ハコベル株式会社
ハコベル株式会社 です。| HRMOS
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SIerでの経験を経て、“世の中の当たり前を変えるロマンのある開発がしたい”とハコベルへ転職した上島。現在は、「どの荷物を」「どういう組み合わせで」「どのトラックに積み」「どう運ぶ」とより効率的なのか、をアルゴリズムを用いて算出するSaaSプロダクト「ハコベル配車計画」を担当しています。複雑な現場課題に向き合う中で大切にしているのは、現場や社内の関係者との丁寧な対話。今回は、コミュニケーションを積み重ねながらプロダクト開発を進めている上島が、どのような想いとスタンスでプロダクトづくりに取り組んでいるのか。キャリアの背景とともに、その熱意と挑戦の軌跡をインタビューしました。
システム開発部 配車計画システムG
上島 元 Gen Ueshima
大学院卒業後、BIPROGY株式会社に新卒入社。SIerとして機械学習や画像認識技術を活用したシステム開発に従事。2023年11月、ハコベルに入社し「ハコベル配車計画」のシステム開発を担当。
前職では、AI技術を活用したシステム開発に従事していました。主にPoCフェーズでの開発に携わることが多く、機械学習や画像認識といった幅広い技術に触れることができたことで、技術者としての視野も広がりましたし、大きなやりがいを感じていました。
プロジェクトごとに異なるクライアントの課題に向き合う面白さがある反面、一つのプロダクトを長期的に育てていく機会が限られていると感じていました。PoCフェーズでは技術検証に重きが置かれるため、ユーザー体験の設計や実運用を見据えた改善サイクルに深く関われないもどかしさもありました。また、AI技術は特性上、100%の精度を実現することが難しく、期待値とのギャップが出やすいため、ユーザーとの対話を通じて期待値をコントロールして現実的な落とし所を見つけていくことが重要だと感じていました。
そうした状況を踏まえ、プロダクトを作って終わりではなく、長いスパンでユーザーと対話を重ねながら共に一つのプロダクトを育てていくような開発がしたいという想いが次第に明確になったことが、転職を考える大きなきっかけでした。実際にユーザーの業務に組み込まれ、日々使われ、フィードバックを受けながら改善されていく―そんなプロダクトのライフサイクル全体に関わりたいと考えるようになったのです。
転職活動を進める中でハコベルを知り、物流という社会インフラを支えることと、SaaSを作るという点でロマンを感じたからです。物流業界は日本の経済や社会にとって非常に重要なインフラでありながら、まだまだデジタル化の余地が大きい領域です。細かい時間指定や正確に届くといった品質は世界一といっても良いレベルですが、その背景には現場の属人的なノウハウや長時間労働があります。物流DXによって現場の人手不足や労働時間などの問題を技術の力で解決できるという可能性に大きな魅力を感じました。
現在担当している配車計画システムについて詳しく聞いた時、アルゴリズムで出した結果を提案するだけではなく、人が最終調整することもプロダクトの機能の一部と考えている点が非常に印象的でした。AIやアルゴリズムが出した「理論上の最適解」と、現場で実際に使える「現実的な最適解」にはギャップが存在しますが、それを埋めるために、使い手である現場の配車担当者が最終調整する余地を残すことで、システムと人間が協働するプロダクト設計になっているのです。
また、配車計画システムで活用されている数理最適化の技術も非常に魅力的で、複雑な現実世界の事象をシステムに落とし込み、ロジックとして組み立てていくプロセスに、面白さを感じました。
さらに、面接でハコベルのメンバーと話し、一緒に働くイメージが具体的に湧き、プロダクト開発に貢献しながら、自分自身も成長していけそうだと実感できたことが、入社を決める大きな後押しになりました。
物流現場の様々な制約を考慮しながら、最適な配車計画を立てるためのアルゴリズムを設計・開発しています。
配送エリアの特性、車両の種類や台数、ドライバーの勤務時間、荷物の特性、配送先の時間指定など、お客様ごとに抱える事情や制約は異なるため、それらを丁寧に汲み取ってプロダクトに反映していく必要があります。その多様なニーズに対応していくことに、難しさと同時に大きな面白さを感じています。
個々のアルゴリズムの精度を高めることも重要ですが、それと同じくらい「お客様としっかり対話を重ね、現実的な落としどころを見つけていく」というプロセスそのものに価値があると思っています。全てのお客様に100点満点を提供するのは現実的に難しいからこそ、ギャップを埋めていくためのコミュニケーションや工夫の積み重ねが、他にはない、このプロダクトの魅力だと感じています。
開発において私が大切にしているのは“分かりやすさ”です。プロダクトの利用者である現場の配車担当者にとって、複雑すぎる機能はかえって使いにくくなってしまうと考えています。裏側では高度なロジックが動いていても、使う側にとっては直感的で分かりやすい。そんな体験を提供できるプロダクトにしていきたいと思っています。
