自社事業であるCX(customer experience)事業を持つことの価値を語った前回。その価値は、人の育成面でも発揮されるという。今回は、人材の育成面におけるCX事業の価値、さらには今後のU.S Incの展望を語ってもらった。
自分たちのフィールドだからこそ、試行回数を最大化できる。
前回、CX事業があることで、人を育てる環境を作りやすい、ということを少しお伝えしたので、その辺の話からはじめたいと思います。U.Sは、会社にとって何よりも貴重な資産は、失敗の数だと考えています。ただ、クライアントの立場からすると、うちの案件で失敗しないでほしいなぁ、と思って当然ですよね。もちろん、クライアントワークでは失敗がまったく許されない、という意味ではありません。でも、何かに挑戦するならクライアントに筋を通した上でということになります。
そうなってくると、やはり自社案件の方が思い切った実験をしやすいです。トライアンドエラーの回数も増やせます。たくさん挑戦してみて、たくさん失敗して、ちゃんと傷つきまくる。そのサイクルをスピーディーに繰り返すことで、仕事から得られる経験値が最大化するはずです。
あってもなくてもいい会社、にならないために。
もし2018年の創業当時のU.Sが、2024年の自分に提案を持ってきても、もう価値を感じないと思うんですよ。6年前の状態で立ち止まったままの会社だったら、すでに世の中から必要とされなくなっていたと思います。そこで働く人にとっても、あってもなくてもいい会社だとモチベーションが上がらない。少なくとも僕はそうです。今後もU.Sが社会に価値を提供できる会社であり続けるために、今どう変わるべきかと考えると、社会への影響範囲を拡大する必要がある。そのために今期は組織化を図っています。
進めていることが二つあって、一つは、マーケティングチームの立ち上げです。これまではクライアント事業の年間売上の95パーセントは紹介案件だったのですが、新規案件を増やしていく予定です。
もう一つは、育成のためのユースチームを作ること。今のU.Sは、個人技を磨いた少数精鋭のベテランチームなので、組織の若返りを測るためにもポテンシャルのある若手を投入したい。しかし、今のU.Sの案件は、経験のない人にポンと渡せるような難易度ではありません。クライアントの窓口も売上が100億とか1000億ある企業の社長さんだったりする。そこで議事録係ばかりやってもらっていても若手は育ちません。
新規案件を増やすためにも、若手の育成の場を作るためにも、これまで積み上げてきたものを活かしたパッケージ商品の開発を行っています。ある程度型化された商品を担当してもらうことでU.Sの考え方の基礎を掴んでもらえるはずです。
自走できる人でないとU.Sのスピード感に振り落とされてしまう面はあるかもしれません。それでも、全力疾走で自分を研磨したい人にとっては、同世代の倍速以上で成長している実感を持てる場所だと思います。