「やっぱり福祉の仕事が本当に好き。もう一度福祉の現場で力を発揮したい」そう語るのはインクルード相談支援センター 博多で管理者兼相談支援専門員を務める佐野貴則さん。
過去に2度、福祉の現場を離れながらも、やはり福祉に携わりたいという強い思いでインクルードに入社した佐野さん。佐野さんがなぜ「福祉の仕事が好き」と語るのか、そして佐野さんが実践する「できるだけ早く、適切につなげる」という支援や、インクルードでの働き方について深掘りします。
佐野 貴則 / インクルード相談支援センター 博多 管理者・相談支援専門員
短期大学卒業後、JA職員や人材派遣の営業など多様な仕事を経験した後、障害者の入所施設で約11年間の勤務。その後、一般企業や福祉施設での勤務を経て相談支援専門員の資格を取得。再び福祉分野から離れた仕事に就いたが、2022年にインクルード株式会社に入社。インクルード相談支援センター 博多の開設時から管理者兼相談支援専門員として勤務。福岡市を中心とした地域で「できるだけ早くつなげる」ことを意識して計画相談支援を行っている。
やっぱり福祉の仕事に携わりたい
——インクルードに入社されるまでの経歴を教えてください。
短期大学を卒業後は、人材派遣の営業をはじめ、さまざまな職種で経験を積んでいました。そんな中、妻が高齢者福祉の現場で働いており、日々その話を聞くうちに、「福祉の仕事って楽しそうだな」「自分にもやりがいを感じられそうだな」と思うようになりました。そこから福祉の分野に強く興味を持つようになり、転職活動を開始しました。
その後ご縁があり、知的障害のある方が入所されている施設で働くことになりました。重度の知的障害のある方の生活全般の支援をはじめ、夜勤や入浴・食事介助、外出の付き添い、さらにはパソコンの指導まで、幅広い業務に関わる中で、「この仕事は自分に合っている」と実感するようになりました。
入所施設では11年間にわたり勤務し、日々やりがいを感じながら充実した時間を過ごしていました。しかし、親族の会社を手伝うことになり、一度福祉の現場から離れました。
時間が経つにつれ「やはりもう一度、福祉の仕事に戻りたい」という思いが強くなり、再び福祉の世界へ戻ることを決意。転職活動を経て児童指導員として再出発し、併せて相談支援専門員の資格も取得しました。ただ、その職場では自家用車での訪問が多く、ガソリン代や車の維持費といった自己負担が大きくなっていました。当時は子どももまだ小さく、家庭との両立を考えたときに「この働き方は家計にも負担が大きい」と感じるようになり、やむを得ず福祉業界を離れ、条件の良かった別の業界へ転職しました。
しかし、福祉の現場から離れてみて改めて実感したのは「やっぱり福祉の仕事が本当に好きだった」ということ。特に相談支援の仕事には、自分なりのやりがいと使命感を強く感じていました。その思いを胸に「もう一度福祉の現場で力を発揮したい」と考え、インクルードへの応募を決意しました。
— なぜ、そこまで福祉の仕事にやりがいを感じているのでしょうか?
一番の理由は、自分が関わることで誰かの困りごとが少しずつ減っていくのを感じられるからです。
「ありがとう」といった直接的な言葉がなくても、表情の変化や行動から、支援の手応えを感じることができ、そのたびにこの仕事の意味を実感します。
別の業種に就いていた時は「自分がやらなくても他の誰かができるかもしれない」と感じることがありました。もちろん、相談支援員の仕事も、誰かが代わりを務めることはできるかもしれません。でも、支援の進め方には一人ひとりの個性や工夫が表れる仕事だと思っています。うまくいかない時には悩むこともありますが、逆に、工夫や関わり方が実を結び、良い支援が進んだときは「自分でよかった」と素直に思えるんです。そんな瞬間が、福祉の仕事を続けたいと思える大きな理由だと思います。
——数ある福祉の職場の中で、インクルードを選んだきっかけを教えてください。
これまで複数の会社で働いてきた経験から、「安心して長く働き続けられる職場かどうか」という点を非常に重視していました。
インクルードは福利厚生や労働条件といった制度がしっかり整っているだけでなく、「心身を整えることは優先順位の高い業務」というバリューを掲げ、社員の心身の健康を重視する企業姿勢が強く感じられました。「この会社なら、安心して長く働ける。きっとそれが、より良い支援にもつながるはずだ」そう感じたことが、入社を決めた大きな理由です。
できるだけ早く、そして適切につなげること
——現在の業務内容について教えてください。
現在は、インクルード相談支援センター 博多で管理者と相談支援専門員を兼任しています。
主な仕事は、利用者さんの希望する暮らしを一緒に考え、それを実現するための福祉サービスや地域資源を提案し、計画を作っていくことです。福岡市を中心に、支援が必要な方がすぐに必要なサービスにつなげられるように、迅速かつ丁寧な対応を心がけています。
1日のスケジュール(例)
9:00 出社・センターの清掃・朝礼
朝9時に出社後、併設されているニューロリワーク 博多センターの清掃を行います。
その後、博多センターのスタッフと合同で朝礼に参加し、一日の流れや共有事項を確認します。
午前 デスクワーク
午前中は主に計画相談に関わる書類の作成などを行います。
利用者さん一人ひとりに合わせた支援を行うため、日々の記録や計画の更新はとても大切な業務です。
午後 モニタリング訪問
