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AIは心を持つのか?ロボットと友達になれる日

ドラえもんと友達になれたらいいのに!

そう思ったことはありませんか?

便利な道具を使ったり、不思議な世界で大冒険ができるだろうなと思ったのは、きっと私だけではないはず。

ドラえもんに限らず、アニメや映画の中では時折、人間と同じように心を持ったロボットが登場することがあります。

近年はAIブームと言っていいほど、優秀なAIや、AIを搭載した機器が世の中に出回るようになってきましたが、

このままAIの技術が発展すれば、AIも心を持つことがあるのでしょうか?

今回はAIが心を持つということについて、考えてみたいと思います。

AIは「心があるように見える」だけ

AIをざっくり解説すると、「機械的に人の脳を再現して、コンピューターに人間ぽいことをやらせてみた」という技術のことをいいます。

人間のように会話をさせたり、絵を描かせたり、データを元に分析させたり、見たものを判断したりと、様々なことで使われています。

コンピューターは大量のデータを一瞬で処理できるので、人間よりも圧倒的に早いスピードで結果を出すことができます。

人間っぽいことを、人間を圧倒的に上回る頭の良さでやってもらうことができるため、うまく使うと効率を爆上げできたり、より精度の高い予想を立てることができるので、めちゃくちゃ人間の役にたつわけです。

だからこそ、研究が進み、色々な用途でAIを積極的に使っていこうという世の中になっているんですね。

ただし、人間の脳を再現しているといっても、AIは実際に人間と同じように考えることはできません。

AIは「心があるように見える」ことはありますが、本当の意味で考えたり、意識を持って行動しているわけではなく、たくさんのデータを元にパターンを見つけて判断をしているにすぎないのです。

人間の脳を再現しているのだから、人間と同じように心を持つAIが生まれてもおかしくないはずですが、未だに心を持ったAIが開発されたという話は聞いたことがありませんよね。

「弱いAI」「強いAI」とは?

ちなみに、AIには「弱いAI」と「強いAI」という2つの概念があり、それぞれ以下のような違いがあります。

弱いAI

定義: 特定のタスクだけを実行するために作られたAI。現在、私たちが日常で使っているほとんどのAIはこれに該当します。

特徴: 特定の目的には非常に優れているものの、それ以外のことはできません。感情や意識はなく、単なるプログラムのように機能します。

例: スマートフォンの音声アシスタント(SiriやGoogle Assistant)、自動運転車のAI、画像認識ソフト、チェスや囲碁のAIなど。

強いAI

定義: 人間と同じような知能を持ち、どんな仕事も人間のようにこなせるAI。理論的には、自分で考えたり学んだりする能力を持ちます。

特徴: 自己意識があり、感情を持つ可能性もあるとされます。幅広い分野で自律的に判断を行い、さまざまなタスクを柔軟にこなすことができます。

例: 現在の技術では実現していないため、映画や小説などのフィクションで見られる人工知能(例:ドラえもん、鉄腕アトム、映画「ターミネーター」のスカイネット)。

今回のテーマである「心を持ったAI」というのは、「強いAI」にあたりますが、上記に書いてあるとおり、現在の技術では実現していません。


2024年現在、世の中で広く使われているAIはすべて「弱いAI」にあたります。

AIを理解するうえでは大切なことなので、このあたりも知っておくといいと思います。

人間の心は奥が深すぎる

なぜ、これだけAIが広まってきた世の中でも、まだ心を持ったAIを開発することができていないのでしょうか。

心を持ったAIが作られない理由として一番大きいのは、人間がまだ心というものの正体を理解できていないからでしょう。

心とは「感情」「意志」「知識」など、様々な精神的な作用をまとめた言葉で、物体として確認できるものではありません。

私たちがもつ心は非常に複雑で、人間なら誰でも持っていながら、一つとして同じものはありません。

何千年も前から、人間は心の正体を解き明かそうと研究がなされていますが、確実な答えは現代においても出ていないようです。

一応、脳の働きによって心が生み出されているということはわかってきましたが、脳が意識をどのように作り出しているのかは、科学的に完全には解明されていません。

そのため、AIで再現しようにも、そもそも設計図がまだ存在しない状態です。

また、心は一貫性がなく、ときには矛盾することもあります。

同じ出来事でも「嬉しい」と感じることもあれば「悲しい」と感じることもありますよね。

AIはコンピューターのプログラムなので、決められたルールやデータを決められたように処理することしかできないため、曖昧な心とは対極にあります。

人間の複雑で曖昧な心を、コンピューターが再現することはめちゃくちゃ難しいのです。

脳はハードウェア、心はソフトウェア

人間をコンピューターに例えるなら、脳は「ハードウェア」、心は「ソフトウェア」にあたります。

しかし、このソフトウェアは普通のプログラムとは違います。

なぜならコード(プログラミングの記述)は見えませんし、勝手に書き換わったり、当たり前のように不具合があって結果が変わったりするからです。

AIは高度なハードウェアとプログラムで動いていますが、人間の心に近づくのが難しいのは、このソフトウェアの設計図がそもそも未完成で、曖昧さや矛盾といった「バグ」が、人間らしさを生んでいるからです。

人間の心の「完璧ではない」という性質そのものが、一番の人間の魅力の部分といえますし、完璧でないからこそ一人ひとりに個性が生まれています。

将来的に脳というハードウェアが完璧に機械で模倣が出来たとしても、心というソフトウェアが持つ未解明の部分をどう扱うのかという大きな課題が残っています。

それが解決できたら、AIが自分の意志を持って行動し、人間と友達になる世界が訪れるかもしれませんね。

AI研究から「心とは何か?」が見つかるかも?

ここまで見てきたように、今の段階では心を持ったAIを作るのは現実的な可能性が薄く、大きなシンギュラリティ(今までの常識が変わるような技術の革新)が起こらない限りは実現は難しいようです。

マンガや映画などのフィクションが実現するのは何百年後になるのか……私には想像も付きません。

少なくとも、自分が生きている間に心を持ったロボットと友達になることは難しそうです。残念。

しかし、AIに心を持たせる試みは現在でも大学や研究機関などで続いています。

そのあたりも調べてみるととても面白く、より深くAIを理解できると思いますので、興味があればぜひ検索してみて下さい。

もしかすると、そのような研究の中で「心とは何か?」という人間の本質的な問いの答えが見つかるかもしれません。

数千年前から続いている哲学的な問いに、ようやく答えが出るとしたら、本当にすごいことですよね。

もしAIが心を持ったら、あなたはどんなことが起きると思いますか?自由な発想で考えてみるのも面白いでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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