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蓄積された健康データは、次の時代に求められる事業づくりの核【パートナー対談 第2回】

ウェルネス・コミュニケーションズはグローバル経済をリードする企業や社会基盤を支える健康保険組合、働く人たちやその家族等、生活者一人ひとりの健康管理や健康づくりをサポートしています。そのために、社内メンバーだけでなく、あらゆる分野のスペシャリストとタッグを組んで新しい挑戦を続けています。

パートナーとして既存事業のSaaS転換をサポートしていただいている、SaaS専門事業コンサルティング会社である株式会社deflagの代表取締役社長 佐々木 陽氏とウェルネス・コミュニケーションズの代表取締役社長、松田泰秀の対談を全3回でお届けします。

第2回は、ウェルネス・コミュニケーションズのSaaSシフトの現状と、専門家から見た強みについてお話しします。

SaaSシフトの土台が完成。オリジナルの事業づくりへの挑戦がスタート

--大規模転換を経て、今のSaaS事業の状況を教えてください。

松田:従業員の健康を支えるクラウド型健康管理システム「Growbase」は、順調にユーザーを獲得していて、今や全社営業利益の50%を占めるほど会社のメインサービスになっています。

よく佐々木さんからも言われますが、SaaSは嘘をつかない。チャーン(解約)を抑えながらユーザーを獲得していくというセオリーをコツコツ続けてきた成果だと思います。また、機能拡充にも力を入れていてプロダクトの磨き込みがうまくいっているのかなとも思っています。新型コロナウィルス感染症の流行をきっかけに多くの会社が、これまでの対面前提での健康管理のあり方を見直し始めたのもサービス成長を後押ししてくれた一つの要因でした。

とはいえSaaSシフトの全体計画から見れば、現状はまだ5割にも満たなくて、ようやくスタートラインに立てた、ぐらいの感覚です。佐々木さんに伴走いただきながら、SaaSについての基礎知識が社内に浸透し、中核メンバーが自分たちのやるべきことを自ら語れるようになってきた、というのが現状です。

次のステージでは、学んだことを活用しながら、我々にしかできないビジネスモデルをつくることだと思っています。我々の会社は大切な個人情報を預かるわけで、完全なSaaS企業になってしまうと、お客さまから期待されていることに応えるのが難しくなってしまう可能性もあると思うのです。変える部分とそうでない部分を見極めながら、新しいビジネスモデルをつくっていければと思っています。

佐々木:私から見るとウェルネス・コミュニケーションズさんはまさに今、変革期に差し掛かっていると思います。

SaaSはただの手段でしかありません。ウェルネス・コミュニケーションズさんが目指すような、一人でも多くの会社員が健康診断を受けられるようにしたり、受診結果がスムーズに取り出しやすくしたりする世界づくりのためには、SaaSを含めあらゆる手段を積み重ねながらオリジナルのプラットフォームに進化させていくことが必要だと思います。

蓄積された健康データは、次の事業展開を生み出す核

--SaaSの専門家である佐々木さんから見た、ウェルネス・コミュニケーションズの特徴や強みは何でしょうか。

佐々木:第一弾でも触れましたが、エンタープライズに強いところ、チャーンレートが低いところは今も変わらず強みだと思っています。長くお付き合いのあるお客さまが、プラットフォームに慣れてくれているからこそ、新しい挑戦にもスムーズに進めます。

また、先見性の高いサービスを提供されていることも強みのひとつだと思います。例えば、これまで紙で処理していた健康管理情報をデータ化して保存する技術の開発は、健康データが資産になる今の時代を先読みされた動きだったのかなと思います。

特に、健康情報がデータ化されたりポータブル化(持ち運び可能)されたりする流れは不可逆で、以前の社会に戻ることはないと思います。今あるアドバンテージは今後ますます強くなっていくでしょう。

さらに、豊富な顧客データが蓄積されていることも大きな強みだと思います。人的資本情報の開示が義務化され、従業員一人ひとりの健康にさらに強くフォーカスが当たる社会で、ウェルネス・コミュニケーションズさんが持っている健康データの価値は、今後ますます大きくなるでしょう。

SaaSの拡張方法は大きく2種類しかなく、一つは今の市場のシェアをさらに獲得していくことで、もう一つはその周辺領域に染み出して新しい市場のシェアを獲りに行くことです。ウェルネス・コミュニケーションズさんの場合、蓄積された健康データが周辺事業を生み出す核となるのだと思います。

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<佐々木 陽>

株式会社東急エージェンシー、株式会社リクルート、株式会社Kaizen Platformを経て、2015年株式会社Oneteamを創業。2019年に職場のコミュニケーションツール「Oneteam」事業を株式会社リンクアンドモチベーションへ譲渡。同年、それまでの経験を活かしSaaS企業発展のためのSaaS専門事業コンサルティング会社である株式会社deflagを創業し、代表取締役社長に就任。上場企業からレイター、アーリー、シードまでこれまで60社を超えるSaaS企業の伴走を行い、累計の資金調達金額は150億円を超える。株式会社basic 執行役員 最高戦略責任者 formrun/ ferret /事業戦略部 管掌役員、情報経営イノベーション大学客員教授を務める。

<松田 泰秀>

伊藤忠商事株式会社に入社後、22年にわたり、主に、国内・米国(シカゴ/ニューヨーク駐在)・中国・アジア等におけるIT・ヘルスケア関連領域において事業開発・市場開拓に従事。2003年には伊藤忠商事の社内ベンチャー制度下で、ネットを活用した健康管理システム「ヘルスサポートシステム(現:Growbase)」を企画開発。2006年にはウェルネス・コミュニケーションズ株式会社を創業。2016年4月より現職。

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