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特別座談会CROSS TALK #1 『IMOMの現在と未来』

若山純:取締役。現在TPM上場に向けて、管理関係を管掌し、内部統制などを先頭に立ち準備中。

伊藤展明:人事本部長、就労支援事業部長。採用と教育、事業部の収益拡大に向けて邁進中。

鰻渕勇斗:事業開発室室長。学生起業した法人を現在も経営しつつも事業戦略の面からIMOMでも活躍中。

 本日は、取締役の若山純さんと過去最高の売上を叩き出した就労支援事業部の事業開発室室長である鰻渕勇斗さんに来ていただき、ざっくばらんに語っていただきました。少しでもIMOMの事を知っていただければ幸いです。私、人事本部長伊藤が担当します。

素直に受け止めてくれるとか、あとは人のせいにしない。そういう人たちばかり集まっているから前を向きやすい。

伊藤:さっそくですが、まずお二人に語っていただきたいのはIMOMの良いところ。では若山さんからお願いします。

若山:そうですね。。。良いところ。よく言われるというか、よく話題として出るのはいろんなことが経験できるってのはあります。

伊藤:それは確かにありますね。

若山:会社自体を大きくしていこうとしている中で、気持ちと言いますか、上昇しようっていう気持ちがあるっていうのは凄くいいところなんじゃないかなっていう風には思います。まだ組織として成熟していない部分もあるけれども、その部分はデメリットかもしれないけど、だから故に色んな事が手をあげれば取り組むことができて。

伊藤:たしかに飲食にまつわる戦略的な事、オペレーションの向上や技術研鑽、コンサル事業も始めてビジネスモデル化しようとする動きもあれば、福祉の場合だとパイプライン要素もあるし、プラットフォーム化も目指せる。もっと言うと営業戦略を構築したり、コンプライアンス視点から横断的な動きをしたり、障害に対しての専門性を思う存分高めたり、成長途中だからこそできることも多いですよね。鰻渕さんはどうですか?

鰻渕:そうですね。人。ですかね。バッグボーンに多様性がすごくあるなって思ってます。年齢的なものもそうですし、前職の職種とか、バックボーンがいろんな方がいらっしゃるんでアイデアが湧きやすい部分が1つと、皆さん優秀な方ばかりっていうのもあります。あとは何より素直な人が多い。

伊藤:そこ幸せですよね。

鰻渕:何か1つの出来事があったとして、もしかしたら裏で言っているかもしれないんですけど(笑)、素直に受け止めてくれるとか、あとは人のせいにしない。そういう人たちばかり集まっているから前を向きやすい。結果としてスピード感を持って進めていけてるのはそういう土台があるんじゃないかって思ってます。

伊藤:打ち合わせなんかでも、それぞれが前を向いているなってビンビンに感じます。あとみんな優しい。ありがたいなっていうか恵まれたなっていうのはありますね。

たとえ転職するにしても、自分の人生がすごく前向きになったなって思える人が増えていくと嬉しいなって思っています。

伊藤:今、僕たちそれぞれが事業開発やマーケティング、セキュリティ、コーポレート、財務、人事、事業部みたいな感じで何足もの草鞋を履いてますけど、これからIMOMをどうしていきたいかみたいな話を聞かせてもらっていいですか。お二人と一緒に働いていて思うのが、自分の成長軸と会社の成長軸を分けて考えていないじゃないですか?

