AIやセキュリティ、DXなど変化の激しいIT業界において、常に時代の先を見据え、挑戦と誠実さを両立させながら着実に歩んできた株式会社エアー。
今回は、株式会社エアーの創業背景から現在の3本柱の事業戦略、乗り越えてきた壁、そしてこれからの展望までを、代表取締役社長の森剛さんに伺いました。
地に足のついた成長を挑戦とともに続けてきた森CEOのインタビューを、ぜひ最後までご覧ください。
AIの時代が来る。創業の原点は、一つの言葉だった
ーー株式会社エアーは、どのようにして生まれたのでしょうか?
会社が設立された1983年、当時はまだパソコンがようやく世の中に出始めた頃でした。そんな中、創業者がアメリカに留学していた友人から「これからはAIの時代になる」という話を聞いたそうです。その言葉に大きな衝撃を受けたことが、すべての原点でした。
帰国後、「これからの日本には、AIやITの力が必要になる」との確信から、立ち上げられたのが株式会社エアーです。Artificial Intelligent Research(人工知能研究所)という言葉の頭文字をとって、AIR(エアー)と名付けられました。
ITという言葉はまだ世の中に無く、人工知能という言葉すら知られていなかった時代に、社会課題の解決に向けてAIの可能性に注目していたのは、今思えば本当に先進的だったと思います。
ーー設立当初からAIの分野に取り組まれていたのですね。
はい、AI関連のプログラミング言語を中心に製品を扱っていました。残念ながら、当時のハードウェアではAIに必要なデータ処理や機械学習が困難だったため、十分な製品開発には至らなかったようです。
ITの時代が、高価で巨大な専用機(メインフレーム)から、自由に安く使えるPCやサーバー(オープンシステム)へと移り変わっていくことを想定し、データベースの分野に注力するようになりました。
1984年には米国Unify社と総代理店契約を結び、日本語版Unifyの開発と販売がスタートされました。その後も、90年代にはEメールソフト「AIR MAIL」、2000年代には現在の主力製品となっている「WISEシリーズ」の開発へとつながっていきます。
創業者が大切にしていたのは、「理想論で終わらせない」という姿勢でした。1つの分野に拘り過ぎるのではなく、時代の変化を先読みしながら、常に社会に必要とされる技術を追求する精神が、今のエアーの礎になっています。
変化を読み、3本の柱で挑む。“攻めと守り”の事業戦略
![]()
ーー現在の事業内容について教えていただけますか?
当社では、大きく3つの柱で事業を展開しています。
1つ目は自社製品の開発・販売、2つ目は海外仕入れ製品の販売、そして3つ目が受託開発です。
IT業界は技術の変化が非常に早く、一つの事業に依存しすぎると、その事業がうまくいかなかったときに会社全体が揺らいでしまいます。だからこそ私たちは、どれか一つが凹んでも他の事業で補えるように、リスク分散型の経営を戦略的に選択してきました。
ーーソフトウェア開発会社として珍しい体制ですね。
そうかもしれません。
一般的にソフトウェア開発会社は「SES」「受託開発」「パッケージビジネス」のいずれかに特化することが多いです。ただ、それぞれの事業形態にはリスクがあり、例えばSESは手堅いですがノウハウや会社への愛着が溜まりにくい。
逆に受託開発やパッケージビジネスは、高い技術と組織力が求められる一方で、先行投資の負担も大きくなります。
それでも私たちは、「受託」と「自社・仕入製品」の両軸にあえてチャレンジしてきました。そこには、“成長する会社であり続けたい”という強い想いがあります。
ーー現在、特に力を入れている事業領域はありますか?
はい。今注力しているのは、「セキュリティ」「データ利活用(DX)」「AI」の3つのドメインです。
■セキュリティソリューション
情報漏洩などのリスクを未然に防ぐため、メール監査や印刷監査のソリューションを提供しています。中でも『WISE Audit』はAI機能を備えた自社製品で、シェアNo.1の実績を誇ります。“ニッチでトップ”を目指し、顧客ごとに柔軟にカスタマイズできるのが強みです。
■データ利活用(DX)ソリューション
急増するデータをいかに活用できるかが、企業の競争力を左右します。私たちは、世界中の優れたソリューションを見極め、日本市場向けにローカライズして提供。自社開発にこだわらず、“本当に価値あるもの”を届ける姿勢を大切にしています。
■AIソリューション
自社開発や海外製品の活用を通じて、AI関連のソリューションにも注力しています。不正検知や感情解析など、実用的かつ挑戦的な開発に取り組んでおり、社内でも生成AIを日常的に活用できる環境を整備しています。
挑戦の連続。失敗の先にあった、エアーらしさ
![]()
ーー経営していて、特に大変だったことはありますか?
