こんにちは! NTT DXパートナー AI事業部の酒井です。
今回は、新卒でNTT東日本に入社し、初期配属でうちに出向してきた生成AIエンジニア・田原大地さんに話を聞きました。プロレス道場、ボディビルの大会、漫才の舞台、町おこし、公立中学校でのフィールドワーク——「興味のままに生きてきた」と笑う彼は、いま自治体のAIエージェント実証と保険会社のAI導入を、最初からメインのロールで動かしています。
一見バラバラな経歴が、どうして生成AIにつながったのか。本人に聞いてみると、返ってきたのは「きれいな一本の線」ではなく、もっと正直な答えでした。
「若手のうちは下積み」と思っている方にこそ読んでほしい一本です。
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プロフィール
- 名前:田原 大地(たはら だいち)
- 役職:NTT DXパートナー AI事業部 / 生成AI担当(NTT東日本より出向)
- 経歴:
- 千葉・東京・新潟で育つ。学生時代はプロレス道場、ボディビル、漫才、スモールビジネスの立ち上げ、町おこしボランティア、公立中学校でのフィールドワークなど、興味の赴くままに活動
- 新卒でNTT東日本に入社。初期配属でNTT DXパートナーへ出向
- 現在はAI事業部で、提案・PM・AIエンジニアを一気通貫で担当。自治体のAIエージェント活用実証実験、保険会社向けAIエージェント導入をリード
- 信条:「人を知り、人のために技術を磨く」
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プロレスから町おこしまで。「興味のまま」の学生時代
――田原さんの学生時代の話、社内でもたまに話題になりますよね(笑)。改めて、何をされていたんですか?
千葉・東京・新潟と移り住みながら育って、学生時代は本当に色々していました。プロレス道場に通ってみたり、ボディビルの大会に出てみたり、漫才の舞台に立ってみたり、スモールビジネスを立ち上げてみたり、町おこしボランティアに参加してみたり、公立中学校に入り込んで研究したり……。
どれも楽しくて、興味のままに生きていました。
――すごい振れ幅ですね(笑)。ただ、そこから生成AIエンジニアという今のキャリアへ、ご自身の中ではつながっている感覚はありますか?
正直、明確につながっているかはわかりません。
ただ、ある時、歯を食いしばって日々を生き抜いている人たちに出会ったんです。それで、自分がいかに無自覚に恵まれているかを思い知らされて、恥ずかしくなった。
同時に、自分が色々経験してきたからこそついてきた力も、少しは感じていて。だから、興味のままに色々やれない人を、一人でも減らせるといいなと思うようになりました。生成AIは、あくまでそのための強力な武器という位置づけです。
――なるほど。技術が先にあったわけじゃないんですね。就職のときは、学校の先生になる道も考えていたと聞きました。
そうなんです。教室でともに暮らして、リアルな想いや痛みと一緒に生きていきたかった。でも一方で、もっと広範囲に効くこともやりたい。そのジレンマの中にいました。
その中で、NTT東日本の「地域の人々を知り尽くした上で技術を社会実装していく」という姿勢に惹かれたんです。地域密着と規模感を両立している、数少ない企業なんじゃないかと思って。
――そこから、うちへの出向が決まったわけですよね。正直、聞いたときはどう思いました?
入社後に「裁量を持ってお客様の最前線に立てる位置にいたい」と希望を出していたら、初期配属でNTT DXパートナーに出向になりました。
晴天の霹靂でしたね(笑)。でも今は、ありがたい配属をしてもらったなと思っています。
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「田原はうちの業務をわかってる」——泥臭さの先にある伴走
――いま担当している仕事を、あらためて教えてください。
AI事業部で、生成AIを活用したお客様の課題解決に向けて、提案・PM・AIエンジニアを一気通貫で担っています。PoC(概念実証:本格導入の前に、実際に使えるかを小さく試すこと)から、AIエージェントの実装、BPR(お客様の業務そのものを理解して組み直すこと)、AI利活用研修まで、幅広く手を動かしています。
――かなり守備範囲が広いですよね。具体的なプロジェクトでいうと?
大きく2つです。
ひとつが、ある自治体との「AIエージェント活用実証実験」。行政運営の効率化と住民サービスの高度化に向けて、AIエージェントを行政の現場でどう活かせるかを実証していく取り組みです。
もうひとつが、保険会社向けにAIエージェントの導入を進めるプロジェクト。どちらも目的は「現場の人の負担を減らす」ことです。
ただ、AIエージェントを入れて終わりでは意味がなくて。入れた後の伴走をさせていただくために、プロダクト企画も並行して進めています。
――「入れて終わりにしない」は、うちが一番こだわっているところですもんね。実際に手を動かしていて、大変なのはどんなところですか?
難しいというより大変、なんですが……泥臭い仕事が、非常に多いです。
お客様の重厚長大な業務マニュアルを読み込んだり、生成AIの精度検証のために正解データを作り込んだり、出力値の微調整を延々と繰り返したり。
でも、この泥臭い時間があるからこそ、提供するAIエージェントのことも、お客様の業務のことも、深く理解できると思っています。
――そこ、田原さんらしいなと思います。逆に「これはうれしかった」という瞬間はありますか?