若山、鰻渕:はい(笑)

伊藤:なので自分の人生的な部分でもいいですよ?答えにくいですかね?(笑)まずは会社からお願いします。

若山:(笑)そうですね。せっかくこうやって一緒に色んな方と一緒に働けていて、IMOMに入って良かったなって思える会社、こういう組織になってよかったなって思ってもらえる。そこは本当に強く思っています。

これはもしかしたら僕の押しつけになっちゃうかもしれないんですけど、会社が大きくなるにつれて多分今までやってこなかったような仕事だったり、考えてこなかったようなものが増えてきて価値観や視野がもっと広がっていくんじゃないかという風に思っています。その時にたとえ転職するにしても、自分の人生がすごく前向きになったなって思える人が増えていくと嬉しいなって思っています。先程の鰻渕さんの『人』がいいよねっていう話につながるんですけど、今IMOMに居てくれる方、これから入って来る方の人生がより好転できるような会社、組織になっているといいんじゃないかなって思ってます。

伊藤:鰻渕さんはどうですか?

鰻渕:これ、採用的な話じゃなくていいんですか?

伊藤:全然いいです。

鰻渕:DX化を。はい。もっと広めたいなと。なんかもう今、バラバラのツールを使っていてまずは一貫したシステムを使って効率化させることによって、主に就労の方なんですけど、要はもっとコワーカーの支援に力を割けるように環境を構築したいって思いますね。

あとは、後程話すかもしれないんですけど、知名度的な部分。やっぱりこうイケてるスタートアップというか、これだけいい組織なのに世間に知られていないっていうのは一つの欠点だと思うので。そこを埋めていくような施策は上場までにはしなくちゃいけないと思ってます。

伊藤:一見するとITと障害福祉って関連性がないように見えるけれども、現状でもこれだけDX化が進んでいるのは本当に鰻渕さんのおかげだなって思っていて、福祉感のある人たちのことを理解しようとしながらITの知見から関わってくれるっていうのは凄く貴重なことだと思いますね。

知名度的な話で言うと、若山さんに聞きたいのが、戦略的な部分でぜひとも頭の中を吐き出してもらっていいですか。

若山:今IMOMの事業が就労支援事業と飲食事業っていう両輪で走っているかたちだと思っているんですけど、飲食事業であるっていうのが代表も話しているとおり、たまたま飲食事業であったっていう背景があるんですよね。就労支援事業が基盤としてあって、専門性かつ継続性があるような事業を傍らで運営することがより就労支援に付加価値をつけると捉えています。それを前提とすると、飲食に代わってもよい事業ですね。事業の多角化を進めていくって話になるんですけども、株価への反映のされかたっていうのも同じ事ばかりやっていても右肩下がりになってしまうので。例えばITと福祉を連携させるとか、新しい事業を今のうちから持っておく必要があるのかなって思います。それによって企業価値を高められるじゃないかと思っています。

伊藤:パラAIのことですかね。ITの話が出ましたけど鰻渕さんはどうですか。

鰻渕:ビジネスモデルの検証をしていないのでなんとも言えない部分もあるんですけど、やっぱりプラットフォーム化。そこは一つあるかなって思います。プラットフォームというかSaaSですかね。IMOMの財産化されているところを社外に売り出すということなので就労継続支援B型っていう部分でいうと土台が一緒になっちゃうんでデメリットはあるんですけど、それでもなお、B型の業界自体の基盤に割り込んでいきたいなと。割り込んでいって既存参入者から土台を勝ち取るっていうところが、上場や企業価値を上げるっていうところにつながるんじゃないかなと。もしも法改正があってB型が大打撃を受けたとしても保険もかけられるなと

伊藤:お二人の話を聞いていると、IMOMの今のビジネスモデルが基本としてあるけれども、そこから多角化していくことが増収につながるだけでなくリスクヘッジになっていると、IMOMで働いている人たちにとってもより高い価値を還元できることにつながるなと思いました。

そこで、そうなるために現状では何が課題だと思われますか?僕はよくリソースが足りねえって言っちゃってますけど(笑)

