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企業に求められる「女性職員へのサポート」
Photo by Christina @ wocintechchat.com on Unsplash
この記事では企業がなぜ女性職員のサポートに力を入れるべきなのかを、FemTech企業の視点から考察していきます。
拡大する女性職員への支援
女性活躍推進が拡大する今日では、以前よりも遥に女性の社会進出が進んでいます。実際に1985年から2019年までの間で、雇用者に占める女性の割合は約10%上昇しています。女性活躍を推進するために、ただ管理職数や採用数を増やすだけでなく、女性職員に対して健康面などのサポートを行う企業が増えてきていることも事実です。
具体的には、生理や妊娠に伴う不調へのサポートとして、仕事の量や内容を調整できるシステムの整備や、生理用品の無料設置、研修会などを行っている企業があります。他にも、女性にとって負担の大きい不妊治療・妊娠・出産や介護・育児に関する休暇制度等を設け、サポートを行う企業も増えています。
日本企業の現状
女性職員へのサポートが広まりつつあるものの、問題は山積みです。特に企業が注目すべきなのは、女性以外も含めた社員全体の教育です。日本は特に性の話題をタブー視する傾向が強く、性教育が遅れています。そのため、男性社員には生理や妊娠に関する知識が乏しいことが多く、結果女性の苦悩を理解できない事や、ハラスメント・ハレーションとなってしまう言動を無意識にしてしまう事があります。また、生理や妊娠などの症状の重さや状況に個人差があるものについては、女性同士でも理解し合えない場合があり、しばしば職員間の軋轢を生むことがあります。
さらに、休暇制度に関しても遅れている状態です。例えば、生理痛で出勤が難しい際に取得できる生理休暇の取得率は、2020年時点で0.9%です。これは、相談するのが恥ずかしくてためらわれる事や、上司に理解がない事が主な要因です。その結果、本当は休むべき状態でも働かざるを得ない女性が一定数存在しています。
問題に取り組む国内企業例
では、他の企業は具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。ここからは国内と海外の取り組み事例をご紹介します。
一社目は大塚製薬株式会社です。大塚製薬では女性の健康に関するセミナーや管理職研修、さらにeラーニングによる教育を行い、徹底的に女性のヘルスケアに関する知識を社員に浸透させています。また、婦人科産業医による相談窓口を設置したり、妊婦・幼児の親・介護者である社員に対しては、原則一年間在宅勤務で月一回出社とする制度も用意しています。
二社目は株式会社パソナグループです。パソナグループは主に二つの取り組みを行っています。一つ目はドリカム休職制度で、この制度では、不妊・更年期治療や、キャリアアップ、ボランティア、進学にも使える1年間の休暇を取得できます。また、家族や子供のことをゆっくり考える日として、年に一度健康診断受診日をマイケアデイとして設定しています。
問題に取り組む海外企業例
海外では、日本以上に女性サポートへの関心が高まっています。
一社目は、サントリーホールディングスの子会社でアメリカに本社を構える酒類企業のBeam Suntoryです。Beam Suntoryでは最低でも26週の育児休暇を有給で取得することができます。また、子育て中の母親が働きやすいよう、フレキシブル制度を導入し、自分で勤務時間帯を調整できるようにしています。
二社目はZomatoです。Zomatoはインドの企業で、グルメサイトの運営などを行っています。Zomatoは一年につき10日分の有給の生理休暇を提供しています(日本では有給の生理休暇は殆ど見られません)。また、セクハラ相談の受付やセクハラ防止対策を行う専門チームとして、セクハラ防止チームを社内に設置しています。
従業員に占める女性の割合が増えている今、女性向けサポートの充実は必須になりつつあります。女性も働きやすい社会を実現するために、女性向けサポートを提供する企業が増えていって欲しいですね!