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子どもたちが自分でお金を稼ぐ体験を!屋台経営プロジェクト!

ワンダークラスの屋台経営プロジェクトの本番がやってきました。

この屋台経営プロジェクトは、9月から少しずつ体験を通して学びを積み重ねてきたプロジェクト型の実践となっています。

今回の屋台経営プロジェクトは、1泊2日で準備合宿を行った上で、本番に臨むという流れで取り組んでいきました。

ここまでの屋台経営プロジェクトの流れは以下の通りです。

これまでの流れをおさらい

9月:「屋台経営の体験をしてみよう」

➡実際の屋台販売と同じ形で、自分たちだけで屋台体験に挑戦していきました。一人1,500円をもってそれぞれのチームの商品を購入したとき、どのぐらいの価格設定でどれぐらい利益が出るのか、実際に体験をしてみました。

https://educamp.jp/4894


10月:「屋台販売の準備をしよう」

➡体験を踏まえて、メニューを本格的に決めていきました。その上で、1つのメニューを作るのにどれぐらいの経費がかかるのか、どのぐらいの本数を売りたいのかという、販売計画を立てていきました。

https://educamp.jp/5235


11月:「準備合宿&リハーサル・そして本番へ」

➡1泊2日で屋台の販売に必要な備品や材料を買い出しにいきます。そして、本番に入る前に、合宿内でスタッフに販売をするリハーサルを行い、役割分担や動線の確認、ボトルネックとなりそうなところを見つけ、お客さんからの生の声を聴くという形でインタビューをしていきました。
➡そこで見つけた課題点をギリギリまで洗い出し、改善をしていけるように話し合っていきます。

全て子どもたちが体験を通して自ら考え、体験を通して改善をしながら学んでいけるように進めていっています。

準備合宿&リハーサルの様子

初日は、主に買い出しと看板作成、細かな備品準備といった流れで進めていきます。

前回の計画作成の段階で、ある程度のメニューは決まっているため、それぞれどれだけの数を作る必要があるかを話し合っていきます。

ここで販売計画が必要になっていくわけです。

ちなみに本番に来場するお客さんは
・自分たちの家族
・クローバー、ステップ、探究の会員
・その他知り合い
に限って販売を行っていきます。

そのため、ある程度数式を立てることで見込み客数の計算ができるわけですね。そんな数式の立て方を事前にレクチャーしていきました。

① 自分たちの家族が何人ぐらい来るか
② クローバーやステップの会員の何%ぐらいがくるか
③ 知り合いは何人ぐらい来そうか

そして、概算でそれぞれの数を出した後は、来場者数の何%ぐらいが自分たちの商品を買ってくれそうかを考えていきます。

そうすると「見込み客数」×「購入割合」の計算を立てることができます。ちなみに、自分が招待した人は、ある意味コアファンなわけなので、購入割合の確立が上がるかもしれませんね(笑)

こんな計算を子どもたちが話し合いながら考えていくわけです。

勿論、どこまでいっても予想です。実際に本番になってみると、全然外れてしまう可能性もあります。

でも、だからこそリアルな体験が生まれるわけですね。そして、リアルな体験にこそ、大きな学びが生まれていきます。

ちなみにこの屋台経営プロジェクト、特に使えるお金の予算は決まっていません。

子どもたちがお金を使いたい場合は、のあそび銀行にお金を借りに来るわけです。その際に販売計画を説明し、お金を借りられるかどうかをジャッジされます。ある程度しっかりと説明できれば、信用が生まれ、借りられる金額も大きくなります(笑)

そして、最終的に利益が出れば、借りたお金は全額返金してもらい、残ったお金がチームの利益となるわけです。出た利益は自分たちの旅の資金として、そのまま使うことができます。

そして、もしも赤字になってしまったら、、、

特に返済義務はありません。このあたりは非常に優しい、のあそび銀行ですw


さて、実際の子どもたちの様子はどうだったか。


買い出しをする、看板を作る、といった分かりやすい準備に対しては、みんな頑張っていけます。何をするかが明確なので。

しかし、それが終わっていくと、何をしたら良いかを見失ってしまうんですね。

このままじゃいけないことは分かっている、でも、より良くするために何をどうしたら良いのかが分からない。

まさにここが一番重要なのです。

誰かに用意されたことではなく、自分たちでより良くするために何ができるかを考える力。

これができると社会の中でめちゃくちゃ活躍できるようになりますよね。

そして、これを考えようとするは、結構しんどいんです。まあ、いいやと諦めてしまえばそれで終わり。でも、諦めずに考え続けられるかどうか。

まさに「思考体力」が必要になっていきます。

社会の中で活躍している人たちには、共通してこの「思考体力」が備わっているように思います。

そんな大変さを体験していけるのも、この屋台経営プロジェクトの価値だなと思いながら見ています。

↑こちら、夜遅くまで話し合っている子どもたち

そして、実際にリハーサルをしてみると、自分たちが想像していたよりも時間がかかることが分かったり、誰が何をしたら良いかが分からなくなったり、色々な課題が見えていきます。

また、リハーサルでは、スタッフにお客さんとして購入してもらい、買われたメニュー、買われなかったメニューについて、インタビューを通してヒアリングを行っていきました。

このヒアリングもインタビュー形式にすることで、自分たちで質問を考えながらフィードバックをもらっていきます。全て自分ごとにしていってもらいます。

なので、非常に質問力が問わます。

「はい」か「いいえ」で答えられるような「クローズドクエスション」だけでは、良いフィードバックがもらえません。いかに、自分たちが必要とできる情報を引き出せるか、良い質問ができなければ、フィードバックはもらえないままです。

「もっとこうしたら良くなるという、改善点はありますか?」
→おお!良い質問!