対外的な要因に課題があるとかじゃなくて、内側の現戦力で解決できるっていう確信を役員が持っている

若山:ちょっと前提をくつがえしちゃうかもしれないんですけど、時間の問題かなと思っています。それこそ冒頭に鰻渕さんの会社の良いところの質問で、あっ、良いこと言うなって思ったんですけど(笑)本当にその通りだなと思っていて、本当に素直な方が多いですし、色々なバックボーンの方がいるっていうのは本当に会社の強みだと思っていて、先程自分が言った新しい事業だったりとか、ITもそうですけど、同じ分野の人達ばかり固まってしまうとそういった発想というか事業の変遷がすごく難しいのかなって思うんですよ。もちろんスペシャリストたちが研鑽を積んでいくメリットもあると思うんですよ?ただ今進むべき方向性に対して、今いる人材っていうのは既にすごく揃っていると言いますか、方向性として間違ってないなという風に考えていて、なので時間の問題なのかなっていうのは大前提ありますね。

延長線上での課題感って意味では、多用性のある人たちが揃っているのでよりアイデアや施策が生み出せやすい組織っていうのは人事本部長の伊藤さんと考えてはいるんですけど管理運営との綱引きになってなかなか難しい。常に改善をし続ける必要があるなって思います。自然発生的に発想や意見が出てくるといいなって思っています。直近の会社の状況でいうと月に2人から3人の人が増えている状況の中で、まずは組織やIMOMの文化に慣れるところから始まるので、皆さんの経験や知見を活かしてディスカッションできるような機会が早く増えてくるといいなって思ってます。あとは先程伊藤さんの言われたリソース不足ですかね(笑)

伊藤:今の話を聞いて素晴らしいなと思ったのは、若山さんが今会社にいる人間を頼もしく思えているだけじゃなくて、未来に対しての課題感を質問しているのに、対外的な要因に課題があるとかじゃなくて、内側の現戦力で解決できるっていう確信を役員が持っていることが大きいなと。さらに言うなら、今いてくれている人たちをもっと活かす事こそがが課題なんだと。それってある意味で凄くやりがいにつながるんじゃないかと思いますね。

鰻渕:僕もそうですね。2点あって、1つはさっきの若山さんの話にのっかるようなかたちになっちゃうんですけど、僕視点でいうとプロジェクトを回せる人の少なさっていうのがありますね。やっぱりプレーヤーとして例えば営業に行ったりとか、支援したりとかコーヒー淹れたりとかそういった部分のスキルを持っている方ってたくさんいらっしゃって、要は1人1人の能力は高いと思うんですけどプロジェクトを管理したり回していくっていう人が少ないなと。経験とか成功体験とかそういった部分が少ないので、新規事業をやるっていってもリーダーが1人いればいいわけではなくてそれぞれのプロジェクトやチームが機能するためには人材が必要なので。教育だったりとか。

あとは事業規模ですかね、まだ余裕があるわけじゃないですか、もっと拡大していって利益が増えてきたタイミングでしかできないこともかなり多いなと思ってます。

伊藤:就労で水平展開していってキャッシュエンジンが大きくなって安定性が出てくると、もっとやりたい事、できる事が増えますよね。今は若山さんがよくいうジャンプするためにしゃがんでいる状態ですもんね。

若山:ですね。

伊藤:僕も管理職層の育成も課題の1つだと思っていて、グッドプレーヤーだけでは勝てない。良い監督やコーチがいないと。シーズン中の戦い方、チーム戦術とかを構築し続けないと。あとは適材適所の考え方ですかね。4番でエースばかり揃えてもチームは勝てないわけなので、やっぱり役割分担。もうひとつ言うと理念の浸透ですかね。社長がいくら社内外に対して発信しても、管理職層が同じ理解で伝えていかないとやっぱり伝わらない。もしくは間違った解釈が生まれてしまうので。でも結構いまのメンバーだったらここをこう伸ばしていけば大丈夫だなっていうのは何となく見えてはいるんですよね。僕の勘違いかもしれないけど(笑)なのでいま先程の問題点に関しては悲観的には捉えてないですね。

ちなみにお二人が課題を克服したり、夢とか目標にむかうモチベーションというか原動力ってなんですか?

