部門間を超えた連携で期待される新しいナリコマのかたちとは?〈後編〉|営業・デジマ・インサイドセールス座談会
「"ALL for ONE SPOON" 食の可能性をデジタルで広げ、『一さじの喜び』を届け続ける」
食事を通して人々に生きる喜びを届けるべく、高齢者福祉施設や医療機関向けに食事サービスを提供する、株式会社ナリコマホールディングス(以下、ナリコマ)。大阪府大阪市に本社を構え、関西を中心に成長を続けてきた当社では、関東以北のエリアにもナリコマのサービスを浸透させるため、この春から東京拠点を増強しています。
今回は前回に引き続き、関東以北での認知度やサービス拡大をめざすべく、東京拠点で連携を深める営業・デジタルマーケティング・インサイドセールスのメンバー3人の対談の後編をお届け。これからのナリコマのブランディングやめざす世界観について語ってもらいました。
なお記事の執筆には、株式会社ストーリーテラーズさんにご協力いただきました。
※前編はこちら
参加者紹介
由利さん(関東営業支店長)
北窓さん(コーポレート本部 本部長、デジタルマーケティング室)
山岡さん(デジタルマーケティング室 インサイドセールス担当)
ブランディング戦略の重要性![]()
ーインサイドセールスでは最近、様々な外部イベントでナリコマをPRしているそうですね。その反響はいかがですか。
山岡さん:
万博の出展など外部イベントに出る機会が増えたんですが、名刺交換時に「ナリコマって何の会社なんですか?」と聞かれることがけっこうあります。そもそも、医療福祉施設向けの給食サービス自体、まだあまり知られていないんです。なので今は、どのような業界なのかを含め、一から説明しているという状態です。
北窓さん:
加えて、この業界はどうしても「大変そう」というイメージが先行して、良いイメージを持たれにくいという課題もあります。だから、新しい人材がなかなか入ってこないんです。
でも、「食」は人間にとって最も大事な社会インフラの1つです。人間は食事をとらなければ、生きていけませんからね。ですから、介護食のサービスが機能していないと皆困ってしまうのに、「働きたい」と思われにくいのが現状です。そんなイメージをなんとか変えていきたいと強く思っています。このままだと、社会インフラが崩壊しかねません。
由利さん:
僕ら自身、いつか老人ホームに入居するかもしれないですし、その際にナリコマの食事を食べるかもしれません。なのに、それほど世間に名が知られていないのは、やはりもったいないですよね。
現役世代の方たちが、将来高齢になったときに、「この施設の食事はナリコマだから入居したい」と言ってもらえる。そんな存在になりたいです。
北窓さん:
そうですね。そのためにはナリコマのブランディングが重要だと考えています。ブランディングには「プロダクトブランディング」と「コーポレートブランディング」の2つがあって。これまで私たちデジマが取り組んできたのは、プロダクトブランディングでした。
たとえば、当社の「クックチル」という商材について。「クックチルといえばナリコマ」と認知してもらえるよう、SEOなど様々な施策を行って、ユーザーがクックチルを検索したとき、ナリコマにたどり着けるような動線を作ってきたんです。
でも最近は、プロダクトだけでなく、「ナリコマはこんな会社」というコーポレートの色もしっかり出していく必要があると考えていて。山岡さんの話にもありましたが、万博など会社として表に出る機会が増えてきたので、「今こそ、コーポレートブランディングに本格的に力を入れなければならない」と思ったんです。
それだけでなく去年頃から、複数の大手企業が当社と類似のサービスを始めて、業界全体が一気に騒がしくなった。ネームバリューのある企業が参入してきたことにより、「ナリコマはどのように差別化するのか?」という課題が浮かび上がりました。この業界もついにレッドオーシャン化してきて、このままだと価格競争に巻き込まれてしまうという危機感を感じたんです。
だからこそ、しっかりとコーポレートブランディングに取り組み、お客様に「ナリコマって信頼できるよね」「ナリコマには愛着を感じるよね」と思っていただける企業にしていかなければならない。そうすれば、価格ではなくナリコマという企業の価値でお客様から選んでいただけるようになると思っています。
山岡さん:
インサイドセールスとしては、これからもっと様々なイベントに出て、「給食サービスが、医療福祉の現場を支えている」ということを広める必要がある。そうすればナリコマの企業価値が上がるだけでなく、業界全体の印象も上がっていくと思っています。
「売り込まずに売れる世界」の実現![]()
