こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。
会議の終盤、上司から不意に「〇〇さん、今の話を聞いて何か意見ある?」と振られて、焦って言葉を捻り出した経験はありませんか?
「えっと、非常に勉強になりました」
「特にありません。が、この点は良かったと思います」
「提案というより、感想ですが〜〜でした」
特に準備をしていなかったので、言葉がまとまらず焦る。あるいは、苦し紛れにこんな中身のない発言をしてその場をやり過ごす、その後自己嫌悪に陥る。
なぜ、こんなことが起きるのか。
それは、あなたが「会議が始まってから考えようとしているから」です。
仕事がデキるは、基本的に会議中に考えていません。会議室のドアを開ける(あるいはZoomに入室する)前に、自分の発言内容をすでに決めているのです。つまり、会議前に会議が終わっているのです。
会議における「集中」の定義を履き違えるな
多くの人は、会議に参加する際、「しっかり話を聞こう」と意気込みます。
しかし、漠然と「全ての話」に集中しようとすると、脳のメモリはすぐにパンクします。全ての情報を処理しようとするから、いざ意見を求められた時に、何が重要だったのか分からなくなるのです。
ビジネスにおける「集中」とは、集中力そのものを高めることではなく、「ポイントを絞る」ということなのです。会議をうまく回せる人は、会議が始まる前に必ず「今日の自分の役割(ミッション)」を定義しています。
「今日は、議論が散らかった時の『要約係』をやろう」
「今日は、若手目線での『リスク検知係』として参加しよう」
「今日は、後輩の『言語化能力』だけをチェックするフィードバック係に徹しよう」
このように、自分に「役割」を自ら与えて席に着きます。その「役割」に関係ない話は、極論「聞き流していい」ことになるのです。なので、役割を果たせば及第点であり、それ以外のことは「できたらラッキー」という心境で臨んでいるのです。
集中とは入り込む深さではなく、自分の役割を絞り込むこと
後輩の「言語化能力をチェックする」と決めていれば、議論の内容そのものよりも、「今の言葉遣いは適切だったか?」「論理は通っていたか?」という一点にだけ集中すればいい。これなら脳も疲れず、当てられた時に鋭いフィードバックが返せます。
もしあなたの役割が議事録係であれば、議事録をとることに集中すれば良い。しかし、どんな議事録が必要なのかは事前に想定しておくべきであり、わからなければ上司に確認しておく必要がある。そうすることで、みんなに求められている議事録を作ることができる。
決してAIで文字を起こし、意図も価値もない長文の議事録を送ってはいけないのです。
こうやって役割を絞り込むことが、省エネかつ高品質なアウトプットを生む「集中の正体」なのです。
「感想」を求められても、感想を言うな
自分の役割が決まっていれば、無茶振りにも動じなくなります。
例えば、「何か感想ある?」と聞かれたとしましょう。ここで役割を決めていない人は、その言葉通りに受け取り、「自分の心が動いたポイント(感想)」を必死に探してフリーズします。
しかし、役割を決めている人は、質問を勝手に脳内変換します。相手の言葉を額面通りに受け取るわけではなく、自分のミッションを遂行するのです。
- リスク検知係の場合:「(感想と言われたけど、俺はリスク検知係だから)感想というより懸念点ですが、ここのスケジュールに無理がある気がしました」
- 要約係の場合:「(感想はどうでもいいから)本日の議論を整理すると、決定事項はAとBということでお間違いないでしょうか?」
上記の発言は、感想なんて一言も言っていませんが、会議の参加者としては「的確な発言をしている」と評価されるはずです。「感想」という言葉は、単なるパスに過ぎません。そのパスをどうトラップし、どこに蹴り返すかは、あなたの「役割」が決めることなのです。
確かに、「感想はある?」という言葉が飛んできていることは事実ですが、本当にただの感想を求めていることは稀なのです。学生時代、先生に「帰れ!」と言われても帰ってはいけないあれと同じようなものなのです。
「サンドイッチ話法」という無駄
役割が決まっていない人が陥りがちなのが、「とりあえず褒める」という悪手です。 いきなり改善点を言うと気まずいから、「まずは良かった点を挙げて、その後に改善点を言う」という、いわゆるサンドイッチ話法を使おうとします。
しかし、ビジネスの現場で、特にスピードが求められる会議において、お世辞や形式的な「良かった点」はノイズでしかありません。
「〇〇さんの資料、とても見やすくて勉強になりました。ただ、一点だけ……」
この前半部分、本当に必要でしょうか?
質の高い会話をしている会議では、できるだけ無駄を省いて会話する
もしあなたが「鬼の編集者」という役割で参加しているなら、褒め言葉など捨てて、「ここの論理が破綻しています」と一刀両断するのが正解です。「気まずいから褒める」というのは、役割を全うしているのではなく、ただの「保身」です。自分の役割が明確であれば、余計な前置きを省略する勇気も持てるはずです。
「席に座る」のが仕事ではない
一番ダメなのは、「とりあえず出席すること」が仕事だと思っている人です。 役割を持たずにボケーっと参加しているから、話の内容が右から左へ流れ、急に話を振られた時に「何か言わなきゃ」と焦り、どうでもいいお世辞や、的外れな感想を言ってしまうのです。
会議に参加するなら、たとえ末席のペーペーであっても「何かしらの役」を自分に与えてください。「今日のMTGは雰囲気作りが大事だから、最初の挨拶とアイスブレイクで雰囲気を盛り上げる役に徹する」でも良いのです。意外にそういう立ち回りをしてくれるのは、上司にとって有り難かったりします。
周りの顔ぶれを見て、自分がどう立ち振る舞えばバリューがあるのか、慣れるまでは必ず事前に決めておきましょう。
長年疑問であったであろう「あの人はなぜ、急に話を振られても即答できるのか?」は、彼らが頭の回転が速いからではありません。 入室前の10秒で「自分は何者として振る舞うか」を決めて、答えをすでに用意しているからに過ぎないのです。
会議は準備が全て。話す内容と自分に与える役割をイメージしてから臨んてみてください!