採用したい人物像を言語化してみる
「子育てママで、パソコン仕事も接客も経験ありません」
3年半前、提携先の方から紹介してもらった求職者の方でした。
「税理士事務所だから簿記2級持っていれば働けると思った」
が理由でした。
今はもちろん、当時から採用でうちが求める人物像ではなかったのでお断りしましたが、これは紹介してくださった方が悪いわけではなく、うちがきちんと採用したい人を言語化していないからこそ起きたことだったと認識しています。
でも、うちは単なる税理士事務所ではないからこそ、求める人物像も世にイメージされる税理士事務所のそれではないため、きちんと言語化しないと採用のミスマッチが生じてしまう。
だからこそ、今回はこれをきちんと言語化したいと思います。
ステラリンクスグループという組織
私たちは税理士事務所でありながら、コンサル会社を併設しており、「中小企業の業績向上を通じて、日本の社会・経済を良くしたい」と思って支援をしています。
そのため、税務顧問はしますが、それ以上に経営コンサルティングに主な比重が寄ります。
また、別の記事でまとめますが「単純作業は機械化・自動化・外注し、内部のメンバーは付加価値業務になるべく注力する」という方針です。
そのため、よく税理士事務所でイメージされる「パソコンで入力作業」とか「人と話さず黙々」とはかけ離れた環境です。
私たちはむしろベンチャー企業、コンサル会社に組織風土が近いことが特徴です。
過去にあった認識違いやうちに合わない人の例
だからこそ、「簿記の知識を使って経理がしたい」と言う方はそもそも入力業務が少ない(更に今後も可能な限りゼロに減らしていく)ので、仕事がありません。
次に「税理士試験や税務の知識を活かして、税務の専門職として活躍したい」と言う方はそれ以外の業務(コンサル)の比重が大きいので、やりたいことと異なる可能性が非常に高いです。
また、自己改革・成長度合いに対して高いコミットメントを求めますので、「在宅勤務・フレックスだからプライベートを充実させられそう」と言う方には厳しい職場に映ってしまうと思います。
私たちが採用したい人
私たちが一緒に成長する仲間(メンバー)として考えているのは以下のような人です。
①自己改革意欲、成長意欲の高い人
非常に高いレベルのスキルを求められますし、それを持続的に成長させ続けることを求めます。
だけど、入社時点で完璧である必要はなく、全てのメンバーが「自分の課題」を感じながら入社してきます。
それを入社以後に、改善・向上させ続けることを永遠に求められます。
だからこそ、入社時点や現時点でどれだけすごいか?ではなく、今よりどれだけ成長し続けられるか?が重要になります。
そのため、人事評価も「昨年からどれだけ成長できたか?」が評価されます。
そのため、入社時点ではスキルが高くてもそこから成長できない人の方が評価が相対的に低くなります。
それを成すためには今の自分で満足せず絶えず自分を改革し、成長させ続けられる人であることが重要になります。
これを楽しいと思える人はとても向いていると思います。
②チャレンジスピリットのある人
なかなか税務とコンサルを両方経験している人はいません。
加えるならうちは毎年新しいビジネスを増やしていますし、今後も増やし続けていきます。
これはお客様の多様化するニーズや時代の変化に加え、お客様の成長フェーズに応じてサポートを変えていかなければいけない点から、私たちも出来ること・やることを増やし・変え続けなければお客様の最善のサポートはできないと考えているからです。
そのため、「常に新しいこと」にチャレンジする必要がでてきます。
これを各個人が対応して、新しいサービス・事業の立ち上げにチャレンジしていく必要があります。
これを「前と違うことをやりたくない」と思わず、好奇心旺盛にチャレンジしていくチャレンジスピリットを大切にしてほしいと思っています。
また、うちもまだまだ創業期なので、新しいポジションや役割は増えていきます。それにどんどんチャレンジしていってほしいと思っています。
③矢印を自分に向けられる人(自分に引き寄せて考えられる人)
他責で考えれば、悪いものって色々あると思います。
時代が悪い、政府が悪い、会社が悪い、上司が悪い、お客様が悪い、同僚が悪い、部下が悪い…
でも、それを言ったら何かが良くなったりするのでしょうか?
