ナリコマ 営業座談会|営業が肌で感じるナリコマの社会的意義とは?
食事を通して人々に生きる喜びを届けるべく、高齢者福祉施設や医療機関向けに食事サービスを提供する、株式会社ナリコマホールディングス(以下、ナリコマ)。大阪府大阪市に本社を構え、関西を中心に成長を続けています。2025年からは東京拠点にも力を入れ、全国にサービスを拡大しています。
今回は、ナリコマのお食事をさらに多くの医療福祉施設にお届けすべく、営業の最前線で活躍する3名の社員に座談会形式でインタビュー。医療福祉現場が抱える課題、ナリコマの存在意義や提供する価値、そして今後の展望について語ってもらいました。
なお記事の執筆には、株式会社ストーリーテラーズさんにご協力いただきました。
参加者紹介 ※2026年3月24日時点
中野さん(九州支店営業一課・2014年入社) ナリコマに新卒入社。現在は、福岡県北部から大分県エリアを担当する九州支店営業一課を課長としてマネジメント。
鈴木さん(関東支店営業五課・2021年入社) 福祉系の大学を卒業後、福祉用具専門相談員として営業や在宅介護に従事。4年前にナリコマに入社し、現在は福島県の営業を担当。
今吉さん(関東支店営業一課・2021年入社) 管理栄養士の専門学校を卒業後、栄養士として療養型病院、急性期病院で勤務。その後、異業種・異職種のナリコマに入社。現在は神奈川県の横浜市・川崎市の営業を担当。
ナリコマの営業職とは![]()
ーーまず、ナリコマの営業の業務内容について教えてください。
中野さん: 当社の営業は、介護施設や病院などの医療福祉施設に、自社製造のお食事を販売するというのが主な仕事です。
当社は「クックチル」という、厨房で再加熱するだけで食べられる調理法で製造したお食事を販売しています。そして、単にクックチル食材を売るだけでなく、厨房での作業が円滑に進むよう、厨房のスタッフさんへの練習会を実施するなど、現場のサポートも行っています。
支援するのは、現場だけではありません。「ナリコマのお食事を導入することで、人員面やコスト面にもたらす変化」や「喫食者さまからのお食事の評価」など経営的な観点でも、定期的に確認していきます。
「お食事を導入して終わり」ではなく、その後も継続的に伴走しながらサポートしていく。現場と経営、両方の立場に寄り添いながらご支援していくのが、当社の営業の特徴ですね。
医療福祉の現場が抱える深刻な課題![]()
ーー営業活動を行う中で、最近、医療福祉の現場で深刻だと感じる課題にはどのようなものがありますか。
鈴木さん:一番大きな課題は「人手不足」だと思います。これは、どの医療福祉施設も、どの職種にも共通している課題です。特に病院では、医師や看護師、介護職員も含めて、慢性的に人手が足りていない状況があります。
それに加えて、「職員の定着率の低さ」という課題もあります。技術の必要な専門職を新たに採用するのは本当に大変ですし、せっかく採用できても長く続けてもらうのが難しい。病院でも福祉施設でも、共通の悩みだと思います。
今吉さん:感じている課題は基本的には鈴木さんと同じです。加えて、私の担当している横浜・川崎エリアの特性で言うと、都市部なので最低賃金が高めなんです。そうすると、各施設で職員さんの取り合いになり、賃金の高い病院に人材が流れる傾向にある。
結果的に、「人件費を含めたコスト全体が高くなりやすい」というのは、都市部ならではの課題かなと感じています。
中野さん:そうですね。そして都市部に限らず、経営面で悩まれている医療福祉施設が増えているのを強く感じます。
ただ、病院や特別養護老人ホームなどの福祉施設は、医療費や居住費を自由に設定できるわけではなく、決められた範囲内の価格設定で運営していかなければならない。でも、近年は物価や人件費が高騰している。こういった理由から、経営が大変になってきているんです。
コロナ禍がもたらした追い風![]()
ーー中野さんは約12年間、営業担当として、ナリコマと医療福祉現場の変遷を見てきました。この間、どのような変化がありましたか。
中野さん:僕が入社した12年前は、まだ当社がお食事の委託事業も行っていた時代でした。当時の医療福祉施設では、委託会社を利用するのが今よりも主流でしたね。
それが今では、「委託の崩壊」と言われる状況になってきています。理由は、先ほどもお話しした通り、医療福祉施設側の収入と支出のバランスが崩れてしまったこと。そして、委託会社側も、委託を受け負っても食事をつくる人手を確保できないこと。この2つのバランスが完全に崩れてしまったことが、12年前との大きな違いだと感じています。
ひとつの大きな節目になったのは、新型コロナです。コロナ禍では、人がほとんど他県に出なくなり、定着したエリアもあった一方で、飲食業や観光業が立ち行かなくなり、一気に人が地方へ流出したエリアもありました。地域によって、本当に極端な変化が起きた時期だったと思います。
そんな状況の中で、医療福祉施設では「これからは、自分たちの施設で提供する食事は、自分たちで何とか確保しなければならない」という問題意識が強まっていったように思います。
ーーそういった問題意識の強まりに伴い、クックチルに対する認識にも何か変化はありましたか。
