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IT×日本型教育で世界の教育格差に挑む!(海外事業レポvol.1)

株式会社すららネットでは、2014年からいち早く海外でも事業展開を開始し、政府機関・現地法人・NPOなどと協働しながら、新興国での教育に関する課題解決に努めています。社会貢献とビジネスの両立において、ハードな調整が求められる側面もある海外事業推進室の取り組み。その一端をご紹介します。

どんな国で展開しているの?

すららネットにおける、海外現地の子ども向けの事業は、アジアを中心に新興国で展開を行っています。スリランカはもっとも早く、2014年からJICAのプロジェクトとしてBOP(Base of Pyramid:低所得者層)向け実証事業をスタートし、「Surala JUKU」として複数の算数教室を展開※。JICAのプロジェクト終了後も事業化しています。またインドネシアも2015年からJICAプロジェクトとして小学校での導入を開始、プロジェクト終了後も事業化して継続しています。フィリピンでは2017年から東大・一橋大の教育プロジェクトに参加し、2020年からの事業化後は、オンライン塾や私立学校で展開しています。そのほか、エジプトではJICA案件化調査プロジェクト、ミャンマーでも経産省のパイロット活動に提供を行うなど、展開する国はどんどん広がっています。

現在、新型コロナによる休校がどの国でも長引き、当社海外メンバーの活動も制限されている状況ですが、家庭学習の導入やオンラインコンテストの開催など、できる活動を地道に継続しています。

※スリランカでは、「先生はパソコン」というeラーニングのメリットを生かし、現地の教育経験のない女性を塾運営を支える「ファシリテーター」として雇用しています。女性雇用創出の文脈でも活動が評価され、「SDGsビジネスアワード2017・スケールアウト賞」を受賞しました。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000003287.html

算数の基礎力+「自律」を促す習慣の定着をめざす

海外事業では、現地語(スリランカのシンハラ語、インドネシア語、英語)で作られた、算数の基礎教育に特化したオリジナル教材を展開しています(Surala Ninja!)。算数の力は、将来働くうえでも、生きていくうえでも非常に重要な力なのですが、一度の小さなつまずきから、どんどん学力差が広がってしまいやすい科目でもあります。日本でも学力低下が叫ばれて久しいですが、ちょっとしたお釣りの計算などを、誰もが暗算でできるというのは、実はレベルが高いことです。新興国においては、教育環境や教員のレベルなど、様々な要因が絡まって、学力の全体的な底上げが難しい状況があります。


Surala Ninja!は、数を数えるところから、四則計算ができるようになるところまでを、超スモールステップで学習できるコンテンツになっている。これは数の分解・合成を繰り返す単元で、くり上がり・くり下がりの計算をマスターするのに重要な概念。言語はスリランカの現地語であるシンハラ語。


日本以上に、「アニメーション」「ゲーミフィケーション」に夢中になる子どもたち。全問正解で金メダルが表示されると、ガッツポーズをして喜ぶ子も!

算数の「学力」のほかに、もう一つ、すららネットが海外事業展開するにおいて、重視していることに「自律学習の習慣の養成」があります。新興国の学校の授業を覗くと、先生が説明していても、おしゃべりをする、立ち歩くといった子どもたちの様子をよく見かけます。「Surala Ninja!」を使った授業を行う際には、「手を洗う」「授業の前後に起立して挨拶をする」「自分たちでプリントファイルを配り、しまう」といった習慣もセットで伝え、「けじめ」をつけて学習に向かう姿勢を養っています。こういった習慣は日本の学校では当たり前のことですが、実は自律して学ぶ子どもを育てるうえで、非常に大切なことなのです。

国境を超えた「すらら仲間」と刺激をしあう子どもたち

2021年12月1日~22年1月31日まで、「第18回すららカップ」というイベントを開催しています。「すららカップ」はこれまで、日本国内の「すらら」学習者が学習時間の長さなどを競うイベントでしたが、第18回から初めて海外で「Surala Ninja!」を学ぶ子どもたちも参加者に加わりました。子どもたちが「すららカップ」への意気込みを投稿している「Learner's voice」には、日本の子どもたちに混じり、スリランカ、インドネシアなどからの子どもたちの投稿も掲載されています。国境を超え、同じ「すらら」仲間の存在を感じながら学習できるのは楽しいですね!将来的には、国内外の受講生の交流も図れたらと思っています。

すららネットの海外事業の取り組みは、一度ではとても伝えきれません。これからも、継続的に各国の子どもたちの様子や活動事例などをご紹介していきたいと思います。より詳しく海外事業について知りたい方は、JICAとのプロジェクトのレポートなどもぜひご覧ください。

2016年:スリランカ報告書:https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/12265005.pdf

2017年:インドネシア報告書:https://openjicareport.jica.go.jp/pdf/12301180.pdf

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