自分の好きな事とかやりたい事が全力でできている自分がいるんですよね。

若山:僕はあんまりモチベーションっていうのは無いかもしれないです。そもそもっていうところで。もうやらざるを得ないからやっているというか習慣になっているというか。だから親に感謝しているんですけれども、幼少期から何か難しい課題とか壁にぶち当たるタイミングっていうのは多くあったのかなとは思っていて、それを乗り越えてきた回数があって、それが連続的に続いているっていう感じですかね。回答になってないかもしれないですけど。

伊藤:じゃあ、仮に過去に乗り越えられなかった事、失敗や挫折みたいなものがあったとしたら、そこをどう乗り越えられたのか、もしくはどう今に至っているのかっていう部分を聞いてもいいですか。

若山:凄く昔なんですけど18歳の時、大学1年生の時ですね。公認会計士の勉強を始めたんですよ。きっかけは大学の合格点数が最下位だったっていうところなんですけど。それまでドベになったことが無くてですね。自分で決めたことはずっとやり続けてきましたし、例えばサッカーは幼稚園から高校までずっとやったりとか。1回自分で決めた事に対して投げ出すってことをしなかったんですよ。自分に自信があったので。だけど最下位だった。これはまずいんじゃないかということで、当時ちょうど簿記の授業をやってくれた大学の先生から公認会計士がいいんだぞという風に言われて、その時は何も考えずにじゃあ公認会計士の勉強をしようというところで、18歳のもう本当に4月下旬くらいですかね。みんなまだ大学受かって浮かれている最中に塾に申し込みをするっていうところから始まるんですけど、そこから昼は大学に通いつつ、週5で夜に塾に通うっていう生活を2年生の9月くらいまでずっとやり続けていたんですけど、短答式試験っていうのがあるんですけど、その試験を受ける前に結局やめてしまうんですね。受験勉強を。理由はなんて言ったらいいですかね、もう全く身に入らなかったというか、集中できなかったというか、本当にこのままでいいのかなって考えたんですね。今思えば、そもそもの始まり方、自分はどうなりたいのかっていう感覚みたいなものが薄かったんですよね。それが一番の挫折でしたね。その挫折をどう乗り越えたのかなんですけど、すみません、長くなっちゃってるんですけど、当時結構悩んでいたので、とは言え3日間くらいなんですけど(笑)そこは脚色してください(笑)でも本当に1人で名駅で泣いちゃうくらいだったんで。当時は自分がもの凄く嫌いだったんですね。その時に色んな大人に相談した結果、旅に出るといいぞと。時間があるんだからと言われて。大学生の9月ってまだ夏休みで、その時間全部使って1人で西日本を一周するっていうことをやりました。たまたま実家に一眼レフがあったので、父親が自分の幼稚園の時に写真を取るために買ってからずっと埃被ってて。旅先でご飯屋さんに入って誰かがしゃべりかけてくれたりとかコンビニやガソリンスタンドのスタッフが。こっちだとべつにコミュニケーション取らないじゃないですか。たとえば島根県でめちゃくちゃ喋ってくれて。岐阜ナンバーだからかなって(笑)。なんか今まであまり感じてこなかったような広がり方というか、自分の価値観や経験が広がっていく感覚があって。自分の人生を俯瞰して見たり、もっと自分の好きな事ややりたい事に生きた方が気持ちが楽しい。今の会社のビジョンにつながるんですけど、自分らしさを発揮できる場所を作るってまさにそれなんだな思っていて。自分で決めたことはやり続けたい人間なんで。ちなみにそこからプロのカメラマンに弟子入りさせてもらって結婚式の動画撮影だったり、NHKの大河ドラマの撮影にも入ったことが実はあるんです。会計士の勉強をして自分のキャリアを見つめ直すきっかけになったのですごく良かったって思ってます。

伊藤:ありがとうございます。目標の確度が低い状態から始めてしまって宙ぶらりんになって、いったんリセットできたというか、旅に出て視界や視野が広がったと。そこで聞くんですけど、当時の会計士を目指していた若山さんと、今のIMOMの目標に向かっている若山さんとの違いってなんですか?

