データに基づいた意思決定が重要視される現代において、消費者のリアルな声を迅速かつ手軽に把握することは、企業にとって競争優位性を確立する上で不可欠です。ノウンズ株式会社が提供する消費者データ分析SaaS『Knowns 消費者リサーチ』は、まさにそのニーズに応え、データ調査のハードルを劇的に下げる革新的なサービスとして注目を集めています。
今回は、『Knowns 消費者リサーチ』誕生のきっかけ、独自の強み、そして今後の展望について、代表取締役の田中さんに話を伺いました。
![]()
田中 啓志朗 / 代表取締役
慶應義塾大学卒業後、株式会社リクルートにてマーケターや新規事業立ち上げ担当を歴任。消費者意識データの重要性と手軽に手に入れられない課題を痛感した原体験から、2019年にノウンズ株式会社を創業。『Knowns 消費者リサーチ』をはじめとする、データ活用サービスを通じて企業の成長を支援している。
なぜこのサービスが生まれたのか
ーー『Knowns 消費者リサーチ』が生まれた背景には、田中さんのどのような原体験があったのでしょうか?
田中:リクルート在籍時、マーケティングや新規事業の立ち上げに携わる中で、消費者のニーズを深く理解することの重要性を痛感していました。新しい企画を進める際には、必ず「消費者は何を考えているのか」という仮説を立てるのですが、当時の社内には行動データは豊富にあったものの、消費者の意識に関するデータは十分に整備されていませんでした。
各部署が個別に調査を実施しているケースはあったものの、それが全社的なナレッジとして共有される仕組みはなく、必要な時に誰もがアクセスできる状況ではありませんでした。結果として、消費者意識データが必要になった場合は、外部のリサーチ会社に依頼することになるのですが、コストがかなり高額で、さらに結果が出るまでかなりの時間を要することがたびたびありました。
そうなると、急ぎのプレゼンなどに間に合わないこともあって。「もっとスピーディーに、そしてコスト効率良くデータに基づいた意思決定を可能にするサービスがあれば」という強い思いが、ノウンズ設立、そして中核サービスである『Knowns 消費者リサーチ』の開発へと繋がりました。
サービス概要|“今”の消費者意識にアクセスできるデータプラットフォーム
![]()
続いては、『Knowns 消費者リサーチ』が具体的にどのようなサービスを提供しているのか、その概要と主要な機能について解説します。
『Knowns 消費者リサーチ』は、大きく分けて2つのサービスで構成されています。
1|全データ見放題(サブスクリプション型)
ノウンズが世の中に存在するさまざまな事柄のデータを先回りして取得し分析を行っています。過去数年間にわたり蓄積された、10万人規模の消費者調査データを、キーワード検索一つで瞬時にアクセスできます。
特徴:
- 豊富なデータ:ブランドやタレント、キャラクターなどの認知度、購買層、NPS(ネットプロモータースコア)、ブランドとキャラクターのコラボレーションの可能性など、多岐にわたる調査データにアクセス可能です。
- 圧倒的なスピード:これまで数週間から1ヶ月以上を要していた調査が、わずか1分に短縮。意思決定のスピードを飛躍的に向上させます。
- 業務効率の大幅改善:直感的な操作インターフェースと自動分析機能により、レポート作成業務を効率化。データ分析にかける時間を削減し、より戦略的な業務に集中できます。
- 直感的な操作性:UI/UXに徹底的にこだわっており、特別な知識がなくても、検索やクリック操作だけで簡単にデータを利用・分析できます。お客様からは「説明をほとんど受けなくてもすぐに使いこなせる」という声を多くいただいています。
活用イメージ:
特定の商品名やキーワードで検索するだけで、消費者のリアルな声や反応を即座に把握。マーケティング戦略の立案、効果測定、競合分析、新たなビジネス機会の発見など、幅広い用途で活用できる。
2|カジュアルリサーチ(従量課金型)
独自のアンケートを簡単に作成し、最短1時間で集計結果を得られるセルフリサーチ機能です。
特徴:
- AIアシスト:AIが質問項目や回答選択肢を自動で提案するため、専門的な知識がない方でもスムーズにアンケート作成が可能です。
- スピーディーな結果:アンケート配信から集計、分析結果やグラフの自動作成までを迅速に行い、タイムリーな情報収集を可能にします。
- コスト効率:従来の調査と比較して、大幅なコスト削減と時間短縮を実現します。
活用イメージ:
「今年、花見に行きましたか?」といった簡単なアンケートから、より詳細な消費者意識調査まで、目的に応じたアンケートを回収し、必要な情報を迅速に収集できます。
さらに高度な分析ニーズに対応
「カテゴリー・エントリー・ポイント(CEP)」分析など、高度な分析をノウンズが代行して行いレポートで提出するパッケージプラン『Knowns エキスパート』もご用意しています。通常高額となる専門的な分析も、ノウンズのパッケージプランを利用することで、比較的安価かつ短期間で実施可能です。
『Knowns 消費者リサーチ』の強みは、「早い」「安い」「使いやすい」です。これらのサービスを通じて、誰もが手軽に消費者データを活用し、データに基づいた的確な意思決定を行えるよう、消費者分析の民主化を推進しています。
データの量と質|日本最大級の規模×網羅的なデータ
『Knowns 消費者リサーチ』は、質の高い膨大な消費者データを保有しています。
