサーバーメディアの広告運用と営業を兼務→社長室に所属。

キュービックには「この人は信用できる」と思える人が多かった

——2021年10月からTAチーム兼任となった鳥谷さんですが、前職では採用含め、さまざまなお仕事をされてきたんですよね。

鳥谷:
もともとはリクルートにいました。新卒で入って16年半です。職種は営業から始まり、企画、渉外、育成、採用コンサルタントをやってきました。扱ってきたメディアで言うと、採用系がほとんどですね。『リクナビ』、『リクナビNEXT』、『アントレ』といった媒体です。

——まさに「採用のプロ」というご経験ですよね。そんな鳥谷さんがなぜキュービックに入社しようと思ったんですか?

鳥谷:
前職での仕事で、とある大きなサービスに問題が発生して事業が揺らぐという経験をしたことがあったんです。この出来事は自分の中でとても大きくて。「当たり前だと思っていたものがなくなることがあるんだな」「安定っていうのは必ずしも大きな会社にいることではないんだな」と、心底感じる経験になりました。

では自分にとっての”安定”とは何か。それを考えた時に、たとえ微力でも自分が会社作りに貢献できていることの手触りを感じられたり、自分が自分らしく働けることで出力を最大化できる、そういう会社にいることがポイントになると思ったんです。自分が自分らしくいられるには、何が必要なんでしょうね。「何をするのか」「どこで働くのか」「誰と働くのか」——。いろいろありますが、私の場合は「誰と働くか」が重要でした。

キュービックには、「この人は信用できるな」って感じられる人が多かった。キュービックはご存じの通り、たとえばコアバリューとして「ヒト・ファースト」、ミッションとして「インサイトに挑み、ヒトにたしかな前進を。」という言葉を掲げていますよね。私は選考の過程で経営陣と話をしたり、社内会議に参加させてもらったりしたことがあるのですが、あらゆる場でそういった言葉が繰り返し出てくるんです。「ああ、この人たちは本気でやろうとしているし、実際やってるわ」ってものすごく思った。難しく言えば「経営の一貫性」、簡単に言えば「言っていることとやっていることが同じ」ってことですよね。それがキュービックを選んだ理由です。

前職で培った採用コンサルタントの知識・経験をキュービックで発揮

——鳥谷さんが入社されたのが2020年9月で、まずはメディア事業本部に配属されたのですよね。

鳥谷:
そうですね。最初は本部付きでアライアンスを推進するためのプロジェクトリーダー、動画プロジェクトのプロジェクトマネージャーを務めました。それからわりとすぐに事業企画に移って、組織内の課題を横断的に解決するということに取り組みました。

——鳥谷さんと初めてご一緒したのは、その動画プロジェクトの時でしたよね。「めちゃくちゃハッピーな人が来たな」っていう印象で(笑)。

鳥谷:
そう?(笑)

——鳥谷さんは「気持ちよく周りを巻き込んで全体を動かすこと」を実践しているように、私は感じました。そして2021年10月からは、採用を兼任されることになったわけですが……

鳥谷:
キュービックは採用にかける思いが他社よりかなり強いんです。経営陣からの要求も高い。でもその一方で採用への取り組みに課題はあるなと感じていました。

私が採用を担当することになったきっかけは、まずは前職で”採用”に関わる様々な支援を経験しており、その知識や経験を活かしてほしいと求められたこと。そして、1年近く事業サイドで働かせていただき、キュービックの仕事内容をある程度理解できたこと、そういった理由があると思っています。

社員と徹底的に向き合うというキュービックの姿勢は国内でもトップクラス

——既に何度か採用面接もされてきたと思います。面接ではどういった質問が多いですか?

鳥谷:
よくあるのは、評価制度や仕事の進め方、それから、どんな人が活躍していますかという質問ですね。

——鳥谷さんはどういうふうに回答しているんですか?

鳥谷:
まずは評価制度について。これはけっこう丁寧に説明しています。キュービックは「ミッショングレード制」を敷いていますよね。5つのステージ(社員の等級ステージ)と3つのテーブルを組み合わせた15個のマトリックスがあり、”今できるか”ではなく”できそうか(期待役割)”で等級を決定しています。そして、等級ごとに、成果評価(業績評価)、クレド評価、コアスキル評価の3つの指標の割合を変えて評価しています、といった説明です。

キュービックのミッショングレード制における一番のポイントは、社員一人ひとりに向けた課題設定の丁寧さにあると思っているんです。それぞれの強みは何なのか、課題は何なのか。それを考えていくために、1on1(上司・部下との1対1の面談)、コアデー(毎月末、通常業務を禁止して集中的に1ヶ月間の仕事ぶりを振り返る時間を確保する仕組み)、フィードバック面談などといった場を活用しています。

——これらは、他社ではあまり見られない取り組みですか?