若山:これ明確にあるんですけど、今こうやって会社を運営させてもらっていて、自分の好きな事とかやりたい事が全力でできている自分がいるんですよね。理念にも通じる部分があるんじゃないかなって思うんですけど、世の中や周りの目とかを気にせずに自分の人生を好きなように生きている人が増えたらもっと面白い世の中になるんじゃないかな。実際に自分もちょっとアブノーマルな生き方をしているので、会計士の時はどちらかというと周りと比較して自分がドベだったとか、それこそいい資格を取ってキャリアを積んでいった方がいいとか、一般的にはそうだと思うんですよ。それが悪いとかじゃなくて、そういうことに惑わされるんじゃなくて、自分の本当にやりたい事に全力で取り組むっていいなって思える人が増えるといいなって思ってて、じゃあ実際にIMOMってどうなのって話なんですけど、今掲げているのもまさにそこで、誰もが生きやすい寛容な社会を作るって、みんなに優しくしようねって社会じゃなくて、それぞれがいろんな役割や能力がある中でそれぞれが頑張ることでかえって相手に寛容になれることを目指しているので、本当にそこは自分の思いと通じているといいますか、まとめると、当時の自分は周りの評価だったりとか、見え方っていうのを気にして公認会計士を始めてみたと、でも上手くいかなかった。自分の本当にやりたい事に邁進してる人が増えたらいいなってすごく思っています。


結局、そのチームが空中分解したというか、その時に組織の重要性とか自分のリーダーシップの無さを痛感した

伊藤:いやあ、いい話聞けましたね。鰻渕さんはどうですか?

鰻渕:ずっと考えながら聞いてたんですけど、逆にみんな1つモチベあるって凄いなって思う側で。何かこういうことがあったからこういうモチベーションで来ましたっているよりかは、いろんなことが積み重なって今も少しずつ続けているっているっていう。

伊藤:じゃあ原動力って考えるより、どんな気持ちが強いですか。

鰻渕:そうですね、時系列にさかのぼると一番は反抗心ですかね。多分他人よりもだいぶ反抗心が強くて。親に対してもそうですし、ある意味社会に対しての反抗心。だからってバンドやってるわけじゃないんですけど

若山、伊藤:(笑)

鰻渕:例えば教師が言っていることはいつも正しい事を言っているのかなみたいな。でも、なんだろうな、最初はただ反抗心、反抗期が続いてたんですけど、反抗心って結局自己主張というか、自分を形作るためにやってることにだんだんと気づき始めまして。結局一般的な道は生きられないなと分かったというか、生きるのが苦手というか。例えばサラリーマンになってそのまま生涯を生きる。もう絶対無理だと思って。そこからガンって道を外れちゃったら、戻るとか考えようがないというか、モチベーションとか関係なくとにかく突き進むしかない生き方って感じですかね。あとはこれちょっと変な話なんですけど、自分は何か世界に爪痕を残すために生まれてきたんじゃないかと。

若山:中二病っすね

鰻渕:例えば、人類にとって自分がすごいきっかけを作るんじゃないかっていう

伊藤:中二病っすね

鰻渕:その謎の中二病感がずっと脳裏に詰まってまして。そのためには自分のスキルだったり能力的な部分が欠けていたら良くないなと。それも漠然と、ロードマップを描いてやっているわけではないんですけど、とにかくレベルアップ。レベル上げですね。ひたすらやって、その然るべきタイミングで全てが揃っている状態にしたいなと。