午後は、利用者さんのご自宅を訪問し、モニタリングを行うことが多いです。
多くの方が日中は事業所に通所されているため、訪問のタイミングは午後から夕方になることが一般的で、1日に3件程度訪問しています。
基本的にはこのスケジュールで進めていますが、急な予定変更や緊急のご連絡にも迅速に対応できるよう、柔軟に調整できる体制を整えています。
—— 相談支援の業務で大切にしていることを教えてください。
私が相談支援の業務で最も大切だと感じているのは、「できるだけ早く、そして適切につなげること」です。
以前、所属していた事業所の所長から「私たちの仕事は“つなげること”だ」という言葉をいただきました。支援者である私ひとりの力ではどうしても限界がありますが、他の事業所や関係機関と連携することで、利用者さんの困りごとが少しずつ改善されていく。その「つながりをつくる役割」こそが、相談支援における重要な使命だと感じています。
さらに、「つなぐ」ことのスピードと的確さも非常に重要です。適切なサービスや支援機関へ迅速に結びつけることで、一日でも早く、利用者さんの悩みが軽減されるよう努めています。
また、利用者さんの課題の本質を見抜くことも大切です。
利用者さんの中には不安が強く、長時間にわたってご相談をいただくことも少なくありません。そうしたときは、話の内容を丁寧に受け止めながら、「この方が本当に困っていることは何なのか」を見極めるよう心がけています。ただ話を聞くだけでなく、その背景にある思いや不安に寄り添い、共感することも、この仕事において非常に大切だと感じています。
仲間と連携しながら支援を進められる体制
—— この仕事をしていて、どんな時にやりがいを感じますか?
利用者さんの困りごとが解消され、自分らしく前に進もうとする姿に立ち会えたときに、大きなやりがいを感じます。
長い期間関わってきた方のサポートが一区切りつくと、達成感と同時に少し寂しさも感じますが、後日お礼のご連絡をいただいたり、元気な様子で事業所に立ち寄ってくださったりすると、「この仕事を選んで本当によかった」と心から思えます。
もともと私は、人と関わり、成長を見守ることが好きでした。以前は小学生のバスケットボール指導をしていたのですが、その時に感じた「人が成長していく姿を見る喜び」が、福祉の仕事にも通じていると感じています。
—— 難しさを感じる場面はありますか?
もちろんあります。支援の現場では、予想外の事態に直面し、「このケースはどう進めるべきか」と悩むことも少なくありません。
ですが、インクルードには複数の相談支援センターがあり、経験豊富な相談支援員が多数在籍しているため、いつでも相談しやすい環境が整っています。さらに、ニューロリワーク 博多センターのスタッフとも日常的に顔を合わせ、情報共有ができるのも大きな強みです。
一人で抱え込まず、仲間と連携しながら支援を進められる体制があることは、本当に心強く感じています。
——相談支援員同士の連携をとりやすい環境なのですね。
そうですね。他の事業所の相談支援員とは定期的にミーティングを行ったり、グループチャットで会話するなど連携はとりやすい環境です。ミーティングでは、制度や法令の解釈の確認、支援上の課題相談など、情報共有を通じて支援の質を高めるよう心がけています。
また、ニューロリワーク 博多センターのスタッフとは、毎日朝礼を共にしており、日頃からきめ細かな連携を取ることができます。
相談支援事業所を単独で運営している企業もある中で、こうした連携が取りやすい環境にあることは、スピード感のある対応につながり、利用者さんにも事業所側にも大きなメリットになっていると感じています。
安心して日々の業務に専念できる環境
—— インクルードの魅力を教えてください。
これまでいくつかの職場を経験してきましたが、中でもインクルードは、社員一人ひとりの心身の健康にしっかり配慮してくれる会社だと強く感じています。安心して日々の業務に専念できる環境が整っていることに、心から感謝しています。
また、主体的に動くスタッフが多く在籍しており、日頃から活発な情報共有が行われているため、支援の質も自然と高まっていきます。「より良い支援を届けたい」という想いがチーム全体に浸透している点も、インクルードならではの魅力です。
—— 最後に、インクルードへの応募を検討している方へメッセージをお願いします。
仕事をしていれば、大なり小なり不満を感じる瞬間はあるものだと思いますが、インクルードに入ってからは、特に不満を感じたことがありません。それだけ、自分自身を大切にしながら安心して働ける環境が整っているのだと実感しています。
福祉の仕事が好きな方、これから福祉の分野に関わってみたいと考えている方にとっては、存分に力を発揮できる環境が整っていると思います。自信を持っておすすめできる職場ですので、少しでも興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご応募ください。
ありがとうございました。
インクルード株式会社では、「ソーシャルインクルージョンを実現し、全ての人が活躍する社会を創る」というミッションの実現に向けて、ともに歩んでくれる仲間を募集しています。
今回の記事を通じて、インクルードの事業や働き方について少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。