【社員インタビュー】「社会を動かす開発がしたい」大企業から転職したEMの決断 | ハコベル株式会社
2024年にハコベルへ入社し、着任早々から複数プロダクトのエンジニアリングマネージャーを務める赤川。これまでのキャリアをどう築いてきたのか、そしてハコベルの開発組織で今、何に挑んでいるのか。プロ...
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本記事はハコベル エンジニアリングマネージャー 赤川のインタビュー記事後編となっております。前編は以下のリンクからどうぞ!
システム開発部 軽貨物運送手配システムG マネージャー / トラック簿システムG マネージャー
赤川 龍之介 Ryunosuke Akagawa
大学を卒業後、大手ゲーム会社にてソーシャルゲームの企画・開発・運⽤に携わる。その後複数社を経て、株式会社BuySell Technologiesに入社し、エンジニアリングマネージャーを歴任。ハコベルには2024年9月に参画し、マッチング事業・物流DX事業の2プロダクトのエンジニアリングマネージャーを務める。
ー現在の業務内容について、チーム内での役割も含めて教えてください。
現在は、2つの部署にまたがって業務を担っています。
1つ目は「軽貨物運送手配システムグループ」というチームで、小型車両で荷物を届ける、軽貨物運送のマッチングを行うプロダクトを扱っています。ここではEMとして、主にプロジェクトマネジメントとピープルマネジメントの両面を担っています。プロジェクトマネジメントの観点では、社内外から寄せられる多様な要望を整理し、優先順位をつけたり、進捗が鈍っている箇所の後押しをしたりしながら、締め切りを守れるようにプロジェクト全体をマネジメントしています。ピープルマネジメントでは、1on1やメンバーの評価、キャリアサポートを行うほか、事業の成長に応じたエンジニアリソースの採用活動も行っており、チームの生産性とメンバーの成長を両立させることを大切にしています。
2つ目の所属は「トラック簿システムグループ」というチームです。こちらは私が入社したタイミングとほぼ同じ時期の2024年11月にハコベルに事業継承されたプロダクトで、現在は開発を外部ベンダーに委託しつつ、私は品質管理を中心に携わっています。具体的には、納品物のレビューを通じて品質を担保しながら、開発プロセス全体の改善も進めています。技術的負債や運用面での課題が残っているプロダクトなので、中長期で安定したプロダクト運営ができるよう、改善施策を企画・実行しているフェーズです。
ー社内でも、2つのポジションでチームを引っ張る役割として活躍されているイメージを持っている方も多いと思います。例えば軽貨物のチームでは、どのようなプロジェクトが動いているのでしょうか?
直近では、「料金計算の仕組み(プライシングアーキテクチャ)」の再設計を中心に開発を進めていました。従来の仕組みでは、「この期間はこのロジック」といったように料金設定が大まかで、細かいコスト調整や柔軟なオプション対応が難しい構造になっていました。その根本的な原因が、料金計算を担うソフトウェアの設計にあったため、そこを抜本的に見直すプロジェクトが、私が入社する前から立ち上がっていました。私が入社してからは、そのプロジェクトを主軸に、より柔軟かつ効率的なプライシング設計を実現するための開発を進めています。
また、料金計算の再設計と並行して、古くなったアプリケーションの技術基盤のアップデートも行っています。使用している開発言語やフレームワークのバージョンアップなど、将来的な保守性や開発効率を高めるための改善にも、チームのメンバーが主体となって取り組んでくれています。
ー軽貨物チームは、今どのようなフェーズにあり、これからどのようにしていきたいと考えていますか?
このチームは発足して間もなく、まだアサインされたばかりのメンバーも多い状況です。プロダクト自体は長年使われているものの、開発運用の仕組みが今のチームにフィットしていない部分があるのが正直なところです。まずはそのギャップを埋め、メンバーがより開発しやすい環境を整えることが直近の課題です。次に重視しているのが、「チームとして一体感を持ってものづくりを進めていく」という点です。具体的には、ハコベル内のビジネスサイドとの距離を、今も十分に近いのですがもっと近づいていき、一緒にプロダクトを作っていく姿勢や、エンジニアが事業の貢献度を実感できるような取り組みが必要だと感じています。今後はそこを変えていくために、ビジネスサイドや実際の利用者とのコミュニケーションをもっと密にとり、「どんな開発が必要なのか」「なぜそれが重要なのか」といった背景も含めて対話しながら、同じ目線でサービスをつくっていけるような体制を目指していきます。例えば、ある課題に対して機能を開発した際には、まずプロトタイプ(試作品)を事業部に共有し、フィードバックをもらいながら改善していくというように、PDCAサイクルを意識した開発の進め方も取り入れていきたいと考えています。
ー軽貨物チームについてよく理解できました。もう一つの所属であるトラック簿は、どのようなフェーズで、今後どのような課題に取り組んでいくのでしょうか?