そう考える先に、自分の成長ってあるんでしょうか?
置かれている状況、関わる人の中で、自分ができること、自分が改善すべきことを考えられる人はどのような環境でも成長し続けることができます。
逆を言えば、これが出来ない人は出来ないことを、自分じゃない何かに転嫁するので、改善がありません。
なので、自分に矢印を向け、自責化・自分事化して考えていける人であってほしいと思っています。
④「私たちはどうあるべきか?」を問い続けられる人
どんなビジネスをするのか?
どんなお客様とお付き合いするのか?
どんな人を採用するのか?
どんなスキルを身に付けるべきか?
を考える際、私たちは常に経営理念である「お客様の事業発展を通じて社会と経済に貢献する」に帰ってきます。
この理念から考えた際に、今起こっている問題にどう対処すべきか、どんな価値を生み出すべきかが明確になります。
ちょうど今日採用の面接で「大企業をお客様にする構想はあるか?」と問われました。
もちろんナシではないですが、その方の想定でいうところの「ミスせず淡々と処理を確認する」ことが「お客様の成長発展に通じているか?」を問うとそういう要素は薄いので、「理念から考えると積極的に関わりたい案件ではない」という回答を差し上げました。
対して、これが上場準備段階で「税務処理・会計処理に課題があり、より効率化したい」というニーズがあるなら話は変わってきます。
そこが改善すると企業価値はもちろん、業務効率化や経営のPDCAスピードが上がりますから「お客様の事業発展に通じる」と言えます。
このように単に「儲かるから」「収益になるから」「やりたいから」ではなく、うちの理念に照らしたときにやるべきかどうかが導かれるので、それを元に「私たちはどう判断すべきか?」を考えらえられる人であってほしいと思っています。
うちは社内でもよくこの理念からの考え方を教育する場面があります。
理念の浸透には時間がかかるものなので、入社時点すぐすぐとは言いませんが、できるようになっていってほしいものです。
⑤できる思考で考えられる人
限られた経営リソースの中ではできることばかりではありません。
しかし、やり方・考え方を変えたらできるようになる場合や、出来る方向に進む場合があります。
だから「(現時点では)できません」で終わらせずに「どうやったらできるか?」を考える「できる思考」が自社の経営においても、自己の成長においても、そしてお客様の経営改善においても重要になります。
だから、できないことがあったときに「どうやったらできるか?」を自問できる人であってほしいです。
⑥お客様とお客様の会社を愛せる人
様々なお客様の事例に触れるとつい「何となく」分かっている風な「評論家」になりがちです。
「この会社はこれだから上手くいかない」「この社長、また変なことやってる」という会社の批判批評が事務所内で行われる姿はこの業界では決して珍しい光景ではありません。
しかし、私たちは「中小企業の成長発展を通じて日本を良くしたい」と本気で願う中小企業の伴走者集団です。
お客様を愛し、お客様の事業を愛し、お客様の成功を願い、寄り添うことが求められます。
だれも、外から他人事のように頑張るチャレンジャー(お客様)を笑うことがあってはいけません。
だから、私たちは自分や自分の家族を愛するように、組織とメンバー、そしてお客様を愛してほしいと願っています。
そういう人と一緒にお客様の手を取ってほしいと思います。
成長できる人が輝ける組織でありたい
ここまでうちの求める人物像を書いてきましたが、全ての要素がうちの目指す「持続的に成長し続ける人・組織」のために必要な要素です。
短期的に成果を出すとか、一過性の成長をするなどであればそこまで難しいことではありません。
しかし、私たちは日本という国が100年先に輝く国になっているように100年間成長し続けることを目指しています。
だから、外的環境、法律、風潮、世代が変わってもそのときどきの社会に順応し続け、成長し続ける必要があり、それができる人の集合体でありたいと思っています。
だからこの理念に共感し、共に成長できる人と一緒に働きたいと思っています。