「安心して羽を休め、再出発への活力を養える“最高品質のレスパイト(休息)とリフレッシュ”を提供できる場にしたい。」そう語るのは、ニューロリワーク 梅田センターでサービス管理責任者(以下、サビ管)・兼サブマネージャーを務める森田俊介さん。
福祉の道を歩み続ける森田さんはなぜインクルードを選んだのか。キャリアの軌跡や支援への想いをインタビューしました。
森田 俊介 / ニューロリワーク 梅田センター サービス管理責任者・サブマネージャー
高齢者介護施設にて7年勤務。主に直接支援業務に従事する。その後、就労継続支援A型事業所にて支援業務及び相談支援事業所にて計画相談業務に従事。計画相談では、身体・精神・知的障害の方の自立した日常生活及び社会生活のサポートに携わる。その後、就労移行支援事業所にてサービス管理責任者として約3年間勤務した後、A型事業所のサービス管理責任者を挟み令和6年9月よりインクルード株式会社に入社。ニューロリワーク 梅田センターにてサービス管理責任者として勤務している。
業務において大切にしている事
支援…利用者さんの主体性を尊重し、「本人の望む生活の実現」を最優先にサポートする。本人の希望や価値観を十分に聴き取り、情報提供や助言を通じて、本人が主体的に社会復帰に向けた行動選択・決定を行えるよう支援する。
運営…法令遵守。障害者総合支援法に基づきサービス提供を行うことを軸とし、健全なセンター運営を行う。
――そもそも、なぜ福祉の道を志し、そしてその中でも就労移行支援という分野を選ばれたのでしょうか?
実は、福祉の世界に進んだのは特別な理由があったわけではなく、まさに「直感」でした。最初に従事したのは高齢者介護の現場です。そこで約7年間、支援の基礎を徹底的に学びました。今振り返ると、私の支援に対する軸や考え方の根幹は、この時期に形成されたと感じています。
その後、障害者支援の分野に興味を持つようになり、就労継続支援A型事業所、計画相談支援の業務を経験しました。計画相談では、利用者さんを少し離れた立場から支援する役割を担っていましたが、B型やA型の事業所から一般就労へとステップアップしていく方々の姿を見るうちに、「もっと近くで、直接支援をしたい」という思いが次第に強くなっていきました。もともと高齢者介護で現場支援を行っていた経験も、その思いを後押ししたのかもしれません。
そうした背景と、就労支援という分野への関心が重なり、就労移行支援事業所への転職を決意しました。
――高齢者介護施設で形成された「支援に対する軸や考え方の根幹」とはどのようなものでしょうか?
高齢者介護の現場に入って1年目の経験が、私の支援に対する考え方を根底から変えました。
当時の私は、仕事に慣れてきたこともあり、「支援とはこうあるべきだ」「自分のやり方が正しい」と自信過剰になっていた時期がありました。しかし、ある出来事がその考えを大きく揺さぶりました。
ある利用者さんが食事中に「もういらない」とおっしゃったんです。私は「ああ、今日は食欲がないんだな」と、何の疑問も持たずに受け流してしまいました。ところが、別のスタッフが「どうして食べたくないんですか?」と、その一言の背景にある理由を尋ねたのです。すると、そこにはちゃんと理由がありました。
その瞬間、私は衝撃を受けました。自分がいかに思い込みの中で仕事をし、支援を「作業」として捉えていたかに気づかされたのです。「ご飯を食べたくない」という言葉の裏には、その方の気持ちや状況、背景が必ずある。利用者さんの言葉を表面的に受け取るのではなく、「なぜそう言うのか?」を考える姿勢こそが、本当の支援に必要なのだと痛感しました。
それ以来、私は、常に利用者さんの言動や自分の対応に「なぜ?」という問いを持ちながら向き合うことを心がけています。この姿勢こそが、私の支援の軸となっています。
――サビ管になるまでの道のりを教えてください。
サビ管の資格を取得したのは、計画相談支援に従事していた時期のことです。会社の方針で新たにグループホームを立ち上げる計画があり、その際に資格取得を勧められたのがきっかけでした。ただ、最終的にグループホームの事業に携わることはなく、実際にサビ管として現場に立ったのは、就労移行支援事業所へ転職してからになります。
サビ管というポジションを選んだ理由には、サービス管理責任者として、新たな視点と責任を持って支援に臨みたいという思いと、自分のこれまでの経験と取得した資格を最大限に活かせる道だと感じたことが大きいです。支援現場の経験をベースにしながら、組織運営や職員育成にも関われるという点に、やりがいと可能性を感じました。
――数多くの福祉施設を経験されてきた森田さんが、インクルードを転職先として選ばれた“決め手”は何だったのでしょうか?