入社して半年ほど経った頃から、継続的に関わっているお客様がおり、実際に足を運んでヒアリングをして、ニーズを細かく拾い上げています。また、ハコベルの他メンバーが現場で得た情報も共有されるので、そういった一次情報を参考にしながら、どういう機能が必要か、どんな制約を加味すべきかを常に考えながら開発を進めています。
現場で使われている「言葉」から学べることはとても多いです。"どういう表現で物事を語っているか"という、その言葉の背景にある慣習や文化を理解することで、プロダクト設計も、よりリアルなものになります。チームで使う言葉もできるだけ現場に近いニュアンスを取り入れるよう意識しています。
物流業界の奥深さや、お客様それぞれが抱える課題の多様性を考えると、学ぶべきことが山ほどあり、解像度ももっと高められると感じています。だからこそ、お客様や他のチームメンバーとの議論から得られることも多く、日々の業務が非常に充実しています。ベテランのメンバーから現場の実情を教えてもらったり、他のお客様での事例を共有してもらったりすることで、自分の視野が広がっていることを実感しています。
ハコベルに入社して感じた壁のひとつは、「お客様にとっての良い配車計画とは何か?」を紐解くことでした。実際にお客様と向き合うと、答えは決して単純ではないことがわかりました。例えば「このエリアの配送ならA社が一番確実」「このお客様は時間に余裕を持って配送する」といった現場の知恵は、長年の経験に基づいた貴重なノウハウですが、システム化する際にどう扱うべきか判断に迷うことが多々ありました。こうした状況の中で何を目指すべきかの合意形成には、かなりの時間がかかる上、お客様自身にも業務プロセスの改善やデータ整備等でアクションが必要なことがある点が、難しさの一つでもありました。
初めから完璧を目指すよりも、できる部分から試行し、「これはよかった」「ここがもっと良くなると助かる」といった現場のフィードバックをいただきながら配車計画システムの完成度を高めています。
難しい要件や背景を伴う声は社内の「フィードバック窓口」を介してチームで共有され、得意領域が異なるメンバーから良いアイディアを集める——こうした活動の中で小さな改善を重ね、段階的に完成度を高めていくことで、結果として現場で本当に役立つ配車計画を目指しています。
私のチームは議論好きなメンバーが多く、ちょっとした気づきや進捗もSlackに投稿するとすぐに反応が返ってきたり、そこから議論が広がって新しいアイデアに繋がることもよくあります。コミュニケーションの活発さがプロダクトにも反映されていると思いますし、この文化はハコベルの開発チームらしさの一つだと思っています。
また、エンジニアは週2回の出社をベースに、曜日を合わせてチームで顔を合わせるようにしています。それ以外の日はGatherやSlackでペアプログラミングをしたり、ちょっとしたことでもすぐに集まって話せるような環境をつくっています。
チームの熱量が高いからこそ、意見がぶつかることもありますが、お互いにリスペクトを持って議論できていると感じます。視点やバックグラウンドの違いから生まれる意見交換が前向きで楽しい時間になっているのも、配車計画チームの魅力の一つです。私たちは普段から議論を交わすことが多いので、考えることが好きな方や、違和感に気がついたときにしっかり問題提起できるような方と一緒に働けると嬉しいですね。また、開発にワクワクを感じたいというメンバーが多いのも特徴です。
一番の魅力は、「自分のWill」に沿った挑戦を応援してくれる文化があることです。やりたいことがあれば、まずはその方向性も含めてしっかり対話したうえで、前向きにチャレンジできる可能性があります。社内では、横山さんがVPoTに抜擢されるなど、自ら意思を示せば新しいことに取り組める風土があります。
定期的な1on1を通じてキャリアの方向性について上司とすり合わせる機会もあり、「役割に縛られずに挑戦していこう」といった前向きなフィードバックをもらえるのも、安心して挑戦できる理由のひとつです。チームとしても得意領域にとどまらず、技術領域の境界を越えて柔軟に協力し合う姿勢があり、私自身も最近はアルゴリズムエンジニアという枠を超えてWebアプリケーションの開発にチャレンジしています。
「挑戦したい」を自然に応援してくれるのが、ハコベルの良さだと感じています。
配車計画システムは、これからさらに成長していく局面にあって、手触り感のある開発やユーザーとの対話を重ねながらプロダクトを育てる経験ができるフェーズです。
物流という社会インフラに関わるテーマだからこそ、自分たちの手で「当たり前を変える」挑戦ができ、数理最適化やアルゴリズム開発といった技術的な面白さと、現場の課題解決という社会的意義を両立できる環境があります。また、まだまだ解決すべき課題が山積みの領域でもあるので、技術者として大きな手応えを感じながら働けると思います。
そんなワクワクを一緒に感じながら働ける方と出会えるのを、楽しみにしています!
ハコベルでは一緒に働くメンバーを募集しています。
皆様のエントリーをお待ちしております!
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