中野さん:はい。私の入社当時は、正直なところ、「クックチル=おいしくない」というイメージがかなり強かったんです。「できあいのお惣菜をご高齢者に提供するなんて!」といった先入観が色濃く残っていたように思います。
加えて、私の担当する九州エリアは、地産地消の文化が強く、物価も比較的安い地域で、「自分たちの力で何とかする」という風土のあるエリアです。そのため当初は、「大阪本社の会社が製造するクックチル」の営業にはかなり苦戦しました。
それが大きく変わったきっかけが、先ほどお話した新型コロナです。
医療福祉施設が委託会社のお食事を提供する場合、コロナ禍において、委託会社でクラスターが発生すると、営業停止になり、食事提供そのものが止まってしまうリスクがあった。だからこそ、医療福祉施設の現場では、「一社の委託会社に依存するのはリスクがある」という問題意識が生まれました。
こうした社会的状況の変化から、以前よりもお話を聞いていただきやすくなり、クックチルへの先入観も徐々に払拭され、ナリコマの認知度も上がったと実感しています。
鈴木さん:でも、クックチルへのイメージには、いまだに地域差があると思います。私はコロナが落ち着いてきた時期に入社しましたが、担当する福島県では、クックチルの価値がしっかり理解されている地域がある一方、まだ良いイメージを抱いていない地域もありました。「昔食べたことがあるけど、おいしくなかった」という印象のまま止まっている施設もありましたね。
福祉施設と病院で異なる食事の意味![]()
ーーもとは福祉施設のみにお食事をご提供しており、病院へのご提供はまだまだ歴史が浅いナリコマ。その過渡期から営業として活躍している中野さんの感じた、福祉施設と病院での食事への考え方の違いはありますか。
中野さん:当社では、これまで福祉施設をメインのお客様とし、その入居者のご高齢者向けにお食事をご提供してきました。
福祉施設のご高齢者の方々は、病院とは違い、何年、場合によっては何十年もその施設で生活されます。だから、食事は生活の一部であり、毎日の楽しみでもある。そういう意味合いが強いです。
しかし、病院の患者さんは、食事の意味合いがそれとは異なります。
当社では、私が入社した3、4年後から、「これからは病院にも営業していこう」という動きが始まりました。そして、いざ病院を訪問して初めて気づいたのが、「入院患者にとって、食事は治療の一つである」という考え方です。食事は病気を治すために摂るもの。そこが、概念として福祉施設とは異なっていたんです。
だから、「食事は毎日の楽しみの一つですよね?」と福祉施設と同じ感覚で病院で話すと、栄養士さんと話がかみ合わない。これが、営業として最初にぶつかった壁でした。おそらく、「あれ、福祉施設とは勝手が違うぞ?」と全営業メンバーが感じたと思います。
そこで初めて、「治療食」というものの存在を知りました。しかも、その種類が非常に多いこと、クックチルでは対応が難しい食材もあること。栄養士の資格を持っていない営業メンバーが、現場で聞いては社内に話を持ち帰り、その差を思い知ったわけです。
さらに調べていくと、病院にもさまざまな種類があり、在院日数や食事基準、いわゆる食事箋といった仕組みがあることもわかってきました。福祉施設では、食事の基準はあるものの、全国どの福祉施設でもほぼ同様の基準が設けられている。しかし病院では、施設ごとに基準が異なるんです。
「病院への営業は、とてつもなくハードルが高いぞ…」と感じましたね。
栄養士から営業になったからこそ気づく、視点の差![]()
ーー今吉さんは、もともと病院の栄養部門で働いていた経験がありますよね。だからこそ感じる、お食事の商品を提案する難しさはありますか。
今吉さん:正直に言うと、私は病院に勤めていた時、ナリコマの存在を知りませんでした。そして、立場が変わり、ナリコマの営業として活動している今も、「まだまだ認知度は低いな」と感じることがあります。競合他社の数も多いので、なかなか十分に周知しきれていないのかなと思いますね。
ユーザー側から販売する側に立場が変わって、一番大きく感じたのは「視点の違い」です。
病院の栄養部門というのは、病院全体から見ると非常に小さな部署です。なので、病院全体を俯瞰して見る機会は少ないんです。
一方で、当社がお食事をご提案する際は、「病院全体の食事をどうしていくか」という視点になります。なので、栄養士さんに一から丁寧に説明すると、導入に時間がかかることもあります。でも、事務長や理事長といった経営層に直接お話しすることで、話が一気に前に進むこともあります。
ただ、医療従事者が優先順位を高く置いて考えているのは、やはり目の前の患者さんの治療やケアについてです。「クックチルを導入して、経営改善を図ろう」という考えをいきなり持つのは、なかなか難しいかもしれません。
もちろん、経営について考えていないわけではないと思いますが、日々の業務の中では、ほとんどの時間を患者さんの治療やケアに向き合うことに費やしている。実際の医療現場とナリコマの営業担当者の感覚には、そういった大きな差があると感じます。これからはその差を埋めていき、ナリコマのお食事を導入する魅力を伝えていきたいですね。
ナリコマが提供する価値とは![]()
