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2019年6月7日に、新経営体制の発表をしました。
この発表でコネヒトの代表が大湯から北吉にバトンタッチいたしました。
本エントリーでは、大湯と北吉の出会い、どのようなやりとりを経て信頼関係を築き経営のバトンタッチに至ったのか、知られざる裏側のエピソードをご紹介します。
大湯の退任に至る思いについては、こちらのブログをご参照ください。
まずはじめに、二人の経歴をご紹介。
大湯(写真右):1988年生まれ、慶應義塾大学卒。在学中にアメリカ留学を経て帰国後の2012年にコネヒト株式会社を創業。 2014年より、同社にて「人の生活になくてはならないものを作る」というミッションのもと「ママリ」事業を開始。2016年に同社はKDDIにグループ入り、引続き代表取締役社長を務める。2019年6月より同社顧問。
北吉(写真左):1983年生まれ、同志社大学卒。2006年、KDDIに新卒入社。サービス担当、事業立ち上げ、戦略策定を経験した後Supership株式会社の立ち上げ、複数社のM&Aを推進。2016年6月コネヒトのKDDIグループ入りを推進し、その後も戦略策定などのサポートを経て、2019年6月コネヒト代表取締役社長に就任。
「ママリ」の理想と現実についてキャッチボール
- おふたりの出会いはどんなきっかけだったんですか?
大湯:(Facebookメッセンジャーを確認しながら)一番最初は2016年2月に初めてメッセージしていますね。めちゃくちゃ懐かしい笑
北吉:懐かしい、そのチャットしたの覚えている!
大湯:その頃僕たちは会社の未来について考えていて、資金調達ということも検討していた時期だったんですよね。もともとKDDI ∞ Laboの卒業生だったということもありKDDIの方にも調達の相談をしていました。その話が進む一環として、Syn.ホールディングス(現在、Supershipホールディングス)と出会ったんですよね。運命の出会いでしたね!
北吉:そうですね。その当時、Supershipにて事業戦略まわりを担当しており戦略の実現に向けてコネヒトがマッチするのか、というカウンターパートとしてお会いしたのが最初ですね。
若いのにすごい、話していることが大人で壮大だなと思ったのが第一印象だったな。ママリの全体像の話をきいて、ママセグメントの事業可能性についての話を今でも印象深く覚えています。
大湯:しましたね!とても大事なコンセプトです。まず媒体社として広告市場をしっかり捉えるためには、可処分時間と可処分所得を考える必要があり、その両方をおさえている人を抱えることが重要だと思っていました。「ママリ」がターゲットとしているママ層は、人によっては一定の時間をもち、同時に家族の財布をにぎりうる存在で、広告市場に必要な2つの要素を満たしているのではないかと仮説立てしていました。ママはバーティカルでも、まずはビジネス化できる。
また加えて、人が人生で使うお金の中でも高額なものは家族にまつわるものが多いという点にも注目していました。例えば保険、住宅の購入、教育に対する支出などですね。ですので、これは今でもそうなのですが、将来設計としては家族の入口をおさえそこから大きな領域にビジネス展開する絵を描いていました。
2016年6月にコネヒトはKDDIグループ入りをしたんですけど、そこに至るまでに北吉さんとはM&Aのカウンターパートとして「ママリ」という事業を中心に置きながら、理想と現実についてキャッチボールをしていたなと思います。今から思うと、今のバトンパスもこのときのやりとりがあってこそ繋がっているのかもしれませんね。
北吉:本当にいろいろ事業について話しましたよね。僕は当時はあくまでM&A担当だったので、客観的に「ママリ」を見ていたのですが、やっぱりママリの強みはコミュニティだなと思っていたんです。ママという市場にポテンシャルはあるなと思いつつメディア単体の事業モデルの難しさを感じていた中で、ママリはロイヤリティのあるユーザーがいる粘着質な接点というところに非常に可能性を感じました!