インクルードへの転職を決意した最大の理由は、独自の「ブレインフィットネスプログラム」の存在でした。
多くの就労移行支援事業所では「生活リズムを整えましょう」といった一般的な支援方針を掲げていますが、インクルードのように科学的根拠に基づいて、健康的な生活習慣の会得を体系化したプログラムを持つ事業所は、私の知る限りほとんどありませんでした。
インストラクターが在籍し運動指導を行っている点や、個々に合わせた食事改善や睡眠の質向上など、専門的なアプローチを実施している点は、他社にはない大きな魅力でした。こうした「インクルードならでは」の取り組みがあるからこそ、利用者さん一人ひとりに対して、より質の高い支援が実現できると確信したのです。
そしてその確信が、私がインクルードで働くことを決めた最大の“決め手”になりました。
――実際の現場で、「インクルードならではの支援」と思うところはどこですか?
やはり、科学的な根拠に基づいたプログラムを提供できるところが、大きな特徴ですね。
前職でも、生活習慣の大切さを伝えて、日々の記録をつけてフィードバックするといった取り組みはやってきました。でも、「なぜそれが大事なのか」をきちんと説明できるかどうかが、やっぱり決定的に違います。
利用者さんも、頭では「生活リズムが大事」とわかっていても、納得できるかどうかで、実際の行動への移しやすさは全然変わってきます。たとえば、「このデータがあるから、食事のバランスは大事なんですよ」「睡眠の質が落ちると心身にこういう影響が出るんです」といった具合に、根拠をちゃんと示すんです。それにより納得できると、アドバイスの受け入れ方も変わって、自然と習慣化しやすくなります。
この点は、他社とは大きく違うところで、インクルードの最大の強みだと思っています。
――インクルードのミッションやビジョンは、日々の業務にどう反映されていますか?
インクルードのビジョンは「障害のある方や、メンタル不調を抱える方の安定就労を当たり前にする」こと。これを実現するには、私は二つのポイントが大事だと思っています。
一つは「ご本人の自己理解」です。個別支援計画の作成やモニタリングの面談では、「現実をとことん突き詰める」ことを意識しています。
現在の達成状況や課題、就労や復職に向けて次に何をすべきか。時には厳しい現実と向き合っていただく場面もありますが、そこから目を逸らさずに1つずつ課題を乗り越えていくことが、自己理解を深め、安定就労につながると信じています。そのため、面談では普段の支援とは少しモードを切り替えて、徹底的に向き合うようにしています。
もう一つは「社会の受け入れ体制」です。
企業側との連携、特に利用開始時点での目線合わせを大切にしています。復職を目指す方であれば、企業がご本人に求める状態や課題を、ご本人・企業・私たちの三者で共通認識を持つことが重要です。私たち支援員から伝えるよりも、企業側から直接「こういう状態で戻ってきてほしい」と言ってもらう方が、ご本人にとってゴールが明確になり、説得力も増します。この三者間の認識合わせこそ、ミッション実現への大事な一歩だと考えています。
――では、利用者さんに、ニューロリワークをどのような「場所」として感じてもらいたいですか?
安心して羽根を休め、再出発への活力を生み出す「最高品質のレスパイト(休息)とリフレッシュ」を提供できる場所でありたいと考えています。
利用者さんの長い人生において、ニューロリワークで過ごす時間は、ほんの短い期間です。ですから、ご本人にとって、ここが「ちょっと休憩するために立ち寄った場所」くらいの存在であってほしいと思っています。高速道路のサービスエリアのような、気持ちをリフレッシュし、新たな一歩を踏み出す場ですね。
ただ、その「ちょっと立ち寄った」この場所で、ご自身のメンタルケアや身体のケアの方法を学び、エネルギーを養って、元気でさらに強くなった状態で社会に羽ばたいてほしい。そんな想いで向き合っています。
――サビ管として、今後組織やサービスをより良くするために挑戦していきたいことはありますか?
この業界は制度の変更も多く、常に新しい情報をキャッチアップしていく必要があります。しかし、日々の業務に追われ、自己学習やスキルアップのための時間をしっかり確保するのは難しいのが現状です。
ですから、意図的に「アイドルタイム」のような時間を設け、スタッフがインプットに集中できるような時間を会社として作っていけるといいなと思っています。
また、個人的な挑戦としては、社内研修に携わってみたいという想いがあります。インクルードのミッションやビジョン、支援の考え方を、新しく入ってくる仲間たちにしっかりと伝えていけるような、そんな役割を担えたら嬉しいですね。
――最後に、どんな想いを持った方に、インクルードのサビ管として仲間に加わってほしいですか?
利用者さんの「こうなりたい」という思いを何よりも大切にし、徹底的に寄り添う。その上で社会復帰と自立に向けた本質的な課題には、愛情ある厳しさをもって真摯に向き合える。
こうしたプロ意識と情熱を持った方と共に働きたいと考えています。
ありがとうございました。
インクルード株式会社では、「ソーシャルインクルージョンを実現し、全ての人が活躍する社会を創る」というミッションの実現に向けて、ともに歩んでくれる仲間を募集しています。
今回の記事を通じて、インクルードの支援や働き方に少しでも興味を持っていただけたら、ぜひお気軽にご応募ください。
※本インタビューの内容は、2025年10月時点のものです。