初めまして。株式会社IMOM 飲食事業部 部長の山田です。
私はケーキ屋でパティシエとして社会人のキャリアをスタートさせました。バリスタとの出会いは本当に偶然で、働いているケーキ屋がカフェ部門を作ることになり、そこにエスプレッソマシンを置くことになったのがきっかけです。「山田、コーヒー好きだからやってみるか?」と当時の社長に言われ、勉強を始めたのがバリスタの道に進む始まりでした。
当時はまだバリスタという職業が日本に浸透しておらず、教えてくれる人もいない状況でしたが、コーヒーが好きという気持ちだけでその道を志しました。自分の仕事人生を振り返りながら、私の仕事の流儀や原動力についてお話ししたいと思います。
バリスタを始めてから17年が経ちますが、今も毎年必ず続けていることが1つあります。それは、必ず毎年バリスタの大会に1つは出場することです。バリスタとして最初に目標にしたのは、指定されたコーヒー豆で抽出の技術、サービス、味を競うエスプレッソ抽出の大会(UCC Coffee Masters Espresso)でした。
初めて出場した大会では、ルールを過去の画像で多少勉強し、あとは周りの人を見様見真似で挑戦しました。結果は予想通りボロボロで、全国でも下位から数えられる順位でした(笑)。非常に悔しい思い出です(今考えると、悔しがるほど頑張っていなかったかもしれませんが…笑)。
それからは手探りで色々な人の話を聞きに、東京、大阪、京都、島根など、当時有名なバリスタに会いに行きました。その時にお話ししてくれた先輩バリスタさん達とは今でも仲良くさせて頂いており、彼らは私にとって今でも変わらないスターです。
毎年大会には最新の技術や機材が登場するため、新しい情報を得るために勉強を続けました。7年目の挑戦(2014年)で、ついにエスプレッソ日本チャンピオンになることができました。初めてチャンピオンとして名前が呼ばれた瞬間は今でも目に焼きついています。多くの人に支えられて、時間とお金をかけて、見た最初の光景は、仲間が自分のことのように泣いて喜んでくれる瞬間でした。仲間には常に感謝の気持ちでいっぱいです。
2014年ごろからはラテアートの大会も日本で多く行われるようになり、翌年にはアメリカで行われていた世界大会を日本に誘致することが話題になり、私の次の目標が決まりました。燃え尽きる暇もなくラテアートにのめり込んでいきました。名古屋ではそれなりにラテアートが上手なつもりでしたが、全国的には普通レベルでした。しかし、全国のラテアート上手になりたい友人達と大阪や東京で定期的に練習会を開き、技術交流をすることで一気に上達することができました。
自分の技術を惜しみなく共有し、時には教え、時には教えられ、できなければみんなで考えて、他人のために愛を捧げる――この経験を通して、バリスタはサービスマンであると再認識しました。また、この交流を通じて、私自身のサービススタイルや仕事に対する想いが形作られた時期でもあったと思います。
「美味しく、楽しく、美しく」――これが、私がコーヒーを作るときにいつも心がけていることであり、私の流儀です。大会でも、店の営業でも、見てくれる人に伝わるように心がけています。職人の手仕事の様子や手さばき、人は目から入る情報からも美味しさを感じるものだと思っています。だからこそ、店構えや自分の身なり、コーヒーを提供するまでの所作が美しくあることが大切だと考えています。お客様の前にコーヒーを差し出した時には、すでに「美味しそう」、「美しい」と思ってもらいたいのです。
365日、毎日必ずラテを作り続けて、仕事でも家でも休むことなく毎日作り続け、2016年には大阪で開催されたラテアート世界大会で優勝することができました。
「ステップ・バイ・ステップ」――どんなことでも、何かを達成する場合にとるべき方法はただひとつ、一歩ずつ着実に立ち向かうことだ。この言葉はマイケル・ジョーダンの言葉ですが、まさにこれに尽きると思います。何も特別なことをしてきたわけではなく、ただ愚直に練習を重ねてきました。最初は一人でしたが、やればやるほど周りには人も増えて、その人たちのおかげで今の自分があります。大切な仲間であり、越えるべきライバルであり、尊敬する先輩であり、可愛い後輩であり、絶対に負けたくない存在です。
IMOMのスタッフ達もみんなで支え合い、努力を重ねています。もちろん私もその支えの一端を担いたいと思っています。全てのスタッフが美味しいコーヒーをやスイーツをお客様に届けるために努力し、そこから生まれるラテアートやケーキを通して、お客様に「今日も頑張ろう」と思っていただけるような職人やサービスマンでありたいと考えています。
IMOMでの仕事を通じて、あなたもプロフェッショナルとしての成長し、お客様のサービスを提供できる自分に出会えるはずです。わたしたちと共に、新しい未来を切り拓きませんか?