「代表と開発がやらない仕事は、ほぼ自分がやる」CS担当・石山が語る、スタートアップのリアル
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人材紹介のギガベンチャーで見つけた「やりがい」と「壁」
石山がRAKUVISAに入る前、カスタマーサポートの仕事をしてきた。コールセンター、問い合わせ対応、クレーム処理—「困っている人の問題を解決する」という軸は一貫していたが、どこか物足りなさも感じていた。
転機は2023年。某人材紹介系のギガベンチャーに有期雇用で入ったときだった。そこで初めて求職者支援の仕事に触れ、これまでにないやりがいを感じた。困っている人の問題を解決するだけでなく、その人の人生の転機に関われる。自分の仕事の先に、誰かのキャリアがある。
一方で、壁にもぶつかった。外国人の求職者を支援するとき、何度も「在留資格」に阻まれた。スキルも意欲もある人なのに、ビザの問題で就職できない。制度の壁の前で、自分にできることが何もない歯がゆさ。
契約期間が終わり転職を考えたとき、頭にあったのは「転職支援」と「外国人支援」という2つのキーワードだった。
「伸びる余地しかない」—直感が確信に変わった面接
その2つのキーワードで求人を探す中で、RAKUVISAの募集に出会った。
入管庁のAPIに直接つないで、ビザ申請をオンラインで完結するSaaS。在留外国人400万人。特定技能の受入れ枠は5年で82万人。ニュースで外国人労働者の話題を見るたびに感じていた「これは今後ますます大きくなる」という肌感覚と、RAKUVISAがやっていることがぴたりと重なった。
「今後の日本で伸びる余地しかないサービスだ」
直感で応募し、代表の木本と面接した。木本自身が行政書士でもあり毎日ビザと向き合いながら、一方ではSaaSの事業を経営している。制度の現場を知っている人が作るプロダクトだからこそ、本当に使えるものになる。直感が確信に変わった瞬間だった。
誰にも頼まれていないのに、動画マニュアルを作った話
入社して最初に気づいたのは、顧客向けのサポートコンテンツがまだほとんどないということだった。
RakuVisaは入管庁のAPIに直接つながる高機能なシステムだが、初めて使う顧客にとっては操作方法がわからない。問い合わせが来るたびに口頭やチャットで説明する—それはそれで対応できるが、スケールしない。
「動画マニュアルがあったほうがいい」
誰に言われたわけでもなく、自分で撮影・編集を始めた。操作画面を録画し、手順を解説し、つまずきやすいポイントを先回りして説明する。
完成したタイミングで、ちょうど大口顧客の契約が決まった。ダメ元で動画マニュアルを共有したら、ものすごい頻度で再生された。何度も、繰り返し見られている。「活用されている」—あの瞬間は純粋に嬉しかった。
今ではこの動画マニュアルが、新規顧客のオンボーディングの標準ツールになっている。自分が「あったほうがいい」と思って始めたことが、事業の仕組みの一部に変わっていく。この体験は、大企業ではなかなか味わえない。
専門知識の壁—法律家でない自分の苦悩と成長
楽しいことばかりではない。むしろ、入社当初は相当しんどかった。
RakuVisaは外国人を雇用する企業の人事部や、外国人を支援する企業が顧客であり、顧客はある意味でビザのセミプロ。自分はセミプロ以下のまったくの素人。顧客からの問い合わせには、ビザに関連する内容が非常に多い。在留資格、参考様式、入管庁の審査フロー。RakuVisaはプラットフォーマーなので法的な解釈には一切関与しない。だから個別具体的な法的助言を求められるわけではないが、そもそも顧客の業務が理解できない。だからシステムを操作する顧客に使い方の説明すらできない。法律の専門家ではない自分にはあまりにも荷が重すぎる内容だった。
代表の木本は行政書士だから、顧客からの質問は最終的には確認できる。でも、すべての質問を木本に回していたら、木本がパンクする。自分である程度の一次回答ができなければ、CSとして機能しない。
AIの力も借りながら、制度の勉強を重ねた。今ではかなり理解が進んだと思う。法律家ではないけれど、顧客の質問の8割には自分で対応できるようになった。
この経験で実感したのは、RAKUVISAの仕事は「SaaSのCS」という枠に収まらないということ。制度を理解し、顧客の業務を理解し、プロダクトを理解する。この3つが重なるところに、このポジションの面白さと難しさがある。
「代表と開発がやらない仕事は、ほぼ自分」
RAKUVISAはまだ少数の会社だ。代表の木本が経営とプロダクト戦略を見て、CTOのルオンが開発を回している。それ以外の仕事は、良くも悪くも「ほぼ自分がやる」。
顧客からの問い合わせ対応。大口顧客のオンボーディング。動画マニュアルの作成。顧客フィードバックの取りまとめ。使い方の説明。トラブル対応。たまに営業同行も。
「自分にしかできない仕事はない」と石山は言う。裏を返せば、渡せる仕事は山ほどある。
自分よりも優秀な人、自分以上に熱心に取り組んでくれる人がいたら、今すぐにでも仕事を渡したい。渡した分だけ、自分はもっと深いCS——ヘルススコアの設計や、顧客のLTV最大化、解約予防の仕組みづくりに時間を使える。
だから、次に入ってくる人に期待している。
一緒に働くなら、こういう人がいい
「何事も自分ごととして捉えて仕事を巻き取り、他人を巻き込みながら遂行していける人」
石山はそう即答した。
少数の組織では、「これは自分の担当じゃない」が一番の停滞要因になる。逆に、目の前の課題を自分ごとにできる人は、入った瞬間から戦力になる。動画マニュアルの話がまさにそうで、誰かに指示されたわけでもなく、「あったほうがいい」と思ったから作った。この感覚が合う人と働きたい。
スキルや業界知識は後からついてくる。石山自身、入社時にビザの知識はゼロだった。それでも1年で顧客の質問の8割に自分で対応できるようになった。必要なのは経験ではなく、目の前の課題を放置できない性格だ。
毎日、自分の仕事が事業を動かしている実感
最後に、RAKUVISAで働いていて一番面白いことを聞いた。
「自分の意見がプロダクトやサービスに反映されていく面白さや、事業成長を後押ししている実感を、毎日のように感じられること」
大企業では、自分の意見がプロダクトに反映されるまでに何ヶ月もかかる。RAKUVISAでは、朝のSlackで「こうしたほうがいい」と言えば、その日のうちに検討が始まることもある。
自分が作った動画マニュアルが、大口顧客の導入の標準ツールになる。自分が拾った顧客の声が、次のプロダクトアップデートの起点になる。スタートアップだからこそ、一人ひとりの仕事が事業に直結している。
今、RAKUVISAは事業開発の1人目を探しています。石山の隣で、CS体制の設計から新規開拓まで、事業の中核を一緒に作る人。
「渡せる仕事は山ほどある」—そう言い切れる現場が、ここにあります。