トラック簿については、様々な顧客ニーズに応えられるような多機能化や、価値提供を強く意識するフェーズにあります。そのため、開発のスピードと品質の両方をしっかりと維持していくことが大きなミッションです。
トラック簿はリリースから6年ほど経っており、これまで積み重ねてきた中で技術的な負債や運用面の課題も少しずつ表面化してきています。開発のスピードを落とさずに、これらの負債をどう解消していくかが、今まさに向き合っているテーマです。一方で、デリバリーを優先するあまり品質が犠牲になってしまうことは避けるべきであり、安定した品質の確保は必要不可欠です。そうしたプロダクトとしてのバランスをとることも、課題の一つです。最近は、VPoTの横山さんが新たにチームに加わってくれたこともあり、課題の可視化や具体的な改善策の検討が進み始めているところです。しっかり連携しながら、より良い方向に進めていければと考えています。
ーハコベルで開発をするうえで、強みだと感じる点を教えてください。
ハコベルの強みは、ユーザーとの距離がとても近いことだと思っています。多くの開発現場では、エンジニアが作ったプロダクトが実際にどんなふうに使われているのか、なかなか見えづらいことが多いですよね。ですがハコベルでは、例えば自分が開発した機能を、オフィスのすぐ後ろの席にいるハコベルのオペレーションメンバー(顧客とのやりとりを行うメンバー)が実際に使っている。そんな光景が日常的にあります。ときには「今こういうことで困っていて……」と、オペレーションメンバーから直接声がかかることもあります。でもそれって、すごく健全で良い環境だと思うんですよね。
開発したものの使われ方が肌で感じられるし、ユーザーの熱量も含めて理解できる。私たちがプロダクトを良くしていけばいくほど、オペレーターの方がより良いマッチングを実現できる——そういう良い循環が生まれています。これは、今のハコベルのフェーズだからこそできていることでもあり、狭間さんが大切にしているカルチャーの一つである「Reality(課題は机上で考えるのではなく、顧客・サプライヤー・社内の現場から原因を考え、一次情報を基に解決する)」が自然と体現されている例でもあります。「聞こうと思えば聞ける距離」ではなく、「自然とユーザの声が入ってくる距離」で密接な関係性があるのは、ハコベルならではの魅力だと思っています。
ー実際にプロダクトを使っているメンバーとすぐに会話できる距離感なのは良いことですよね。ハコベルの開発チームとしての強みは何かありますか。
開発チームの強みは、メンバー一人ひとりが課題を「自分ごと」として捉え、主体的に行動できることです。スクラム開発を採用しているチームが多く、タスクを終えた後も周囲に声をかけて積極的にサポートに入るなど、チーム全体で開発を進めていく姿勢が根付いています。また、モブプログラミングを通じてチーム全体の知見を広げようという意識も高く、技術的な成長をみんなで共有していく文化があります。
さらに、Realityの理念に共感して入社したメンバーが多いのも特徴です。オフラインでユーザーが困っている場面に出会うと、自ら声をかけ、課題の本質を理解しようとする姿勢が見られます。開発現場でも、ペアプログラミングや技術議論の場に積極的に参加し、意見交換が日常的に行われています。
こうしたオープンなコミュニケーションと知識共有の文化が、チーム全体の生産性やプロダクトの品質向上に大きく貢献していると思っています。
ーハコベルにはエンジニアが約40名(2025年5月時点)いますが、開発組織全体として今後挑戦したいことはありますか?
組織としては、もっと採用に力を入れていけると思っています。事業や組織フェーズ、先ほどあげた「Reality」の観点から、エンジニアが成長しやすい環境が整っている良いタイミングだと思ってます。だからこそ、もっと多くの人にハコベルのことを知ってもらいたいんです。そのためには、社内のメンバーが技術的な知見や、物流という事業ドメインの面白さを積極的に発信していくことが大事だと思っています。そうして少しずつ外に向けた認知が広がっていけば、ハコベルに興味を持ってくれる人も増えていくはずです。採用を採用担当だけがやるのではなく、全員でコミットしていき、それ自体がカルチャーにもなっていくサイクルができれば、組織としての一体感もより高まり、さらに良い仲間と出会える環境が自然と生まれていくのではないかと思っています。
ー今後メンバーがどんどん増えていくフェーズにあるかと思いますが、赤川さんはどのような方と一緒に働きたいですか?
開発メンバーに求められるのは、何よりも「課題を解決したい、目の前のユーザを大切にしたい」という芯の強さや熱量だと思っています。ハコベルはまだまだ発展途上のスタートアップ企業なので、事業のフェーズによっては踏ん張りどころもあります。そうした局面でも、「自分はこういう思いでここにいる」とブレずに向き合える人に来てほしいですね。そのうえで、持っているスキルや目指すキャリアがハコベルとマッチしていることももちろん大切ですが、まずはその原動力となる想いがあるかどうかを重視しています。
ーありがとうございます。最後に、ハコベルの開発に興味を持っていただいているエンジニアの方へ、メッセージをお願いします!
ハコベルは今まさに、事業もプロダクトも成長の真っ只中にあり、取り組むべき課題や実現したい機能が数多くあります。開発組織としてもまだ完成形ではなく、一人ひとりの意志や行動がチームやプロダクトにダイレクトに影響を与えるフェーズであり、メンバー自身も大きく成長できる可能性を秘めています。また、Realityという行動指針を大切にし、現場やユーザーに向き合いながらプロダクトを磨く仲間が集まっていることも、エンジニアとして成長するうえで大きな魅力だと思います。
社会インフラである物流という領域に挑戦することは、技術だけではなく、社会貢献への実感を持ちながら働けるという意味でも意義深い経験になるはずです。まだまだ発展途上な環境だからこそ、一人ひとりの挑戦がチームを前進させます。社会に必要とされる物流システムの構築という意義ある仕事に携わりながら、自身の技術力も高めていきたいという方のご応募を心よりお待ちしています!
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