1
/
5

創業メンバーが語る、創業秘話 〜今だから言える、スタートアップ初期に必要なこと〜 【vol.2】

こんにちは、人事の末廣です!

前回の【vol.1】に続き、ベター・プレイスの創業メンバーのHさんに、今回は初期当時の苦労、というテーマでお話しいただきました!

振り返るとたくさんありますが、今思えば、その苦労があったから今がある、と思える事ばかりです。

「若いうちの苦労は買ってでも、、、」と言われるように、私個人としても貴重な経験をさせてもらったし、会社としても、その後成長するために必要な試練だったように思います。


資金不足で恐怖の年末を迎える

ベター・プレイスの前身であった会社、フェアトラストが行き詰った要因の一つに、社外の出資者・共同経営者とのコミュニケーションの難しさ、がありました。その痛い失敗を教訓として、ベター・プレイスは、森本と私の二人のみで資本金を出し、設立しました。

森本はすでに3度目の起業で、私自身も全財産をベター・プレイスにつぎ込むわけにいかず、資本金200万で設立しました。

毎月の固定費は、現在に比べたら少ないとはいえ、家賃と電話代と顧問料・人件費で50万くらいは出ていきます。200万なんて、あっという間に底をつきますよね。

森本と私の給与は、引き出さずに会社にプールしていたので、徐々に私個人の生活費も厳しくなり、2011年の年末は、会社にも家にもお金がない恐怖を感じながらの年越しだったことを覚えています。

スタートアップ時、一番資金が必要な時期に、銀行はもちろん、どこも助けてくれない、という社会の矛盾。何のための金融だ!と思うけれど、それが現実です。


大手銀行は法人口座を作るのさえ、スムーズに行かず、数ヶ月かかってようやく開設できました。

創業支援融資(日本政策金融公庫)の審査が通り、次に信用金庫から300万円(現在、億単位で銀行から融資してもらえることが信じられません!)の融資が実行され、徐々に売上金も入ってくるようになり、少しずつ資金面が安定してきました。


パートナー選びには注意

おかげさまで、森本は人に恵まれています。社内外のあの方がいなかったら、この方がいなかったら、と考えると、本当に皆さまのおかげで今のベター・プレイスがあると思います。

ですが、最初のうちは、そうでもありませんでした・・・

顧客紹介パートナーとして、多くの会社・個人とお取引してきましたが、まあいろんな方がいらっしゃいました・・・。

隙あらば、ノウハウだけパクろうとしたり、ほとんど何もしていないのに、「間接的に」自分の紹介案件だと主張して、売上の半分を横取りしようとしたり、

そういう経緯があって、パートナーとの契約書は何度も見直し、そういうワナにはまらないように対策してきました。

あくまで、個人的な感想ですが、

実績のないうちから、契約書に定型の契約書にはない特別条件を付けたり、都合の悪い項目の削除を依頼してくる相手は、その後結局1件も成約しないか、あるいはトラブルになる可能性が高い、と経験を通して学びました。

不思議なことに、会社の成長とともに、良いご縁が増え、力強いご支援者に恵まれ、逆にそういうセコイ(?)パートナーが付け入るスキがなくなっていったように思います。

「はぐONE」の前身はエクセルシートから始まった!?

これは当然のことですが、何もない状態からのスタートでしたので、提案書・チラシ・契約書など、何でも作りました。特に、忘れられないのは、森本がどこかからもらってきた、何かのコピー(紙)を私に見せて、「こういうの作ってよ」と言ったことです。

それは、社会保険料を自動計算するエクセルシートのようでした。

その極めて断片的な情報をもとに、何種類かの計算シートを作りました。そのうちの一つは、DCの提案時に欠かせない「掛金算出シート」であり、後にクラウドシステム化して「適スパート(てきすぱーと)」というシステムになり、また現在の「はぐONE」につながった計算ソフトです。

他にも、役員報酬の最適化のための計算ソフトや、社内用に給与計算シートもExcelで作っていました。

森本も私も、完璧主義者ではないから良かったのかもしれません。最初から完璧なものを作ろうとせず、70点のものを作って、実際に使いながら、何度も改良を加えていくことで、より実務に適した、顧客のニーズに合うものに近づけることができたと思います。

さらに言えば、ベンチャーの強みはスピードです。完璧なものが出来上がるのを待っていたら、チャンスは逃げてしまう。従業員1000人の法人様に提案する機会が来たとき、1000人の従業員の社会保険料を一人ずつ正確に計算するのと、値を貼り付けたら誤差は生じるけど一度に自動算出してくれるソフトを使うのとでは、どちらが効率的か。言うまでもなく後者です。

そうやって、ゼロから必要なものを生み出し、走らせながら改良させていく、ということを続けてきました。

採用に苦労しながら、出産・子育てを経験した日々

いろんな苦労がありましたが、やはり一番は採用です。

2012年までは、求人を出しても、応募がほとんど来ませんでした。資金不足もあって、ハローワークや友人の紹介などに頼っていたのも要因の一つですが、そもそも、ベター・プレイスの会社としての魅力・社会的意義・将来性が求職者に伝わっていない状況でした。

ただ、それが伝わったとしても、まだ十分な実績もない、正社員がまだ一人もいない会社に、勇気をもって飛び込んでくる人は、なかなかいなかったと思います。

パート社員は、採用できるのですが、数ヶ月で辞める、というサイクルで、結局業務を任せるところまで至りません。

そんな中、私自身は2013年2月に出産を経験しています。もう少し休めると思っていたのですが、パートスタッフが二人同時に辞めるというハプニングで、5月のGW明けには職場復帰しました。

当時住んでいた区は待機児童が多く、保育園には落選し、会社に子どもを連れていくか、近所の方が自宅で預かってくれる「ファミリーサポート」という行政サービスを利用できる日は、そこに預けてから出社しました。この当時、リモートワークが出来ていたら、どんなに助かっただろうと思います。

このころ、オフィスは四ツ谷三丁目から神楽坂に移転していました。

神楽坂の地下鉄の出口には、エレベーターがなく、階段のみでした。ベビーカーと息子を抱えて階段を上がり、神楽坂の坂道を上がって出社するのが、体力的にも精神的にもかなり辛かったのを覚えています。

ただ、2013年後半から、ようやく正社員が一人、二人、と定着してくれるようになり、仕事を任せられるようになったことが、子育てで余裕のなかった私にとって、本当にありがたいことでした。

このころの自分の経験や、子育て中の社員との対話から、出産・子育ての時期も、会社を辞めなくてよいように、働きやすい環境を整備することに努めてきました。

リモートワークはもちろん、時短制度や夏休みなど子どもの長期休暇中の子連れ出勤OKなど、柔軟に運営してきたつもりです。

現在の会社と、数年前、5年前、10年前の会社は、全然違います。数年前、あるいはもっと以前の会社のどこかしらに共感し、将来性を信じて、勇気をもって飛び込んでくれた社員たちが、今もこれからも、活躍してくれること、会社とともに成長してくれることを、心から願っています。

【Vol.3】に続く...

創業メンバーが語る、創業秘話 〜事業の核となった「はぐくみ企業年金」はどのようにして生まれたのか〜 vol.3 | 新卒・内定者BLOG
こんにちは、人事の末廣です!【vol.1】【Vol.2】に続き、創業秘話の第三弾をお伝えします!今回は2018年4月に設立した、「福祉はぐくみ企業年金基金」設立の裏話と、その後の会社の変化につい...
https://www.wantedly.com/companies/company_9313020/post_articles/893276



Weekly ranking

Show other rankings
Like 末廣 智久's Story
Let 末廣 智久's company know you're interested in their content