“Objections are opportunities.”
人からあれこれ言われたときに、私が思い出す言葉です。
メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手も、ピッチャーとバッターの二刀流に挑んだ当初は、さまざまな批判を受けていました。
「どちらかに決めないと中途半端で終わる」 「プロをなめるな」 「ケガのリスクを考えればどちらかに絞るべきだ」
といった趣旨の声です。
当初、大谷選手の二刀流に懐疑的な意見を述べていた一人に、張本勲さんがいました。
当初は「喝!」を交えながら厳しい見方を示していましたが、後年、大谷翔平選手が「50本塁打・50盗塁」を達成した際には、「大あっぱれですよ」と、その活躍を称賛していました。厳しい見方を持ちながらも、結果を率直に評価する張本さんらしいエピソードです。
大谷選手はまさに、Objections(異論や批判)を Opportunities(機会)に変えた好例だと思います。
私は新入社員への祝辞で、「壁をつくらないでください」という話をします。
「無理だ」 「できない」
そんな言葉に惑わされず、自ら限界を決める壁をつくらずに挑戦し、ブレークスルーしてほしい。そんな期待を込めています。
では、そのためにはどうしたらよいのか。
自身の経験も踏まえて考えてみると、次のようなことが大切なのではないかと思います。
1. 過去の成功例や前例にとらわれすぎず、ゼロベースで考え、まず実行してみる
2. 「○○がないからできない」という“because”の発想ではなく、「○○があればできる」 という4W1Hの発想で考え、行動する(#14「SAY YES」参照)
3. イチかゼロかで考えるのではなく、イチに近づくためにできることから始める
4. ネガティブな意見(Objections)に対しても、「こうするから大丈夫」という具体的な行動案を持つ
5. 複数の選択肢(Options)を持つ(#01「Options」参照)
そして何より重要なのは、それらを楽しみながら挑戦することだと思います。
以前のコラム「#13 批評家はいらない」では、次のように書きました。
「社長に就任して4年。幾度となく耳に入る批判がありました。その批評に惑わされず、信じた道を進み、ロジカルな対応を心がけ、結果を残してきたと自負しています。走り続けていると、止まっているものが目に入らなくなり、ポジティブになれる。困難や悔しさもありましたが、振り返れば必要な経験でした。」
そして、こうした考え方を実践しながら挑戦を続けてきた結果、テレビCMなどのメディア活用による知名度向上や、キヤノングループ以外への事業展開など、これまで当社が実現できなかったことが次々と形になってきました。
おかげさまで、今では業界内外から当社の取り組みに注目していただく機会も増えました。
(「#33: “勝ち組”評価に甘んじず、次の勝負へ(上)」「#34: “勝ち組”評価に甘んじず、次の勝負へ(下)」参照)
しかし、私たちはまだ道半ばです。
数年後、今では想像できないような会社に当社はなっているかもしれません。
そして、このコラムを読んでいる皆さん自身も、今は想像できないほど成長しているかもしれません。
挑戦の先にある限界は、いったいどこなのだろうか。その答えを探す旅を、これからも皆さんと一緒に続けていきたい。
昨年9月11日にWantedlyで社長コラムの連載を始めてから、ちょうど1年が経ちました。そして今回が記念すべき第50号です。
第1号は「Options」というタイトルで、次のように書き始めました。
「本日より、社長コラムをWantedlyにて連載させていただくことになりました。
このコラムはもともと、毎月の初営業日に社内向けに発信しているもので、ありがたいことに社員からも好評をいただいております。公開後1時間ほどで200ページビューを超えることもあり、社員との会話のきっかけにもなっています。
当初は、社員に私の考えや想いを伝えることを目的に始めたのですが、今回、より多くの方に当社の雰囲気や価値観を知っていただきたいと思い、社外向けに内容を調整したうえで公開することにいたしました。ぜひご一読いただき、当社の空気感を感じていただければ幸いです」
当初、毎週の連載を続けることは簡単ではないと思っていました。しかし、当社をより多くの方に知っていただくための挑戦だと考え、この一年間続けてきました。
一つの区切りとして、当初掲げていた目的は一定程度達成できたのではないかと感じています。
そこで、この50号を節目として毎週の連載は終了し、今後は新たな形でコラムをお届けしていきます。
もちろん、挑戦をやめるわけではありません。
次回からは内容をさらに充実させ、毎月15日に公開いたします。
これからも皆さまと共に挑戦を続けながら、当社の成長と変化を発信していきたいと思います。
引き続き、よろしくお願いいたします。
※次号は10月15日(木)リリース予定です。