伊藤:今の話を聞いていて、結構人生ってそんなもんなのかなって。誰しもがやりたい事が明確に分かっているわけじゃないし、ある時もあればない時もあるしっていう。でも最初に鰻渕さんが、この会社にはいい人が多いって言ってじゃないですか。それって周囲のことじゃないですか、自分軸じゃなくて。本当に自分のやりたい事だけやっていればって、なんていうか、それだけじゃなくて、鰻さん優しいじゃないですか。忖度もしてくれるし、気を遣ってプロジェクトとか、ご自身でも色々抱えている中で、管掌下の人達のことを考えながら、かつ論理的に目標達成に向かわせるようにいつも動いていると思うんですよね。その軸になれたのって何かきっかけがあるんですか?自分軸以外のものを持てたっていう。

鰻渕:そうですね。1つ。自分の会社の方で有機野菜を売買するオンラインプラットフォームを始めた時に、その当時僕起業して2年目くらいだったんですけど、大人を入れずに大学生だけでやるっていう、今考えるとちょっと無謀なチャレンジをしようとしていて(笑)しかもプラットフォームなんですよね。5人くらい集まって回してみたんですけど、結局、そのチームが空中分解したというか、その時に組織の重要性とか自分のリーダーシップの無さを痛感したというか。もうちょっと相手の事情を考えつつもプロジェクトを回すにはどうすればいいのかみたいなところはそこで芽生えたのが大きいですかね。多分きっかけですかね、その前はもうツンツンしてました。自分の腕っぷしだけで成り上がってやろう。そんなレベルだったんですけど、そこがきっかけで。

伊藤:丸くなった気がしてましたよ。最初に会った頃よりは。

若山:IMOMに入って、そっからさらに丸くっていう。

鰻渕:要はあれですね。自分の会社の方は二人でやってるんで。チームじゃない。実際にIMOMに入った時にまた別の動き方が必要になるなって実感しまして、いろんな本読んだり、それこそ若山さんに聞いたり、他の誰かに聞いたりとかで学んでいくうちに、我流っちゃ我流なのか複合体というか、そういう自分のやり方を見つけて。プロジェクトはこう回した方が良いとか、こういう風に人と付き合った方が結果として自分のためにもなるし、組織にも役に立って、要は目的が達成されてっていうところに気が付いた。

伊藤:相乗効果ですよね。チームや相手のためにしたことが自分にも返ってくるという。いやぁ、お2人を管理育成しようとしたらめっちゃ骨折れるんだろうなって思いながら聞いてました。

若山、鰻渕:(笑)

伊藤:お二人の話とはちょっと角度を変えさせてもらうと、自分の場合は事業部のみんなが頑張ってくれているというのは自分にとってはガソリンになってます。みんなの頑張りを無駄にできないというか、もっと自分が考えて成果を出したり、いいサービスを提供したり、プレッシャーみたいなものをかけられている感はありますね、やりたくてもできていない事が多くて。いい事だと思ってますけど(笑)

最初の戦略が良い組織や良い人達によって遂行されたがゆえに、どんどん別の良いものが生まれてくる。

伊藤:最後の話題というか、これからの話をしてもいいですか。

若山:じゃあちょっとそっち寄りの話を。さっき我流っていう話がが出てたんですけど、我流をなるべく無くすようにはしてますね。基本的に昔の経済学者や心理学者の方とかが提唱していることってやっぱり現実にも多かったりするんですよね。実際に体系化されているところもありますし。そういった理論ベースというか、体系化ベースで、じゃあ会社をどうしていくんだっていうところを先に考えておかないと。そもそもの結果や会社がどうなっていくかっていうのを事前に把握していくことが重要だと。例えば、現状では1人がいくつもの役割を持っているとして、デメリットとしてコントロールがすごく難しいとします。じゃあ仮にそれについては2年前から予見していたと。予見していてそれに対してどういう風に組織を動かしていくといいのか。それを考えた時に過去の歴史ベースでやられていたことは凄く重要ですし、過去の成功体験からくるものもあると思います。その理屈が相手に伝わらなかったり、そもそもそれで改善しないとか。要はこれで自分は正しいはずだと思っていても、実際の世の中の流れが早かったりしますし。VUCAの時代って言われるじゃないですか。あっ、これ入れておいて下さいね(笑)。

