東海理研と聞いて、多機能ロッカー「マルチエキューブ」を思い浮かべる方は、少しずつ増えてきました。
ただ、これは私たちの製品のひとつで、他にもたくさんの製品を世に送り出してきました。
そして意外と知られていないのですが、東海理研が取得している特許は300件以上あります。社員数は約100名。単純計算で、社員1人あたり3件です。
今回は、あまり語ってこなかった「東海理研の開発力」の話をします。
大阪で見つけた、東海理研の仕事。マルチエキューブが街の風景になりました | 東海理研株式会社
そもそも、何をつくっている会社なのか
東海理研は1968年創業、岐阜県関市の精密板金加工の会社としてスタートしました。
金属を切り、曲げ、組み上げる。産業機械やインフラ設備の内側で使われる、目立たないけれどなくてはならない技術です。
そこに、ITを掛け合わせた。それが今の東海理研です。
現在の主な製品群がこちらです。
- マルチエキューブ(予約・預入・受取・発送の1台4役の多機能ロッカー)
- ディスプレイロッカー
- 入退室カードリーダー
- キーターミナル
- ICロック
- 顔認証端末ボックス
- ホテルの無人チェックインシステム
- 無人ベビーカーレンタルの貸出機
共通しているのは、「インターネットにつながって、開いたり閉じたりするもの」です。
鍵をかける、開ける、預かる、渡す。人がやっていたこの動作を、機械と通信に置き換える。そこに東海理研の特許が集中しています。
「扉が広告になるロッカー」を、想像できますか
数ある製品の中で、いま個人的にいちばん面白いと思っているのが
ディスプレイロッカーです。
これは、ロッカーの間口全面がディスプレイになっている製品です。
つまり、荷物を預かる箱でありながら、そのまま広告媒体になる。
人が集まる場所に置かれる以上、扉は一日中誰かの視界に入っている。
だったらそこに意味を持たせよう、という発想です。
さらに、冷蔵・保温機能を付けたタイプもあります。食品の受け渡しができる。
非接触・非対面が当たり前になった世の中と、そのまま噛み合う製品です。
「ロッカー=荷物を入れる箱」という前提を、一回外している。
東海理研の開発って、だいたいこういう発想の外し方から始まります。
なぜ、100人の会社で300件も特許が生まれるのか
ここで本題です。
大企業のように知財部門が独立してあるわけでも、研究所があるわけでもありません。それでも300件。
理由のひとつは、機構とITの両方を自社で持っていることだと考えています。
金属の箱をつくる会社は世の中にたくさんあります。システムを書く会社もたくさんあります。でも、「頑丈で安全な箱」と「つながって動く仕組み」を同じ会社の中で同時に設計できるところは、そう多くありません。
マルチエキューブの開発でも、ロッカーの強度、使いやすさ、組立や設置の作業性、そして利用者が怪我をしないための配慮まで、検証を重ねて形にしています。
この「機構としての詰め」と「通信としての詰め」が同じ屋根の下にあるから、あいだの領域に発明が生まれる。
もうひとつは、風土です。東海理研には、こんな考え方があります。
「やりたいことは手を挙げる」
「やりたくないことは手を挙げないが、応援する」
全員が全部に前のめりでなくていい。ただ、手を挙げた人は止めない。職種・役職も不問です。
一方で、60年前から変わらないものもつくり続けています
最先端の製品をつくる会社、という顔だけではありません。
東海理研は、自衛隊で使われる「はんごう」や「折り畳みシャベル」も、ずっとつくり続けています。
過酷な環境で確実に使えること。壊れにくいこと。持ち運びやすいこと。誰でも使いやすいこと。この条件を満たすために必要なのは、結局のところ加工精度と品質です。
そして最近、これがちょっとした話題になりました。
アウトドアブームで再注目され、同仕様のものを関市のふるさと納税の返礼品として提供したところ、即完売したのです。
60年近く磨いてきた技術が、思わぬ形で世の中とつながる。新しいものをつくる力と、変えずにつくり続ける力。東海理研には、その両方があります。
つくりたいものがある人へ
「この会社では、思いついたことが製品になる可能性がある」
社員約100名という規模は、裏を返せば自分の意見が経営に届く距離です。
300件の特許は、その距離の近さが積み上げた結果でもあると思っています。
つくりたいものがある方、「こうすればもっと便利になるのに」が口ぐせの方。
ぜひ一度、お話ししましょう。
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