- 国内最大級のデータ規模:2024年時点で、自社保有のファーストパーティーデータは国内最大級の規模を誇ります。
- 多様な消費者パネル:約10万人のアクティブな回答者パネルから、リアルな声を迅速に収集します。
- 偏りのないデータ収集:幅広いテーマのアンケートをランダム配信することで、属性の偏りを抑制しています。また、日本の人口統計に合わせたウェイトバック処理をボタンひとつで行うことができます。
- 豊富な回答数:個々のアンケートに対し、常に数千~数万人規模の回答を確保できる仕組みを構築しています。
- 多角的な属性情報:年齢、性別、興味関心など、多様な属性情報を網羅し、データ全体はインターネット利用者構成比に近い傾向を示します。
- 複数企業で活用可能な共有資産:収集したデータはノウンズが取得したものがほとんどのため、特定の企業に独占されることなく、複数の企業が共通の資産として活用できる点が大きな特徴。これにより、各企業は個別に高額な調査を行うことなく、幅広い消費者インサイトを得ることができます。
- あらゆる消費者接点をカバー:特定のブランド、商品に限らず、タレント、アニメキャラクターなど、消費者との接点を持つあらゆる対象について、継続的にデータを収集・分析しています。
データ分析機能の一例|「7Journey(セブンジャーニー)」で顧客体験を可視化
『Knowns 消費者リサーチ』では、消費者の意識と行動の変化を7つの段階で詳細に分析・可視化する、7Journeyという機能があります。
![]()
これは、消費者を「未認知」「チャンス」「きっかけ待ち」「巻き戻し」「離反」「ロイヤル」「離反予備軍」の7つの段階に分類し、それぞれの段階にいる消費者の割合や属性を可視化するもの。
「7Journey」を活用することで、各フェーズにいる人の割合・属性を分析できるため、たとえば「このブランドはまだまだ未認知が多いから、まずは認知施策をすべきだ」「ロイヤル層は20代女性が多い」といったマーケティングの示唆を得ることができます。
解決する顧客課題の具体例
- 大手食品メーカーの新商品開発:既存ブランドがカバーできていない消費者層を特定し、ターゲット層のニーズを詳細に分析。データに基づいた新コンセプトを開発するなど、新商品開発における仮説検証スピードを上げるとともに精度を高める。
- 広告代理店のキャンペーン提案:ターゲット層のインサイトを深掘りすることで、より共感を呼び、行動を促すクリエイティブを開発。広告効果を最大化し、クライアントのマーケティング目標達成に貢献。
- ベンチャー企業:市場ニーズの迅速な検証、新規事業開発のスピードや、立ち上げ成功率の向上に貢献。
データ活用の社会的インパクトと今後の展望
![]()
田中代表に、「データ活用が社会に与えるインパクト」と「今後の展望」について伺いました。
ーー「誰でも簡単に消費者意識データへアクセスできる環境を整備する」ことが、社会に与えるインパクトについて、どうお考えですか?
田中:プロダクトアウト型で商品を作れば売れる、という時代はかなり昔に終わっており、現在は消費者に向き合いインサイトを得たりニーズを確認するなどマーケットイン型でビジネスを展開する企業が多くなりました。
一方、消費者意識を分析することは、お金の面や時間の面でまだまだ高いハードルがあり、中堅中小企業はもちろんのこと大手企業の事業部門でも思い通りにいっていないのが現状です。
誰でも簡単に消費者意識データにアクセスできる環境が浸透することで、消費者分析を行うハードルが下がり企業や自治体などがより消費者に向き合った、そして寄り添った商品やサービスが次々と生まれると考えます。結果、より良い社会が実現できると思っています。
ーーノウンズの今後の展望について教えてください。
田中:ノウンズの今後のビジョンは大きく分けて3つあります。
1つ目は「グローバル展開」です。
すでにアジア圏で展開している「Knowns アジアリサーチ」をさらに強化し、将来的には欧米市場への進出も視野に入れ、グローバルなリサーチプラットフォームを構築していきます。
2つ目は「定性データ領域の強化」です。
これまで強みとしてきた定量データに加え、定性データ、例えばインタビュー調査などの領域にもサービスを拡大していく予定です。より少人数の対象者に対して、深く掘り下げた調査を行うことで、定量データだけでは見えてこないインサイトを提供していきたいと考えています。
3つ目は「AI技術の進化」です。
現在保有する膨大なデータをAIに学習させ、より高度な分析や、潜在的なニーズの自動的な発見を目指しています。
これらの新しい挑戦は、ノウンズを次のステージへと引き上げるための重要なステップであり、この成長の過程で、多様なスキルを持った新しい仲間を迎えたいと考えています。
ーー今後の展望を踏まえて、今後入社される方にはどのような挑戦機会がありますか?
田中:『Knowns 消費者リサーチ』で培ったデータ分析基盤を活かし、インフルエンサーマーケティング支援、アジア市場調査、専門家ネットワークなど、多岐にわたる新しいサービスを積極的に展開していきます。
「データ×マーケティング」「データ×事業開発」のように、データと様々な領域を掛け合わせた新しい価値創造に挑戦できる、非常にエキサイティングな環境です。
「データで世界を変える」という壮大な目標に共感し、私たちと一緒にチャレンジしたいという意欲のある方、ぜひ一度お話ししましょう!
===================
★こちらもあわせてご覧ください★