鳥谷:
似たようなことを会社として進めているところは他にもありますが、現場での裁量に任されるケースが多いようですね。上司と部下がキャリアについて話す機会は半年に1回あるかどうか、という会社もあります。

そのあたりの取り組みに関して、前職のリクルートという会社はとても希有な存在だと思っていました。ですが、キュービックはそれ以上ですね。社員と徹底的に向き合う姿勢は国内でもトップクラスだと思います。

会社のカルチャーに合う人、クレドへの共感度が高い人は活躍できる可能性が高い

——そうなのですね。いち社員として誇りに思います。キュービックでの仕事の進め方についてはどのように回答していますか?

鳥谷:
一言で言うと、「いろんな人と仕事をしていただきますよ」ということですね。

メディアを運営していく上では、マーケター、デザイナー、エンジニア、エディター、ディレクター、こうしたさまざまな人との協業が必要です。クレドで言うところの「Team CUEBiC(チームでやろう)」ですよね。一人で集中して考える、手を動かすことはもちろん大切ですが、協業が苦手な方には不向きかもしれません。

——キュービックで活躍している人の人物像についてはどうですか?

鳥谷:
会社のカルチャーに近い考え方の人、ですね。具体的に言えば、利他の精神を持っている人。それから、クレドで言えば特に「Dive into Insights(本質を追究しよう)」の考え方が強い人。何かに直面した時に「それって本当にそうだっけ?」「本質的にはどうなんだろう?」といった問いが自然に出てくる人はキュービックで活躍できる可能性が高いです。

市原さんは詳しいと思うけど、少し前のキュービックの新卒採用サイトで、求める人物像を「ヒト思いのスマートゴリラ」って表現してましたよね。「ヒト思い」が利他の精神、「スマートゴリラ」が本質思考しながら愚直に動かしていく、という。その言葉はめちゃくちゃキュービックに合っているなと、いまでも思います。

「採用を科学する」というテーマでキュービックの採用戦略を牽引したい

——なるほど。そういった方々を採用するために、鳥谷さんはじめ採用チームのみなさんはどんなことを考えてらっしゃいますか?

鳥谷:
私たちがミッションとして掲げているのは、「入社後に活躍する方を一人でも多く採用する」こと。

キュービックは現在、第三創業期にあたり、新三ヶ年計画の初年度でもあります。三ヶ年計画の中で多角化を進めていくと明言していて、各時期にどういう人材が必要だということもわかっています。それを踏まえて、3年後に向けて活躍していただける人を採用していきたいと考えています。

——直近ではいかがですか?

鳥谷:
そうですね、実は先ほど少し触れた、キュービックにおける採用戦略の課題にもつながる話なのですが……。今後2ヶ月、半年くらいは、「採用を科学する」というテーマでやっていきたいと思っています。

——採用を科学する、ですか!

鳥谷:
採用って、マーケティングと同じなんです。「数合わせで採用しなきゃ」はもちろんダメですが、「部署からニーズを聞いてそのまま求人票を作って転職エージェントに投げて」みたいな進め方もダメ。

まずは、募集背景は何なのか。仕事内容は何なのか。求める人物像はどういう人か。どんな不満があって転職を考えている人物なのか。そういうところまで明確にする「ターゲッティング」。そして、その人に対してキュービックの魅力をどう伝えるかという「メッセージング」。そこまで固まったら、どういうプロセスで、どういうチャネルを使って募集を展開していくのかという「プロセシング」。

この3つの要素を入れることで採用が可視化されます。可視化されれば、うまくできたかどうかの検証も容易になる。最初はうまくいかないでしょう。でも検証を積み重ねてどんどんブラッシュアップさせていく。これを「採用を科学する」と私は呼んでいます。

——そういう考え方で採用をしていくんですね。キュービックの場合は職種が複雑だと思うのですが、かなり大変そうですよね……。

鳥谷:
それはもちろん。複雑でわかりにくいからこそ、社内での摺り合わせが不可欠です。ニーズを聞くだけの「ヒアリング」じゃなく、全社の状況を踏まえた「擦り合わせ」ですね。その結果を私たちが取りまとめ、エージェントや求職者に伝えていく。

キュービックで運営しているメディアって、記事を作るときに、ユーザーのインサイトを獲得するために徹底した「取材」を大切にしていますよね。ある意味それと同じで、採用を科学する上では摺り合わせは本当に大切な工程なんです。大変ではありますが、これはやり続けるしかない。

——ありがとうございます。採用を科学して行くことにより、キュービックの採用力が強化されていくのを楽しみにしています!次回はメディア事業本部の本部長の石井束査さんにインタビューします。どうぞお楽しみに!

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