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▶目次
⑴建設業界の変革を目指す学生起業家から、リクルート社員×CEOの二足のわらじへ
⑵BIM技術の活用で建設業界のデジタル化に正面から挑む
⑶テクノロジーで切り開く、これまでにない新しい建設の形
「日本の建設業界はまだまだ大きなポテンシャルを秘めています」
学生起業家として会社を立ち上げながら、リクルートに新卒入社という経歴を持つ西岡大穂氏。建設業界のDXを目指し、鳥取から世界に挑むONESTRUCTIONの創業者に、テクノロジーで実現を目指す建設業界の未来についてお話を伺いました。
建設業界の変革を目指す学生起業家から、リクルート社員×CEOの二足のわらじへ
まずはじめに自己紹介をお願いいたします。
ONESTRUCTION株式会社の代表取締役CEOを務めております、西岡です。
本社は鳥取県にあり、経済産業省のJ-Startup WESTにも選出していただいた建設テック企業です。建設企業のこれまでのワークフローを変えるようなプロダクト開発を展開しています。
起業のきっかけについて教えていただけますか?
元々は農業高校出身で、大学も農学部だったんです。大学に入学した当初は農業関連の起業を考えていましたが、地域に出て様々な経営者と出会う中で、興味の幅は広がり一次産業、二次産業全般に興味が広がっていきました。
ただ、建設業界との関わりは高校生の時に遡ります。農業高校時代に芝生の研究をしていたんですが、その研究に注目してくださった企業が大林組様でした。大林組様と防潮堤の法面緑化プロジェクトに共同で取り組ませていただく中で、建設業という業界の面白さを知っていきました。
その後、大学時代にMAKERS UNIVERSITYという起業家のコミュニティに入ります。同世代の仲間たちと切磋琢磨する中で、「本当に自分は農業の事業がやりたいのか?」「それは今じゃないとダメなのか?」と、自問自答することができました。多くの先輩経営者にも揉まれる中で、自分のやりたいことが明確になっていきました。そして、CTOとなる宮内氏との出会いが大きな転機となり、建設業界での事業をやろうという方向性を定めることができました。
リクルートに就職しながらの起業というのは珍しい選択だと思いますが、その経緯を教えていただけますか?
大学に入り農業分野での起業で一度大きな挫折を味わっていたこともあり、就職を考えていました。今の自分の実力不足も痛感していた中で、いきなり起業家として生きるのではなく、就職もする決断をしました。
そして、大学4年生の時に会社を設立し、そのまま新卒でリクルートに入社しました。約5年間は平日の日中はリクルートの仕事に専念し、それ以外の時間を会社の経営に充てる二足の草鞋(わらじ)の生活を続けました。
リクルートではSaaS関連の新規事業のプロダクトデザイナーとしてPdM業務をしていました。ゼロからプロダクトをグロースさせる経験を積むことができたことは、自分の一生の財産になったと確信しています。
正直、プライベートはほぼゼロの生活でしたが、その判断は間違っていなかったと思います。現在はリクルートを退職し、会社経営に専念しています。
BIM技術の活用で建設業界のデジタル化に正面から挑む
御社の事業内容について詳しく教えていただけますか?
建設業界は今、人手不足と資材コストの上昇という二つの大きな課題に直面しています。私たちはBIM(Building Information Modeling)という技術を軸に、この課題解決を支援しています。
具体的には、従来の2次元図面を3次元化することで、工事の事前シミュレーションを可能にし、様々な図面のミスを早期に発見できます。また、BIMの持つ本質的な価値はデータベースです。今までの図面だけの情報ではなく、BIMは様々なデータ連携を可能にします。データ連携による工程の最適化によって工期を10%程度短縮できるなど、大きな効果が期待できます。
今はBIMを中心として、様々なことに取り組んでいますが、今後は建設業のあらゆるデータを構造化し、データ連携させていくことで建設プロセスの最適化にチャレンジしていきます。
現在はどのようなサービスを展開されているのでしょうか?
創業から3期目くらいまでは、建設会社からBIMモデル作成を受注し、納品するというスモールビジネスのスタイルでした。その過程で業界のニーズを深く理解し、現在は自社サービス「OpenAEC」を展開しています。
これはBIMデータの可視化や照査に特化したサービスです。積算の自動化や行政への審査プロセスの効率化なども実現できます。
OpenAECシリーズは、いくつかのプロダクトを内包しているのですが、サービスの公開後50カ国以上で利用していただき、海外のカンファレンスでの発表なども積極的に行い、グローバルな展開を進めています。
他のSaaSサービスとの違いはどこにありますか?
