「変化を促し、長期的に働き続けるための支援」──福祉歴21年のマネージャー森田さんが語る、インクルードの魅力やマネジメントの学び
「インクルードに特に魅力を感じたのは、自身の変化を促し、長期的に働き続けるための支援をしているところ」そう語るのは、ニューロリワーク 梅田センターのマネージャー森田友里愛さん。
今回は、福祉分野で21年にわたるキャリアをお持ちの森田さんに、キャリアの原点やインクルードで感じた魅力、そしてマネージャーとしての働き方についてお話を伺いました。
森田友里愛 / ニューロリワーク 梅田センター マネージャー
幼少期より福祉に興味を持ち、18歳のときにフロリダ州にある、余命宣告を受けた難病の子どもとその家族のための施設でボランティア活動に参加。その後、重度身体障害者施設・老人保健施設等での経験を経て、就労移行支援事業所の立ち上げにサービス管理責任者として携わる。2021年インクルード株式会社に入社。就労支援員やサービス管理責任者として現場での就労・復職支援に従事。現在は梅田センターのマネージャーとして業務にあたる傍ら、ICTの活用による業務効率化にも取り組んでいる。
──長年にわたり福祉の現場でご活躍されている森田さん。幼い頃から福祉に関心をお持ちだったそうですが、そのキャリアの原点についてお聞かせいただけますか?
私は15歳のときに児童養護施設での生活を始めました。施設には福祉関係者やボランティアの方々が頻繁に訪れてくださり、その温かなふれあいを通じて、福祉というものが私にとってとても身近にありました。そのような環境で過ごす中で、私は中学生の頃からさまざまなボランティア活動に参加するようになりました。
高校2年生のときに観たテレビや記事を通して、海外では福祉が日本よりも日常生活に深く根付いていることを知り、「自分の目でその現場を確かめてみたい」という気持ちが強まりました。そこで、いくつかの海外ボランティアに応募した結果、アメリカ・フロリダ州にある「ギブ・キッズ・ザ・ワールド(Give Kids The World)」という施設で活動することが決まりました。その施設は、余命を宣告された子どもたちとそのご家族が特別な時間を過ごすための場所で、まるで遊園地のような夢のような空間が広がっていました。
活動中は命と真正面から向き合うようなショッキングな出来事にも直面しました。それでもなお「もっと福祉と関わりたい」と思えたのは、現地で見た人と人との自然な距離感、そして誰もが対等に接し合う温かな文化に心を動かされたからです。障害のある方にも、あたりまえのようにフランクに声をかけ、偏見なく接する姿がとても印象的でした。
その光景を見たとき、「私もこんなふうに、人と向き合える人間になりたい」と、心から思いました。この体験こそが、私にとって福祉の道を歩む原点となっています。
ギブ・キッズ・ザ・ワールドでの活動当時の写真
── 帰国後は、重度身体障害者施設や高齢者施設などでの経験を重ねたうえで、就労移行支援事業に携わっていますね。
はい。帰国後にはすでに福祉の道を歩む決意が固まっていました。すぐに就職活動をし、重度身体障害者施設や高齢者施設の勤務を経て、A型の就労継続支援事業所で勤務しました。
そこで出会った利用者さんとの出会いが、私の中で大きな転機となりました。全国トップクラスの進学校や、誰もが知る名門大学を卒業した方が、発達障害や精神障害の影響により、単純作業に従事されている姿を目の当たりにしたのです。「この方たちはきっとこれまで一生懸命、勉強をしてきたはず…。もっと、一人ひとりに合った仕事や環境があるのではないか。」そんな思いが、私の中に芽生えました。
ちょうどその頃、これまでの福祉現場での経験が実を結び就労支援事業のサービス管理責任者の資格要件を満たせるようになっていました。そのタイミングで、より「一人ひとりに合った就労を支援したい」という気持ちから就労移行支援事業への転職を決意しました。
転職先として決まったのは、新たに開設される事業所でのサービス管理責任者のポジションでした。就労支援員としても、サービス管理責任者としても初めての挑戦であり、日々の業務には大きなやりがいを感じていました。同時にコンプライアンスの整備や事業所の運営など、未知の分野に直面し、戸惑いや苦労も少なくありませんでした。
そのような状況の中で、「福祉の現場で長く働き続けるためには、信頼できる仲間のもとで、しっかりと学びながら勤めていきたい」という気持ちが次第に強くなっていきました。ちょうどその頃、もともと知り合いが働いていたことをきっかけにインクルードの存在を知りました。環境が整っていることに加え、実際に話を聞いてみると他にも多くの魅力的な点があり、迷うことなく転職を決意しました。
──さまざまな福祉現場でのご経験をお持ちの森田さんが、インクルードに魅力を感じられたのはどのような点でしょうか。
ボランティアを含め21年間福祉の現場に携わる中で私が特にインクルードに魅力を感じたのは、その人自身の変化を促し、長期的に働き続けるための支援をしている点です。
たとえばブレインフィットネスプログラムを通じた生活習慣の見直しなど、就職そのものをゴールとするのではなく、「長期的な安定就労」といったその先の人生まで見据えた支援を重視している点に、深く共感しました。
また、社内には脳科学者が在籍しており、科学的な根拠に基づいた支援が行われている点も大きな魅力です。実際、行政への説明にも説得力があり、信頼を得やすいと感じています。
──2023年にはマネージャーに就任され、働き方に大きな変化があったと伺っています。
そうですね。マネージャーになる以前の私は、「自分の考えが正しい」という思考が強く、時には相手を言い負かすような言い方をしてしまうこともありました。正論をぶつけて相手を納得させることが大切だと考えていたのです。
しかし実際にマネージャーとしての業務が始まると、毎日が試行錯誤の連続でした。「すべて自分ひとりでやらなければ」と思っていましたが、現実にはどこから手をつければいいのか分からないことも多く、戸惑いながらの日々でした。
そんな中で受けたマネージャー研修が、大きな転機になりました。研修を通して、「周囲と協力して進めることの大切さ」に気づかされたんです。自分ひとりで抱え込む働き方には限界があると痛感しました。
それ以来「支援はチームでつくるもの」という意識が徐々に高まり、「チーム全体の力を最大限に引き出すにはどうすればよいか」を考えながら仕事に取り組むようになりました。
現在はスタッフとの対話を重視し、互いの考えを調整しながら方針を決定することを大切にしています。たとえばマネージャーになると、さまざまな判断が求められ、時には反対意見も出ます。そんなときは事前に一人ひとりと話をして、「こういう方向性を考えているけどどう思う?」と相談するようにしています。そうした日々の小さな共有や対話の積み重ねが、チームの信頼関係や円滑な運営につながっていると感じます。今では、「相手の声をきちんと聴きながら、共に方向性を探っていくこと」が、私のマネジメントスタイルの核になっています。
──最後に、インクルードへの転職を検討されている方にメッセージをお願いします。
私自身、最初は「一人で頑張らなければ」と思い込んで、空回りしてしまうことも多くありました。でも今では、周囲と力を合わせ、チームとして支援することの大切さを実感しています。
仕事には、嬉しいこともあれば、つらいこともあります。インクルードには、本当に困ったときに手を差し伸べてくれる仲間がいます。一緒に悩み、一緒に前に進める環境がありますので、安心して飛び込んできてください(^^)