地元の公共工事で代理人を一定期間務めていた経験から、とにかく情報量と人脈が幅広い。
施工、営業など工事全般を把握し、会社の土台となる存在。
1976年生まれで浦河出身です。現社長は中学時代の1年後輩でした。苫小牧工業から道都大学(現在の星槎道都大学)の建築学科に通い、卒業後は苫小牧にあるゼネコンに就職しました。当時はRC(鉄筋コンクリート造)に興味があって、その施工管理をしていました。結婚を機に浦河に戻りたいと思い、地元に戻ってきたんです。
父親が建具店を経営していて、そこに籍を置きながらも、建築工事などを地元の建設会社が受注した際には、その会社の代理人としてお呼びがかかる、という働き方を何年もやっていました。その当時に、浦河の建設会社ばかりでなく、左官、仮設、設備、大工などいろいろな専門工事会社や技能者さんたちと一緒に仕事をする機会が多く、人脈が広がりました。
そんな中で、ある公共工事の現場で、神馬建設の2代目社長から「うちへ来ないか」と言われたんです。神馬建設が専門とする木造住宅については知識も興味もありませんでしたが、先代社長の住宅に対する熱い想いや自信に触れ、次第に興味がわいてきました。やがて、「息子が帰ってくるから手伝ってほしい、引き合わせる」と現社長と会うことになり、そんな経緯から入社を決めました。住宅建設の経験はなくても、公共工事の受注も取りたいという先代社長の考えもあったので、それなら力になれるとも考えました。
木造住宅について知るために、しばらくは先代社長について勉強しました。お客さんのもとへ一緒に行き、段取りや見積もりなどすべてに関わり、仕事を覚えていきました。時間があれば現場に溶け込もうと大工たちと一緒に足場を組んだり、材料を運んだり、掃除したりもしましたね。それまで携わっていたハコモノと違って、お客様によっていろいろな生活の仕方がある住宅づくりはすごく面白いと感じました。一方で公共工事の受注も取れるようになり、2足のわらじで忙しさは増しました。
先代社長の家づくりは、「自分が住みたくなる家」がコンセプトでした。間取りもゆとりのある設計で、全館空調や耐震性への配慮、金物工法などもさまざまに勉強して取り入れていました。そして現在は3代目社長のもとで、耐震性能や設計・デザイン面の提案力などはさらに進化しています。2代目も3代目も、家づくりに関してとにかく勉強熱心で、そこは親子で似ているなと感じます。
今は現社長とともに、社員の働き方改革に取り組んでいます。皆が仕事しやすい環境を作り上げながらも、お客様を第一に考え、お客様も一緒に家づくりを学べる雰囲気が醸成できたらと思います。
神馬建設の未来のためには新しい人材が欠かせません。現社長が雇用やお客様への提案など、先を見る仕事に注力できるように、私はバックアップを整えているところです。セミオーダーの規格型住宅の構築も進めています。
神馬建設の丁寧な家づくりなど、これまでの良いやり方を引き継ぎながらも、変えるべきところは変えて、お客様に喜ばれる家づくりを地元に根ざして行っていきたいと思っています。