お客様から「田原はうちの業務をわかってる」と思っていただけているな、と感じるときですね。
パッと見て合理的じゃないと思う業務も、詳しく知っていくと、そこに至るまでにお客様の大変な苦労や調整があったことがわかるんです。それをわかっているからこそ、生成AIで置き換える業務工程の選定も、置き換え方の検討も、より現場にフィットしたものにできると実感しています。
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新卒でも、どんどん任せてもらえる
――入社前と後で、印象って変わりました?(笑)
変わりました。裁量がありすぎて、拍子抜けするくらいです(笑)。
自治体のAIエージェント実証も、保険会社向けのAIエージェント導入も、最初からメインのロールで関わらせてもらっています。僕は実感して成長していくタイプなので、すごく自分に合っている環境だなと思います。
あと、若手でも副業を自由にさせてもらえるので、社内ダブルワーク制度を使って、今年はNTT東日本の新卒採用業務にも関わらせてもらう予定です。
――ダブルワーク、うちだと当たり前になってきましたね。
AI事業部のチームの雰囲気はどうですか?
AI事業部は、社員とパートナー社員あわせて十数名の少人数です。AI・クラウド・コンサル・事業企画まで、色々な分野のプロフェッショナルが集まっていて、それぞれの知見にリスペクトを持ちながら、お互いの案件を協力し合って進めています。
とはいえ、プロフェッショナルじゃない分野にも果敢に攻めていく人が多い印象です(笑)。
――たしかに(笑)。やりたいと言ったことを誰も止めませんね。
ところで、生成AIやツール、田原さんはかなり使い込んでますよね。
Claude CodeやCodexがないと、もう働けないようになってしまいました(笑)。
何をするにも、まずClaude Codeを立ち上げます。打ち合わせ中も、その場でひらめいたアイデアをMermaid(テキストから図を自動生成するツール)で描かせて、メンバーに見せる。システムも提案書も事務処理も議事録も、まずは生成AIが作ります。
その分、お客様に出す際はかなり細かく確認していますが。
――田原さんは生成AIネイティブのあたらしいエンジニアですね。
エンジニアとして、ここで働く面白さはどこにありますか?
誰の何を解決するのかから、自分で考えられることです。
生成AIがある程度なんでもやってくれるからこそ、その実力を——できないことも含めて——エンジニアがしっかり把握しておく。そのうえで、どう活かすかをお客様と一緒に頭を悩ませていく。そこにエンジニアとしての価値提供があると思っています。
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効率化のその先に、何をするか
――これから挑戦したいことを聞かせてください。
自治体の市町村業務がひっ迫していて、都道府県もそのしわ寄せを受けている。それを現場で実感しているからこそ、まずはAIエージェントによる業務効率化の実証を、**確実に社会実装へつなげていきたいです。
――なるほど。実証で終わらせない、と。
はい。そして、その先が本題だと思っていて。効率化して生み出した力を、どう使うのかをお客様と一緒に考えていきたいんです。
たとえば自治体だと、今は庁内業務にフォーカスしていますが、その自治体を知り尽くした職員様だからこそできることが、もっとあるはずで。
――そこが、田原さんの言う「人のための技術」につながるんですね。
そうですね。人と人のつながりが世界のベースだと思っています。そのベースを、もっと活発で優しいものにできるような仕事ができればと。
学生の頃に感じた「興味のままに生きられない人を減らしたい」という気持ちと、たぶん同じところにあります。
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こんな人と働きたい
――最後に、どんな人と一緒に働きたいですか?
技術を使ってどんな世界を作りたいのか、思いのある方です。
時に共鳴し、時に議論しながら、技術を世界に届けていける方と一緒に働ければ、こんな幸せなことはないと思います。
――スキル面のハードルは、どう考えていますか?
プロフェッショナルな知見があればなおよいのでしょうが、ベースは思いで、知見は後からいくらでもついてくると考えています。
僕自身、入ってから覚えたことばかりです。生成AIの領域は変化が速いので、そもそも全員が学び続けている状態ですし。
――たしかに、うちは全員が毎週アップデートしてますもんね(笑)。
そうなんです(笑)。だから「今すべてできる人」より、「これから面白がって手を動かせる人」と一緒にやりたいです。
少しでも興味を持ってもらえたら、まずは気軽に話を聞きに来てください。「まだ何もわからない」という状態でも大歓迎です。僕でも、AI事業部の他のメンバーでも、カジュアルにお話ししましょう。
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編集後記
「泥臭い仕事が多い」と笑いながら話す田原さんですが、その泥臭さこそが「田原はうちの業務をわかってる」という一言を引き出しているのだと思います。
裁量が広いと言ってくれましたが、私はどのメンバーに対しても大きいボールから投げさせてもらっています。そのボールをどうやってゴールまで持っていくのか(刻んでもよし、煮てもよし)見ながら、大きすぎたかなと思ったらこちらから小さくして渡します。いろんなバックグラウンド、得意不得意を持つメンバーが、その人らしく輝ける渡し方は何かなーと、常にチャレンジさせてもらっています。(酒井)
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