ーー「クックチル」へのイメージ、福祉施設と病院での食事への意識の差など、ナリコマのお食事を導入していただくにあたって、さまざまな障壁があることがわかりました。そんな中でも、ナリコマが提供できる価値をどのように伝えていますか。
中野さん:当社は創業当初から、「ご高齢者の方々に、おいしいご飯を食べてもらいたい」という想いを根幹にしている会社です。
現在、物価高や人手不足がどの業界でも課題になっていますが、それらの課題を解決するだけであれば、正直当社でなく、競合他社さんでも解決できる部分はあると思います。
では、当社は他社と何が決定的に違うのか。それは「ナリコマは『おいしい』を届けるために始まった会社」だということです。クックチル商品を提供している会社の中でも、ここまで本気でおいしさに向き合っている会社は、そう多くないのではないかと自負しています。
その自信があるので、お客様には「ぜひ、うちのセントラルキッチンを見に来てください」ともお伝えします。セントラルキッチンでは、もちろん一部機械も使っていますが、実際に職人が手作りしているんです。「しっかり心を込めてお食事を作っているんですよ」と、当社のお食事のあり方について、しっかりお伝えするようにしています。
あとは、クックチルを導入して業務の負担を減らし、「栄養士さんが本来の業務に集中できるよう、当社は『縁の下の力持ち』として支えます」ともお伝えしていますね。
鈴木さん:私がお客様に強調してお伝えしているのは、中野さんと同じく「おいしさ」、そして、「ナリコマにはアドバイザーがいる」という点です。
福島県では今、委託会社から給食会社への切り替えが非常に多くなっていて、「ここの会社は全然サポートしてくれない」と思われてしまった会社は、どんどん切り替えられています。
ですから、お食事の導入前後のサポート体制についてはしっかりご説明しています。今は東北エリアでもアドバイザーが増えてきていて、イベントのご支援などもできるようになってきたんですよ。
「クックチルに切り替える」というと、どうしても「やむをえない選択」というネガティブな印象を持たれがちです。でも、そうではなく、厨房作業の省力化によって余力が生まれるので、別の仕事に時間を使うことができるんです。
このように、クックチルに変えることは「仕方なく」ではなく、「施設にとってプラスなんだ」ということを理解していただけるよう、お伝えしています。
今吉さん:元病院勤務という立場から感じるのが、病院は意思決定や仕事のスピードがゆっくりだということです。そこで私は、「伴走する」ことを意識しています。ただの売り手ではなく、サポート役なんですよ、と。
例えば、病院だけでは難しい外部との関わりをサポートしたり、少しスピードを上げられるように調整したりといった形で、当社はサポートできます。当社にはさまざまな業者さんとのつながりもありますし、事務長さん同士のネットワークもあるからです。
単に当社の商品を提供するだけでなく、関係性を広げていける存在であること。そこが、当社の強みだと思っています。
ナリコマの存在意義とは![]()
ーー日々、医療福祉施設と向き合う営業の皆さんが考える、「ナリコマの存在意義」とは何でしょうか。
中野さん:ここまでに何度か話に出ていますが、物価高や人手不足などの社会問題を、当社は本気で救える会社だと思っています。
当社は、単に食事を売っているだけではありません。厨房の運営や施設・病院の経営を支える仕組みの一部を担っています。当社はそんな仕組みをご提供する会社であり、私は社会全体の問題を解決するための1パーツという意識で動いていますね。
鈴木さん:営業担当として、実務では経営層の方々とお話しする機会が多いですが、その先にいるのは施設の患者さんや利用者さんです。その方々の食事を守ること、そしておいしい食事をお召し上がりいただくこと。それが、私たちの存在意義だと思っています。
今吉さん:医療現場ではよく、「患者さんを守るためには、まず職員を守らなければならない」という考え方があります。というのも、職員が安心して働けなくなったり、病院そのものが立ち行かなくなってしまったら、患者さんを守ることができないからです。
だからこそ、病院や福祉施設自体を守ることが大切。当社はその一端を担える存在なのではないかと感じています。
これからの高齢化社会に向けて
ーー最後に、ナリコマの営業としての今後の展望を教えてください。
中野さん:これから高齢化率はもう少し増えて、さらに全年齢層の人口が減っていくフェーズに入っていきます。それでも、当社のお食事の需要はまだまだあると思っています。
一方で、厨房で働く人の数は確実に減っていきます。その少ない人員でも、よりおいしいお食事を食べ続けていただく。そのために、ナリコマは存在し続けなければならないと考えています。
だからこそ、営業担当として、ナリコマの価値をもっと広く伝え、そして認知を拡大していきたい。将来に向けて、日々その積み重ねを大切にしたいですね。
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[執筆・校正・取材]株式会社ストーリーテラーズ 平澤 歩
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