一般的なSaaSは業務全般を囲い込み単体プロダクトとしてレガシーな業務をリプレイス戦略をとりますが、私たちは既存のソフトウェアと共存する形を選んでいます。これは建設業界特有の事情を考慮したためです。
例えば、明日からPowerPointの使用を禁止されたらかなり困りますよね。同じように、建設業界でも既存ソフトへの依存度は高く、完全な移行は現実的ではありません。そこで私たちは、既存ソフトとの連携を重視し、それらの間を取り持つデータプラットフォームとしての役割を目指しています。
国際標準規格への取り組みについても聞かせてください。
私たちは国際標準規格の策定にも参画していて、特にBIMデータの国際規格、「IFC」については国内で最も詳しい知見を持っていると自負しています。実際、標準化委員会の日本支部では、私たちのCTOが20代唯一の主要メンバーとして参加しています。次世代のルールメイキングに関わっています。
鳥取に本社を置き続ける理由は何でしょうか?
これは本当によく聞かれる質問です(笑)。私自身、実は京都出身で、鳥取を選んで移住してきました。大学時代、同世代の起業家たちが次々と成功を収める中、鳥取大学の図書館で本を読む日々を送っていました。企業に挫折し、正直とても辛い時期でした。ただ、その時期に過ごしたモラトリアム期間の読書と、日々お世話になった地元の経営者たちとの関係が、今の自分を作ってくれました。
鳥取で弊社が成長し、多くの雇用を生み出すことは地域に大きなインパクトがあります。東京に移転することで得られるものは、行政からの支援や人との出会いやすさです。その点の多くは、経営者や主要なメンバーが東京に滞在していれば解決できます。そして、東京に本社をおいたとしても、数多く存在するスタートアップの1社でしかなく、その雇用のインパクトは極めて小さいです。
鳥取県から手厚い支援があるわけではないですが、私たちが地方から会社の成長させること通して確実に幸せにできる人たちが鳥取には沢山います。例えば、オフィスの近くの定食屋の店長が「うちの店はおたくで支えられてるよ」ってよく言ってくれます。僕らもたまにいくだけなのですが、それだけでも地域の人たちはとても喜んでくれます。
僕らは僕らのやり方で、豊かな国を作ることに貢献していきたいと考えています。だからこそ、他の企業が選ばない鳥取でやることに意義があると思っています。
そして、私たちが目指しているのは世界市場です。その意味では、鳥取も東京も変わりありません。必要な人材は、場所に関係なく採用すれば良いと思っています。
テクノロジーで切り開く、これまでにない新しい建設の形
今後の展望についてお聞かせください。
BIMはあくまでも手段の一つです。最終的には、建設業のデータ活用を牽引し、インフラの維持管理やスマートシティ、防災など、より広い社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。
我々が目指すのは、建設業界の当たり前を変えることです。今は建設業界で当たり前とされている多くの物事はワークフローが変われば、抜本的に変わります。ワークフローを変えるために、今ここでお話しできない新しい事業も着実に進めています。建設業の皆さまになくてはならないプロダクトづくりに挑戦していきます。
現在正社員が15人の小さな組織ですが、これを20人、30人、40人と拡大させ、鳥取発の大きなムーブメントを作っていきたいと思います。「地方にいることは言い訳にならない」ということを、私たちが証明していければと思います。
最後に読者の方へメッセージをお願いします。
キーワードは「鳥取から世界へ」です。
地方にいても、世界に通用するプロダクトは作れます。むしろ、地方だからこそ見える課題もあります。私たちはそれを一つずつ形にしていき、世界で戦える会社になることを目指しています。
テクノロジーで建設業界の未来を変える。ONESTRUCTIONの挑戦。
BIMという技術を入り口に、建設業界全体のデジタル化を推進し、より広い社会課題の解決を目指す同社。リクルートでの経験も活かしながら、堅実な成長を遂げ、今まさにグローバル展開のステージへ。
経験豊富なエンジニアはもちろん、建設業界への深い知見を持つ人材、グローバル展開を支える営業職まで、幅広い仲間を募集しています。
地方から世界へ。その挑戦は始まったばかりです。建設業界の未来を共に創っていきませんか?
皆様からの沢山のご応募をお待ちしております!