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第二創業を掲げ新たなステージを迎えたヒガノは、経営理念の浸透・体現をするための1つとしてオフィスリニューアルを始動。なぜオフィスリニューアルをする必要があったのかー、オフィスリニューアルの計画から実行までのプロセスやお披露目会の企画、その後実際にオフィスを利用していく中でどんな働き方の変化が出てきているのかに密着してみました。
◆プロジェクトメンバー◆ (左) ヒガノ株式会社 社長室マーケティング担当 加藤さん (中央)ヒガノ株式会社 営業部マーケティングチーム チームリーダー 新井さん (右) 株式会社QUMA 企画部 / 空間運営部 責任者 竹中さん (現在:ヒガノ株式会社 社長室 室長)
ヒガノ新オフィスのこだわりポイント、ぜひ教えてください!!
新井:階段席を作ったことですかね。月初に全社員が集まる朝礼があるのですが、今までは毎月、会議室や事務所のイスを一か所に集めて朝礼の会場を前日に設営していました。月初の朝礼は会社からの連絡事項のみならず、社員同士の発信の場にとして重要な役割を担っているため、象徴になるような場所があるといいなと思っていたんです。この階段席を提案したきっかけは、某大学へヒガノ製品の撮影に行った際にビビッとくるものに出会い、そこからアイディアをもらっています。おそらくシアタールームのような場所だったのですが、階段状にたくさんの椅子や机が配置され、使いたい用途に合わせて自由にカスタマイズできる仕様でした。全社員が集まる空間をどう実現させるか・・・と考えていたときに、変わりゆくヒガノの動きにも柔軟に対応できるような点がテーマとも合致していると思い、「これだ!」と直感的に感じましたね。
加藤:朝礼の場は発表者の一方的な情報の発信ではなく、参加者一人ひとりが主体性を持って考えてもらいたい「コミュニケーションの場」でもあるので、階段状にすることで参加者からは発表者がきちんと見えて、発表者からは一人ひとりの顔が見えどんな表情をしているのかを視認しながら語り掛けるように発表できます。そうしたインタラクティブなコミュニケーションの場になっていることが、会社にとってとても良い影響をもたらしていると思います。
オフィス内にヒガノで製作した物が入っていますが、すっきり無駄のないデザインでカッコイイですね。この製作するまでのエピソードなどもぜひ知りたいです!
竹中: ヒガノは自社工場を持つモノづくりのメーカーなので、自社での製作物がオフィスに置いてあったらいいよねと構想段階から考えていましたが、それはアンケートを通してより強く思う様になっていました。実際のアンケートで「工場もリニューアルしてほしい」という声があり、この声を置いてどんどん進めてしまうのは絶対に良くないと感じまして。製造部の方々にとってもオフィスリニューアルが身近に感じてもらえるように、という気持ちも込めて、製作のご協力を仰ぎました。製作の窓口として製造部長の黒田さんを筆頭に動いていただき、正直もともと考えていた量よりも多く入れてもらえました。粗いパスを出してしまったにもかかわらず黒田さんがうまく汲み取ってくださり、細かく指示出しいただいたおかげだと思っています。
新井:ちょうど工場の繁忙期と被ってしまい時間的な制約もある中でしたが、振り返ってみると製造部の皆さんが楽しそうに製作してくれた印象で、積極的に動いてくれている姿がありました。その中でも一番すごいなと感じたのは、取り付け作業の時ですかね。あの瞬間、やっぱり製造部の技術力や職人としてのこだわりを垣間見ることができた気がします。取付けの水平を正確に出したり、面を合わせて設置したり、仕上げの拭き直ししたり等、普段の仕事ぶりを近くで見ることはほとんどないので、とても強く印象に残っています。設置していく中で「ここは溶接しておこうか、ちょっとプレート足して高さ合わせよう」と臨機応変に対応をしてくれて、積極的に取り組む姿勢が成功させるぞ!という製造部の強い意志まで伝わってきましたね。
実は入社してすぐのプロジェクト担当としてアサインされた新井さん。その時の気持ちや実際やってみて感じたことなど、教えて下さい!