「美味しかったですか?」
→美味しかったよ。。。で終わってしまう(笑)

質問一つとってもめちゃくちゃ学びが隠れていますよね。そう考えると、一つ一つの体験は全てが学びになりえます。大切なのは、いかに自分事に変えていけるかですね。

リーダーシップ論についての学び

さて、別の視点になりますが。

チームや集団になると、頑張ろうとする人とついていく人に分かれてしまいますよね。

これは集団心理上ある意味仕方のないことだと思います。大切なのは、そこでどうチームに対してアクションを起こすかです。

どうやってチームとして動いていけるかリーダーシップやコミュニケーションの在り方について考えることも大切な学びです。

ある時、チームのキャプテンと副キャプテンを集めてこんな話をしました。

少しだけご紹介します。

(そ:曽雌 , 子:子どもたち)

そ「今、チームはどんな感じ?」
子「頑張ろうとする人とふざける人が分かれちゃっている感じ、、、」

そ「そうなんだ。どこのチームもそんな感じなの?」
子「そうかも、、、」

そ「なるほどね。それに対してみんなはどうしているの?」
子「何をすれば良いか指示を出せればいいんだけど、上手く伝えられなくて」
子「もう!って怒っちゃうかも、でも、最後は諦めて自分でやればって思っちゃう」

そ「なるほどね。一個だけ、アドバイスをあげようか?」
子「え!!何!?ほしい!」

そ「実はどんなチームや集団でも、凄く頑張ろうとする人とついていこうとする人は2対8で分かれるって言われているんだ。これを、働きアリの法則って言うんだけどね」
子「え~、何それ!?」

そ「面白いでしょ?実際に働きアリも、凄く頑張るアリが2割と言われば頑張るアリ、ついさぼっちゃうアリの8割に分かれるんだって。そして、これって人間も同じらしいんだ。大人、子どもに関わらずね」
子「じゃあ、仕方ないってことなの?」

そ「それがね、面白いのが、ここからなんだ。もしも、その頑張っていた2割のアリがいなくなると、どうなると思う?」
子「え~、誰も動かなくなるとか?」

そ「実は違うんだ。その残ったアリの中で、凄い頑張るアリが2割出てくるんだって」
子「なにそれ!面白い!!」

そ「ここから学べることって何だと思う?」
子「え、いなくなった方がいいってこと?」

そ「う~ん、ある意味ではそうなんだ。でも、そうじゃなくて、実は大切なのは、一つ一つ指示を出し続けるんじゃなくて、任せるってことなんだ。例えば看板づくりにしても、看板のここを色塗ってだけだと、すぐに終わってしまうよね。でも、看板を作りを任せるってなると、自分で考えられるようになって、みんな頑張れるようになるってことなんだ」
子「なるほど~!」

そ「ただやり方が全く分からない人に無理矢理任せても、難しくて諦めちゃうからね。だから、どんなペアで任せるか、どんな任せ方が良いかは考えないといけない」
子「確かに、、、」

そ「どう?少しはイメージできたかな?ついつい怒っちゃう気持ちも分かるけど、怒っても変わらないから、工夫していかないとね。これって、ここだけじゃなくて、学校やいろんなチームでも使えると思わない?」
子「確かに!めちゃくちゃ使えそう!」

そ「実はこれ、りょうた先生が高校生に伝えにいっていることだからね~笑」

まさにリーダーシップ論です。でも、リアルな体験をしている中だからこそ、こんな話が入りやすくなっていきます。

ただ、勘違いしてほしくないのは、頑張れていない子が悪いというわけではないということです。まだイメージができていないことや、経験が足りていないだけで、頑張りたいという気持ちを発揮したくても発揮できない子どもたちもいます。

その子たちにとっては、発揮できるように一つ一つ体験を積み重ねている最中だと思えるかどうかだと考えています。。

だからこそ体験の積み重ねが大切なんですね。



屋台販売本番

屋台販売本番の様子をお届けします。

朝からソワソワした子どもたち。この緊張感がたまりませんね。

買い出しに行く子、準備をする子と役割分担をしながら進めていきます。

そして屋台販売開始です

本番には70名程度の方にお越しいただきました。
場所の都合上、1時間の短い販売時間となりましたが大盛況でしたね。

子どもたちも、呼び込みをしたり、追加で料理を作ったりと、かなり頑張っていましたね。まさに生の体験となりました。

開始直前にお釣りの準備をしていなく
「りょうた先生!!!両替して!!!!」と駆け込んでくるものご愛嬌でしょうか(笑)

終わった後は・・・


そして、結果は?

3チーム中、利益が出たチームは2チーム。1チームは赤字になってしまったそうです。

売上は高かったものの、経費を使いすぎてしまったようです。このあたりも非常にリアルな体験ですね。

来月、何が良くて、何が悪かったのか、決算書の作成と合わせてふり返っていきます。

さてさて。
非常に長くなりましたが、このあたりで。

体験に勝る学びはありませんね。

子どもたち、ナイスチャレンジでした!

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