いろんな挑戦をしてきましたが、正直、失敗も数えきれないくらいあります。
特に製品開発は、まだ誰もやっていない分野を最初に手掛けたものの、思うように市場に受け入れられなかったことも多々ありました。それでも諦めずにトライを続けてきたのは、「誰よりも早く始める」という社風と、「お客様の本音に寄り添う」という営業スタイルがあったからだと思います。
ーー開発・営業の両輪が連携したものづくりも印象的ですね。
そうですね。当社の製品は、販売パートナー様を経由してお客様に届けることが多いですが、お客様と直接対話するハイタッチセールスも、非常に大事にしています。
製品エンハンス会議は、開発担当者だけでなく、必ず営業担当者と一緒に行います。
営業担当が現場で聞いた声を新製品の企画に活かすことで、単に製品を売るのではなく、本当に必要とされる製品をつくってお客様に届けることができると思っています。
信頼が信頼を呼んだ。大手導入がもたらした成長の手応え
ーー大手企業での導入実績は、とてもインパクトがありますね。
ありがとうございます。
自社製品「WISEシリーズ」は、まず、NECグループ様15万ユーザへの導入が大きな転機でした。高負荷環境でも安定稼働し、価格性能でも評価されたことで、私たちの技術力と信頼性が認められたと感じています。
その後、住友電気工業様では約3万ユーザの大規模メール監査環境で導入いただき、「検索速度の劇的な改善」が現場で実感されたのが印象的でした。こうした実績が、社内外での信頼をさらに強固にしてくれたと思います。
ーー製品を長く利用されるお客様も多いのですか?
はい。堀場製作所グループ様では、10年以上継続してご使用いただいています。
これは単なる機能だけでなく、サポート体制や信頼性の高さも評価された結果で、私たちの継続力に自信を与えてくれました。
変化を楽しむ組織へ ~ 一人ひとりの強みを活かす ~
![]()
ーー今後のビジョンをお聞かせください。
時代がどんなに変わっても、挑戦する姿勢は変えずにいたいと思っています。私たちは「AIR WAY」という共通の価値観をもっています。一流をめざす、主体性をもつ、変化を恐れない、情熱をもって挑戦する、感謝して感謝される、あったらいいねを実現する、という6つのバリューを全員で実践します。
現状に満足せず、自分たちの強みを活かして、業界をリードするアイデアを生み出し続ける組織でありたい。そのためにも、社員一人ひとりが「情熱と誇りを持って働ける事業」を推進し続けていきたいと考えています。
そして、会社が最終的に目指すものは、「尊敬される会社であること」です。社員、顧客、パートナー、すべてのステークホルダーから信頼され、長く愛される存在になる。そのためにこれからも、挑戦と冒険を続けていきます。
未来は待つものではなく、つくるもの。挑戦者を歓迎します
ーー最後に、どんな方と一緒に働きたいか、お聞かせください。
私たちが求めているのは、何より主体性を持って行動できる人です。
「過去や人のせいにせず、今の自分と未来を変えられる」と本気で信じて、自分ができることに取り組んでいけるかが重要だと考えています。人生は選択の連続だからこそ、自分で選ぶ力を持ち、行動に移せる人と一緒に、未来をつくっていきたいですね。
また、変化を恐れずに挑戦し続けられる人であることも大切です。「チャレンジして失敗することが怖い」と感じる方も多いかもしれませんが、挑戦には価値があります。失敗を笑わず、努力を称え合える、そんなチームでありたいと考えています。
ーー最後に、求職者の方へメッセージをお願いします。
仕事において大切なのは、情熱と向上心を持って取り組めるかどうかです。
「あなたがいたから、この製品を選びました」と言っていただけるような仕事ができれば、その仕事はきっと、あなたにとって本当に意味のあるものになるでしょう。
自分の情熱と仕事が結びつくこと。それは、仕事を通じて得られる最大の幸せのひとつだと考えています。
成長したい、新しいことに挑戦したい、社会に貢献したい。そんな思いを持つ方との出会いを、心から楽しみにしています。
▼エアーで、自分らしいエンジニアライフを始めてみませんか?
エンジニアの仕事は、常に学び続ける姿勢が求められます。その分、自分の成長が目に見える形で現れる、やりがいのある仕事でもあります。エアーには、優しくサポートしてくれる仲間がいて、安心してチャレンジできる環境があります。興味がある方は、ぜひ一緒に働けたら嬉しいです。
【エントリーはこちらから📣】
新卒採用▼
中途採用▼