大湯をハッとさせた「ママリの本質的な価値を表現できていますか?」のひとこと
- KDDIグループ入り後、印象的な出来事はありますか?
大湯:北吉さんはグループ入り後もいろいろな角度からサポートしてくれてましたね。その中でもやっぱり一番記憶に残っているのは「ママリプレミアム」という課金事業を立ち上げていたときのことですね。
グループ入りから半年ほどたって、メディア業界全体がその存在を問い直されるタイミングとも重なり、僕たちも改めて自分たちの立ち位置を考え直しました。もともと、今後の展開として課金事業は念頭にあったのですが、外部要因での影響も受けやすいメディア事業を中心に置いているリスクも鑑みて課金事業の開始がホットトピックスになりました。
北吉:外部依存が低く、安定的な収益基盤を構築したかったので、大湯さんと課金事業の戦略、コンセプト、機能など詰めていきましたよね。その中で、ただ単にコネヒト単体だけで立ち上げるよりも成功確率を高めるべく、KDDIを巻き込む形で模索しました。
大湯:課金事業の立ち上げ時は、会社としても新しいビジネスモデルを作っていく変革の時期だったので、本当に会社としてチャレンジングでした。そんなときに北吉さんには計画策定など、たくさん支えてもらいました。
グループ入りのカウンターパートとして、もともと「ママリ」についてチャンスがあると思ってくれているという信頼が前提にありつつも、この大事なチャレンジである課金事業のサービス骨子を議論したのは今のバトンパスにつながる出来事だったなと思いますね。
一番印象的だったのは課金対象にする機能を考えている際に、「この企画でママリの本質的な価値を本当に表現できてますかね?」と言われたことでした。その当時は、エンジニアリングはCTOの島田に任せていましたが、それ以外は僕の担う部分も多くすごく忙しかった。忙殺されて、少しこんなかんじかなとおざなりになる瞬間だった気もします。そんな中、北吉さんからその一言をいわれて、すごくハッとしました。
僕たちは今まで、ユーザーのインサイトからモノづくりをしてきたはずなのに、いろいろな力学にあてられてしまっていた。その問いかけがあったお陰で本質的にユーザーが求めているもの、コミュニティに根ざす機能がいいよねと再考をして今のママリプレミアムの形になっている。本当にあのとき折れなくてよかったと思って、感謝しているんですよね。
北吉:あの時は本当に忙しかったよね(笑)。大湯さんを近くで見ていてマインドシェアが100%を超えているのは見ててわかった。ママリにとってすごく大事なチャレンジである課金事業を絶対に成功させたかった。よく経営者は孤独といわれますが、きっと大湯さんが相談できる人はいないんだろうなーと思っていたし、大湯さんに「そんなんで大丈夫かー!」って言える人っていないんだろうな思っていたので、そこは自分が支えなくちゃいけない、ユーザーへの寄り添いから離れそうな時は伝えないといけないという謎の使命感がありましたね(笑)。
大湯:いやー、史上最大に物理的にも精神的にも本当に忙しくて、自分のすべてを注いでも全然時間が足りない時期だった(笑)。サービスとしては本当に大事な大きなチャレンジだったので、北吉さんに客観的に言われて一度立ち止まって冷静に考えることができたのは本当によかった。あとはそこで北吉さんが「ママリ」についても本気で向き合い、考え、僕たちが大事にしているユーザーに寄り添う考えを持ってくれているということにも気付けたのも大きなことでした。
大企業とスタートアップの連携のひとつのモデルになりたい
- 北吉さんを自分の後任に選んだ決め手は何でしたか?