伊藤:承知です。バッチリ入れておきます(笑)

若山:ミンツバーグの話を鰻渕さんともしたんですけど、最初から考えていた戦略とその後に出てきた誘発的な戦略。ある戦略や組織体系を取っていたがゆえに新たな戦略が生まれてくる。現場で優秀な戦略が生まれてくる。例えば、就労の理論値や目標達成面談っていう仕組みもそうだと思うんですよ。元々そういったことは想定していなかった。僕自身が。それって最初の戦略が良い組織や良い人達によって遂行されたがゆえに、どんどん別の良いものが生まれてくる。ポッと出てくるかのように見えて、実は誘発的に生まれるものもあると過去の経営学者が言っているので、じゃあ同じようにやればいいって話です。自分がまだまだ経験値がどうしても足りないっていうのは重々承知してるんでね。そういった過去の歴史といいますか、過去からものを学ばないといけないという自分もいます。やっぱり結局人で動いている。人と人とのコミュニケーションだったりとかは凄く大事かなって思いますね。

伊藤:そういえばお二人どうしのキャッチボールをしてなかったなと思って。それに対して鰻渕さんどう思います?すみません、いつもムチャ振りばっかで。僕ばかり答えていてもつまんないかなと。

鰻渕:なんて言うんですかね。体系的に学ぶとかそういった部分は僕も重要だなって考えているところで、当然本を読んで学習するところもありますし。逆に飛び道具的に学ばなきゃいけないケースもありますよね。自分の専門分野ではなく、かつ長くやるわけでもないけど、今重要になった事象みたいなやつが。いくつかプロジェクトを回していると出てくるじゃないですか。そこで体系的に学びだすと時間ないんで、上っ面だけとか戦術だけ学んで、頭の中でなんとなくの形や組み立てをしながら回さないといけない部分もある。僕、中庸って言葉が好きで。アリストテレスかなんかが提唱していて学んだ気がしています。何事も中庸が重要だと。こんな尖っている僕が言うのも変な話ですけど、偏りすぎてはいけない。だからといって全部中庸っていうのも、それはそれで重要なことからは外れているんですよ。要はケースバイケースで中央値的な考え方を持っておきながら、偏ったことによるメリットデメリットを意識しておくと。そうしておかないとアクシデントが起こった際に破綻してしまうというか見えてない部分があると対策が外れてしまうみたいな。

若山:本当にその通りで。中庸の話が出たんですけど、スラック。我々が使っているSlackではなくて、弛みとか緩みっていう意味の。僕たちよく『よしなにやっていきましょう』みたいな話になるんですけど(笑)そういう風に緩みを作っておくことで調整がしやすくなる。それこそ1、2週間後にどうなっているか分からない状態だとして、それでもいいんじゃないですかっていう部分。こんなこと言っちゃいけないのかもしれないけど、本当にどんどん会社が良い状態に変わっていく中でガチっと決めてしまうとそれに縛られてしまってコンピテンシートラップに陥ってしまうということもあるのかなと思うので。

鰻渕:それは僕も凄く思います。あんまりガチガチに張りつめてしまった状態だとなかなか発言もしづらいですし、自分のことばっか考えて。やっぱり緩みがあることによってその余裕から全体像を見ることもできるだろうし、その中で自分が今どういう役割で進めていかなきゃいけないとか、そういう気づきが芽生えてくるのかなと。

