テストの自動化、CI/CDパイプラインの高度化、AIによるバグ検出──
近年、開発現場における品質保証の仕組みは飛躍的に進化しています。
再現性のある検証を、正確かつ高速に回し続ける。
これらは、機械の得意分野。
ですが、品質を「担保する」ことと「保証する」ことは、似て非なるものと思っています
どんなにテストが通っていても、
「この仕様、本当にこれでいいの?」
「ユーザーがこの操作で迷わない?」
「エラー文言が冷たくない?」
といった、人の感覚による確認は、どうしても最後に必要になります
なぜ人間による品質保証が欠かせないのか?
1. ユーザー体験はスペックでは測れない
たとえば、業務支援系の管理システム。
機能要件を満たしていても「操作フローが分かりにくい」「名称が業務用語とズレている」など、実際の現場では違和感として認識されることがよくあります
この違和感を見つけるのは、現場の業務や業界に一定の理解がある人間です。
ユーザーの視点に立ち「これは気づきにくいだろう」「ここでフリーズしそう」と直感的に判断する力は、現時点のAIでは不十分です
2. 想定外の使い方に気づけるのは人間
AIによるテストは「想定されたパターン」に基づいて行われます。
ですが、実際のユーザーは想定どおりに使わないもの。
例)
・入力途中でブラウザを閉じたらどうなる?
・通信が不安定な環境で操作したら?
・複数のユーザーが同時にアクセスしたら?
こうしたリアルな利用シーンのなかで起きる“グレーな動き”に目を向けられるのは、実は人間の想像力や過去の経験です
3. 不具合かどうかの“判断”は、文脈を含む
テストで見つかった挙動が、「本当にバグなのか」「仕様通りなのか」「設計上のミスなのか」は、単純にコードやテスト結果だけでは判断できないことがあります。
そのときに必要なのは、関係者との対話と全体の意図の理解。
「この仕様はなぜこうなっているのか?」を設計者・PM・ユーザーの視点から総合的に見て判断する。
ここにも人間の介在が不可欠です
AIも自動化も大歓迎。でも、最終責任は人が持つ
テストの自動化も、コードチェックのAIも、開発現場にとっては非常に心強い存在です。
むしろ、人間にしかできない確認に集中するために、機械に任せられる部分はどんどん任せるべきです。
ただし、最後の「これでリリースして問題ないか?」の判断は、誰がするのか?
最終的な品質保証の責任は、やはり人間が持つものです。
品質とは、バグがないことではなく、
「安心して使えること」
「誰かの業務や生活に役立つこと」
この価値を提供するために、人間の知見とまなざしは、今後も必要とされ続けるはず😊