新井:そうですね・・・入社して3か月目あたりでしょうか。まだ何もわかない状態の中でもいろいろ任せてもらえる感じがあったので、自分自身の業務の一環としてこのプロジェクトがあるんだ、という気持ちで臨んでいました。社長の腹子さんからもインナーブランディングの観点からも取り組みたいという話を聞いていたので、マーケティングの一環として行うこと自体は腑に落ちていましたね。今回のプロジェクトを通してワークショップだけでなく、実際に作業の立会や調達全てを管理していたので、より深く関わることができ何を聞かれても自分の言葉として伝えることが出来たことは大きいですかね。この計画を社員のみなさんに伝えることができる人がいなければ、経営サイドの独りよがりになってしまいますし、社員の声と経営側の声を上手く調整しつつ心配事などを払拭できたんじゃないかなと思っています。
加藤:それも入社してすぐにこのプロジェクトに携われたっていうところが、やっぱり権限移譲やスピード感といった今のヒガノの特徴ですよね。経験がないから任せないではなく、マネジメントサイドがサポートしつつ、本人に経験がなくてもチャレンジしてもらって、そこで試行錯誤する中でいろいろ貪欲に学んで具現化させていってもらう方が建設的だと私は思います。スタートアップやベンチャー企業がそうですが、やっぱり「まずやってみる」、そして出てきた課題に対応・修正して物事を進めていくことこそが成長のスピードにつながると思うので。私自身が若い頃もそうして色々な場面で成長の機会をいただきましたが、いまキャリアを重ねて立場が変わり、人材育成に関わらせていただく際は育成側としてもそこはとても意識しているところです。
竹中:新井さんは前職でプロジェクトを推進する立ち回りをしていたのかと思っていましたが、ゼロからスタートして窓口をされていたんですね!常に抜け漏れなく期間内に回答いただけるので、こちらとしては何のストレスもなく進めることができました。納期がギリギリになることもあった中で、新井さんから事前にアラートしてくださって非常に有難かったですね。本当にプロジェクトマネジメント力がすごかったです。全く未知の領域だった中で常にアンテナを張ることで、初めてのプロジェクトマネジメントをきっちり遂行されていました。
オフィスリニューアル後、社員皆さんの反応はいかがでしょうか?「KYOSO」が生まれているのか、社内の雰囲気など何か変わった点などあれば教えてください。
新井:リニューアルして半年くらい経過しましたが、大きく変化があった点はコミュニケーションですかね。流動性ある席配置のおかげで、席が近くなった人とちょっとした会話が生まれたり、HUBスペース中心に人の集まりが出来て賑わいが生まれたり、話すきっかけが増えていますね。普段関わりが少なかった人たちとの関係性が少しずつ深まっていうことで、今後の業務へいい形で成果に繋げていければいいなと思います。
竹中:ある程度部署ごとにまとまった席配置だったところから、流動的な席配置によって人の流れが生まれるように意識しました。いろんなタイプの席をレイアウトできたので、ちょっとした社内打合せや来客対応もできるようなスペースなど、使い方も含めて自由自在に使いやすくなっていれば嬉しいですね。
加藤:社員の方々の制服や作業着など服装を見直す中で、オフィスのメンバーは私服での出社になりました。それぞれの方にその人なりの服の着こなし方があって、個性というか「その人そのもの」が見えてきました。また、服装がコミュニケーションのきっかけにもなっていると思います。これを機に自己主張する機会を少しずつ増やしていくのもいいですよね。「KYOSO」の第一歩として、個々人が何らかの形で自分の思いや考えていることなどを発信しないと、他者との交流や思考の交差は生まれないと思うので、その原点の一つとして服装っていうのは自分の個性の表現として、ご自身の好きな格好で心地よく働いてほしいな、と私は思っています。
竹中:1人1人がいてこその「KYOSO」だと思っていて、オフィスリニューアルをきっかけに経営理念が浸透して作用するように、少しずつ変わり始めているんだなというのをしみじみ感じますね。製造業と聞くと、例えばある程度規定が決まりきっている中でミスが起こらないように規律正しくやるようなイメージするかと思います。もちろん大切にするべきことなんだけど、それ以上にその人としての生き方、個性を大切にしながらも同じクオリティの仕事をするような、より成長機会を与えられるような場所になっている気がして良いですね。
そして数か月後・・・・竹中さんはヒガノの一員となりました。
~(完)~
——ありがとうございました。ここまでお読みいただいた読者の方もありがとうございます。