伊藤:お二人が今言われた中庸の話とかスラックの話が、こういう言い方もできるんですかね。『想定する』という。つまりちょっと先の未来とかすごい先の未来でも、想定することでリスクヘッジしながらも、どこに向かっていくのか。その想定力。揺らぎを内包しながら、シナリオ分岐を想定しながら、それに対して準備しながら進めていく。それって一緒に働く人たちからしたら安心感につながるんじゃないかと。信頼とも言える。分かり合えているという意味とは違いますけど、こうすればこう行くだろうみたいなことが見えている状態。小さなプロジェクトであったとしてもその想定力がどれだけあるかで、持てる武器も変わってくるだろうし、準備も変わってくるのですごく重要だなと。今の話は。

鰻渕:この話は結構みんなに聞いてほしいなと個人的に思っているんですよね。さっき若山さんの話したコンピテンシートラップに陥るんじゃないかっていうのも、その想定の話ですよね。

伊藤:自分が将来どうなるのかとか、会社がどうなるのかみたいな部分に対して、こうやればこうなるとか起承転結が見えているとか。小さな業務だとしても段取り力みたいなものも全部、想定力って大事だなと感じたんですよね。

鰻渕:でも想定力でいうと一つだけ。最近若山さんが戦略のポリシーって作ったじゃないですか。それこそ想定力で気を付けなきゃいけないなって思うポイントがありまして。一人の頭の中で完結させると、絶対に見えてこないとこがあるんですよ。例えば若山さんが何か戦略を作りました、自分一人で作りましたってなったとして、それが現場で受け入れられるかっていうと、多分現場の見えているものがあるわけですよね。例えば拠点長が見えている景色とか、本部の誰かが見えているものもあると。そういう中でやっぱり1人の想定だけじゃダメだなという部分を凄く感じまして。戦略策定の時にもいろんな人を巻き込んで。想定の話を聞いてみる。こうなったらどうなると思いますかって。そしたら全然想定していないような答えが返ってくると思う。そういうのを巻き込んだうえで一本筋を通すっていうのが組織にとって重要かなと。

伊藤:でもそれって結構楽しかったりしますよね?

鰻渕:はい。楽しいです。

若山:分かります、分かります。

鰻渕:冒頭に戻りますけど、いい人ばっかが集まっているから楽しいっていうのも、大前提はそこだと思います。

若山:言葉遊びみたいなのありますよね。波及効果をすごく先まで考えることができれば、全部が紐づく。ある発言がこうしてこうしてこういう風に消化できればこの軸になるなみたいかのが、元々考えていた主軸にも収まっているといいますか。バイアスかかっているからよくないのかもしれないんですけど、逆の考え方でバライアンスって言葉があって、バイアスをかけないように、要は色んな人の話を聞いてまとめようとした時に、そもそも色んなデータセットを集めて分析することも意味ないよねっていう。そのバライアンスとバイアスはトレードオフで。何が言いたいのかというと確固たる自分の自信と強い昔ながらのリーダーシップっていうんですかね、こっちに向かうんだぞという。皆さんの色々な話を如何に同じ方向性に近づけるかっていうことが大事なのかな。どう収束していくのかも常に先を想定しておくというか。

伊藤:若山さんがよく言う『いいんじゃないですかね』は話を聞いていない訳ではないと。狙いを持って『いいんじゃないですかね』なんですね(笑)

若山:そういうことです(笑)

伊藤:今回この座談会にあたってお二人をシナリオ通りに動かすとか無理だろうなと思って準備を諦めて来たんですけど、やっぱりそうでしたね(笑)もっと戦略的な話題になるかなと思ったら、心意気とかスタンスの話でしたね。でも凄く楽しかったです。ありがとうございました。

若山、鰻渕:楽しかったです。ありがとうございました。


 最後まで読んでいただきありがとうございました。今回の座談会の記事は、ほとんど編集をしておりません。記事として読みづらい点、お見苦しい点が多々あった事をお詫び申し上げます。しかし、IMOMの経営戦略や組織開発の重要な部分に携わるメンバー同士のリアルな話から、我々の考え方や雰囲気などを少しでも感じ取ってもらえれば幸いです。




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