大湯:もともと、事業計画を一緒に策定しているのでロジックや戦略思考の深さは安心感がありました。加えて、課金事業立ち上げのときにママリの本質的な価値を話したことで、ウェットな部分の価値も意識してくれているということを感じ、北吉さんへの信頼感は増してましたね。
最終的には今後のさらなる成長を考えバトンパスを意識し始めたときに、どういう要素が必要か考えたんですが、やはり北吉さんにお願いしたいと思いました。
僕たちはKDDIグループなので、コネヒトにとってのメリットだけではなく、KDDIのメリット、両方の視点で事業を考えることがとても大事です。その点で、北吉さんはKDDIグループ入りからコネヒトのM&Aのカウンターパートとして約3年間寄り添ってきているのでコネヒトのメリットを考え、KDDI社員であるためKDDIのことも考えられる、ベストな人材だと思いました。M&AのPMIにおいては、両社の視点を持ち進めることができる人材がいることが成功パターンなんじゃないかと思います。
北吉:僕がこの話(社長人事)をもらったとき、びっくりしました。でも僕自身、今まで複数M&A担当をしていた中で期間限定、リソース限定での支援でしっかりサポートできなかったこともあったので、自分にとってもやりきるチャンスをいただいたオファーでした。
あとは大企業とスタートアップの連携について考えてみると、KDDIという大企業の社員である自分がコネヒトの経営を担うことはいわゆる「大企業とスタートアップの連携」のひとつのモデルになるかもなと思いました。
大企業とスタートアップの連携での罠としては、大企業のガバナンスを効かせすぎると小さな大企業をつくってしまい、放置しすぎても連携が進まない。連携することでそれぞれの目的を達成するためには、両者を理解した上で連携の舵取りをすることが必要で、スタートアップが大企業のアセットをうまく引き出しながら巻き込むことが重要だと思うんです。
その点では、僕は新卒でKDDIに入社し、サービス担当、事業立ち上げ、戦略策定業務を経験し大企業を理解していて、スタートアップのM&Aを経て出向・協業を経験し、5年間でいくつものスタートアップの中で働くことで実情や文化も理解している。大企業とスタートアップ、両方の勘所があり、特にコネヒトにおいては約3年間事業にハンズオンをしてきたことを考えると、もちろんプレッシャーはありますが、大湯さんからも話があったように、自分が適任なのかも、と思いました(笑)。
大湯:今回、北吉さんに代表をお願いしたけど、もともと創業期から一緒にサービス成長を支え、信頼している田村を取締役としてNo.2を任せています。田村は、iOS、Androidの開発、SEOなど経て、現在もママリのプロダクトオーナーであり、こういったメンバーがいるというのはこれからもママリのよさが変わらない安心感がありますよね。
北吉:田村さんがいるのは心強い。そうじゃないと僕としても受けられなかったかもしれないです(笑)。やっぱり創業期からずっとママリの成長を見守り、マインドを継承しているメンバーがいるのは安心感があります。
「ママリ」をより実社会にまで影響を与えるブランドに!
- 今後のコネヒトについて教えてください
大湯:コネヒトはもともとKDDIグループという形ではありましたが、SupershipホールディングスからKDDI直下に変更となります。それも含め、よりKDDIとのパートナーシップをより強固にし大きな取り組みができるようになるはずです。社会にとって、グループにとって、どういうアセットを持って戦い、コネヒト、ママリを大きくしていくのか。僕のときにやりきれなかったことももちろんあるので、うまく引き継いでやっていってほしいと期待しています!
北吉:新しいこと、より難しいことにチャレンジする会社にしていきたいなと思いますね。ママリのブランドミッションである「ママの一歩を支える」というのを、ひとつのウェブサービスとしてだけではなく、しっかりと実社会にまで影響を与えるブランドとして成し遂げていきたいと思っていますね。
「ママリがある世界」と「ない世界」を想像したときに、圧倒的に「ママリがある世界」がいいよね、こんなに社会が生活がよくなったよね、というのをみなさんに感じてもらえるようにしていきたい。大湯さんが土台をつくってくれたので、その上でしっかりとやりきりたいと思っています!
編集後記
みなさま、いかがでしたでしょうか?
新体制となったコネヒトでは、新しいメンバーを募集しています!
募集中の求人はこちらから、是非ご確認ください。
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また、新旧CTO対談として島田と伊藤のインタビューはこちらからご確認いただけます。
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