ーデジマは会社のブランディングに力を入れているというお話がありました。インサイドセールスはこれからどのような点に力を入れていきたいですか。
山岡さん:
インサイドセールスとしては、「自ら売り込まなくても売れる世界を作りたい」です。デジマのブランディングの話にも通じますが、僕が社外に向けて情報発信することで、「ナリコマはこういう会社なんだ」と伝わり、「ナリコマって面白そうだな」「話を聞いてみたいな」と興味関心を持っていただける。それが一番理想です。
僕は正直にいえば、最終的にお客様の課題が解決されるのであれば、ナリコマでなくても良いと思っていて。営業活動の際は「ナリコマを選んでいただけるのであれば一番嬉しいです」というスタンスなんです。お客さんのためになることを第一に考えて、その上で当社が選ばれるのが一番いい形だと思ってます。そういった意味で「売り込まずに売れる」というのは、自然な流れだと思っています。
由利さん:
山岡さんのスタンス、とても共感します。昨今、人手不足などの問題で、全て手作りで食事を提供できる福祉医療施設ばかりではありません。
でも、僕自身、本来は手作り料理が好き。ですから、施設の皆様には「僕も手作りの料理が好きです。でも、今のスタッフの人数で全て手作りするのは難しいですよね。そんな状況でクックチルを導入する必要が出てくるのであれば、ナリコマが一番いいと思いますよ」とあくまで押し売りではなく、最善の選択として伝えています。
山岡さん:
そうですね。そして当社とのサービス契約に直接繋がる情報だけでなく、「クックチル」の存在自体をもっと世の中に広める必要があると思っています。クックチルは栄養士の方には認知されていますが、医療福祉施設の経営層や事務長の方にはまだまだ認知度が高くありません。
クックチルの存在やナリコマという会社は知らないものの、潜在ニーズのあるお客様やこれまで接点がなかったお客様はたくさんいらっしゃる。だから、まずはPRを行って「存在を知っていただくこと」が重要なんです。
実際に今、様々な企業様と繋がって、何かしらのコラボレーションができないか模索しています。面白い情報を提供し続ければ、医療福祉業界全体のことをしっかりと考えてる会社だと認識してもらえると思うんです。
インサイドセールスは「情報を発信する立場」として、今後も社外に向けた発信活動に精力的に取り組んでいきます。
これから取り組みたいこと、目指す世界観![]()
ー最後に、これからナリコマが果たす役割やめざす世界観について教えてください。
山岡さん:
医療業界は「7割の病院が赤字」といわれる厳しい状況。これからは病院の統廃合が進んでいくでしょう。そんな状況下、経営を安定させることも大事ですが、同時に「食べる人の栄養」や「食べる楽しさ」を守ることもとても大事だと思っています。
適切な医療を受けることができ、しっかり栄養がとれてこそ、人は元気に働けるし、安心して暮らすことができる。全部つながっているんです。その食事を当社が提供するという社会的意義を、最近改めて強く感じています。
由利さん:
そうですね。新しく入社した社員やスタッフによく話すのですが、当社の事業は商品の良しあしだけでなく、事業がもたらす「社会的意義」に私も価値があると思っています。今の時代、3人に1人が医療福祉施設の食事を食べていると言われている。つまり、自分の家族や自分自身の未来に関係のある事業なんですよね。
そんな誰にとっても身近な事業だからこそ、たとえ社会状況や事業内容が変化したとしても、「社会的意義を担保できる存在」という軸は絶対にぶらさず、進化していきたいです。
そして、最近特に実感しているのが、社会の変化が医療法人や社会福祉法人に大きな影響を与えているということ。医療福祉現場からも少なからず不安の声を耳にします。
これから更に逼迫した状況にもなっていくことも考えられるので、そうなる前に先回りして解決策を案内していける存在でありたいです。そうしていけば、ナリコマのサービスはさらにニーズが上がり、「自ら売り込まなくても売れる世界」を作っていけるでしょう。
北窓さん:
私も、ナリコマは「社会課題の解決」に取り組んでいる会社だと思っています。
私たちが守っているのは、社会インフラそのものです。そのインフラが壊れないようにするためにどうすれば良いのかを考え続ける会社でありたい。その軸を決してぶらさず、関東市場の拡大をはじめ、全国の皆様にナリコマのサービスをお届けしていきたいです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[執筆・校正・取材]株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー