メドエックスが大きな成長戦略を描き、未来へと歩みを進める陰には、優しい父のような包容力で仲間を支えつつ、経営コンサル出身の鋭い戦略眼で全体を導く存在がいます。
地域の旅館再建から高齢者施設の支援まで、多彩な挑戦を重ねてきた経験は、今の事業戦略にも深く息づいています。
今回は事業戦略部長・菅又さんのキャリアストーリーと、メドエックスを通して実現しようとしている未来への想いをお届けします。
長崎病院学会出展も現地でサポート 写真右が菅又さん
── これまでのキャリアについて教えてください。
大学を卒業後、まずはシンクタンクやコンサルティング会社で経営コンサルタントとしてキャリアをスタートしました。そこでは経営分析や戦略立案などの基礎を徹底的に叩き込まれ、経営というものを多角的に考える土台を築けたと思います。約14年企業コンサルタントとして勤めました。
その後は経験を生かし医療法人の役員として現場に近い立場で経営に関わる他、宿泊・飲食業法人の代表、インターネットサービスや人材紹介支援事業の企業代表など、多様なフィールドで責任ある役割を経験してきました。
── コンサル経験を生かして幅広い業界で経営をされているのですね。印象的な取り組みについて教えていただけますか?
そうですね。たとえば福島県の旅館をM&Aで取得し、オーナーとして再建に携わったことなどでしょうか。
── え?旅館のオーナーなんですか?それはまたどうして?
もともと旅館が好きで、日本の温泉文化を残したいという気持ちがありました。安達太良山の中腹の温泉街にある「扇や」という旅館を取得したのですが、そこは震災後の経営難に直面していて、このまま閉じてしまうと地域にとって大きな損失になると感じたんです。
この旅館は、創業から450年ほど経っており、地域の歴史的、文化的な貴重な資産と言えます。そんな素晴らしいものを守りたい、そして経営が苦しい女将さんや従業員の方々を支えたいという思いから挑戦しました。結果的に、施設そのものを残すことができただけでなく、雇用を守ることにもつながったと感じています。
── なるほど、施設と雇用の両方を守ったわけですね。
そういう見方もできるかもしれませんが、私としては「ただ素敵な場所と人たちを残したい」という純粋な気持ちが強かったです。経営的な合理性以上に、「ここは残すべきだ」と直感的に思ったことが大きな原動力でした。
──もしかしたら、メドエックスの保養施設になったりする未来もありますか?(笑)
さぁ、どうでしょうか(笑)
── では、医療系の取り組みについても教えてください。
はい。現在は富山にある「ものがたりの街」という高齢者が自分らしく暮らせる医療・介護拠点の顧問も務めています。日本はこれからますます高齢化が進んでいきますが、単に身体的なケアを提供するだけでは不十分です。高齢者一人ひとりの人生に寄り添い、その人らしい暮らしを支える“家族のようなケア”を実現する仕組みが必要です。そうした理念を持つ施設を経営面からサポートし、持続可能な形にするお手伝いをしています。
── 経営の厳しさを知りながらも、人に寄り添う視点が一貫しているように感じます。
そう言っていただけると嬉しいですね。コンサルタント時代は競争の厳しい世界で数字を追いかけてきましたが、そこで十分に修練を積んだ今は、自分が心から良いと思える人や場所を守り、次の世代につなげる活動をしていきたいと思っています。
今は自分が経営者として楽しみながら色々やっています。
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経営コンサルタントとしての経験を土台に、旅館の再建や高齢者施設の支援など、多彩なフィールドで挑戦を重ねてきた菅又さん。その歩みの背景には、「人と地域を大切にする」という一貫した想いが流れていました。
現在はメドエックスの事業戦略部長として医療業界に新しい価値をもたらすべく、大胆かつ現実的な成長戦略を描く菅又さん。
後編では、そんな菅又さんが日々の仕事で「幸せ」を感じる瞬間や、自分らしさを発揮できる場面、そして仲間から“優しいお父さん”と呼ばれる所以をひも解いていきます。より人間味あふれる一面を、ぜひご期待ください。