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工場の生産性向上について目指すべき未来像とは

生産性向上というものは、それをスローガンとして掲げる事で向上するものではありません。

まぁ当たり前の話ですよね。生産性向上というと、設備投資を進めたりロボットによって自動化したりというものを想像する方が多いと思います。ロボット化の推進や自動化というのは、これから日本の労働人口が減少していく中で避けられない活動になってくるのは間違いありません。

当社でも、生産工程の自動化にむけて、実際にロボット化を進めたりはしていますが、設備投資による生産性向上だけでなくムダな事を減らしていく「引き算」の生産性向上が大切だなと思った話をしていきたいと思います。

目次

  • 「引き算」の生産性向上とは

  • 「引き算」の生産性向上のメリットとは

  • 「引き算」の生産性向上の実現のためには

  • 生産性向上をどんな形にして発展させていくか


「引き算」の生産性向上とは

「足し算」による生産性向上には目が向くのですが、「引き算」による生産性向上というのはまだまだ改善の余地があるよなぁという想いがあります。

「引き算」による生産性向上というのは、つまるところ「この工程をなくせられないか」という活動イメージですね。今まではマンパワーによってこの検査を実施していたけども、そもそもこの不良がでなければこの検査工程は不要だよねといった目線です。もう少し詳細に記載すると「この工程を他の方法で解決して、工程自体を不要にしよう」といったイメージでしょうか。どうしても「足し算」の生産性向上ばかりを進めると設備的な予算もかかりますし、作業スペースや人の負荷もドンドン圧迫してきますからね。


「この検査工程って凄く人の負荷が高いけど、なんでやっているんだっけ?」

       ↓

「この不良ってそもそもどの工程で発生しているの?」

       ↓

「工程が特定できているのなら、この不良現象はどういう原因で起きるの?」


なぜなぜ分析みたいな感じになっていますが、こういった思考を人に問い詰めていくというよりは工程増加になっている原因を特定し「どうやって楽できるか」といった未来を皆と共有しながら考えていくと、そこまで反発されることは少ないです。多くの人にとっても、自分たちの工程がシンプルになっていくこと自体は歓迎する事ですからね。

当社ではそもそも小物製品を扱う会社ですので工場スペースがムダに広い訳ではないんです。どちらかというと工場は手狭なくらい。そうした「引き算」の生産性向上を意識しなければならない環境があったのも、そういう活動をするきっかけにはなりました。人は制約がある事で、その制約の中でどうやって実現していくのかを考える事が出来るのだと思います。

「引き算」の生産性向上のメリットとは

これからロボットなどを使用していく事で人手不足を解消しようと考える製造現場において、自動化を進めていくことで圧迫されがちなのは「スペース」だったりします。

自動設備を追加すればするほど設備の置場によって工場内のスペースが圧迫されてくるわけです。設備自体の設置によって、どれだけスペースを圧迫しているのかというのは気づきやすいのですが、設備の自動化を進めていく中で増えていってしまっているスペースというのは意外と見落とされがちです。これが結構潜在的なスペースを圧迫していたりするんですよね。

シンプルイズベスト なんて言ったりしますが、私もその意見に強く賛成するところです。

ロボットがしゃかりき活動している自動化というのは「最新技術の集合体」のような見え方で華やかに見えるのですが、どうやって必要な工程をシンプル化していくかの視点が大切です。シンプルにできる力というのは、これから企業の強みに直結すると考えています。

「あれだけの要求があるのに、こんなにシンプルな工程で完結できるようにしたの?」という方が製造業としてカッコいい。もちろん色々な設備を用意したりしなくてもよい訳ですから、設備購入に対する予算への負担も抑えられる。最低限の設備のみで完結できれば、おのずと省スペースにもつながってくるわけです。だからこそ引き算による生産性向上ってのは十分なメリットになるんです。

「引き算」の生産性向上の実現のためには


「なぜその工程を実施する必要があったのか」


「どういう背景で始まって、今は何が当時と違うのか」


「その製品の仕様としては何が求められるのか」


こういった製品仕様に対する本質的な部分への理解がとても大切です。また現状に満足せずにより良い方法を追求しつづけるだけの根気が必要になるのも間違いありません。周りを巻き込みながら現場主義に根付いたマネジャーがいれば、こうした改革は進んでいくことが多いです。

栄光化学では、設備導入時には機械の横に色々な設備が立ち並んで圧迫してしまっていても、生産を進めていきながら設備をコンパクト化したり、他の工程で代替したりして工場内をシンプルにしていく事に関しては改善をしていく姿勢を続けています。そういった活動を続けていくことで見えにくいムダな作業を減らしたり、スペースを拡張したりすることができ、社員さんの空いた時間をさらなる生産性向上に向けて投資していくという循環ができるように努めています。

生産性向上をどんな形にして発展させていくか

これから日本の労働人口は減少していくのは間違いなく、生産性向上というのは非常に重要な課題になっていきます。様々な企業が生産性向上に向けて積極的に取り組んでいくことでしょう。

そんな中で、どういうやり方での生産性向上が良い方向性なのか。スペース面、コスト面、生産効率。そのアプローチの違いが企業間の競争になっていくのかもしれません。生産設備を専用機としていき、産業ロボットが大量に並んでいるような工場が正解となっていくのか。人と一緒に働くことができる協働ロボットを使いながら、さまざまな仕事を柔軟にできるような汎用性の高い対応ができる工場が正解となっていくのか。ロボットを最小限にできるように知恵を絞り、シンプルで省スペースな工場が正解となっていくのか。

何にせよ人が一生懸命頑張るという時代は過ぎ、どうやって効率よく生産するかを考えていかないといけません。栄光化学ではただ設備投資をガンガンすすめてロボットに代替させるだけではない「引き算の生産効率」というものを意識しながら、これからも生産性向上に向けて少しづつ進化していこうと思います。

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