誰かに「指摘をする」というのは、簡単なようでとても難しいことです。特に職場や友人関係、家族など、今後も関係が続いていく相手ほど、どう伝えるべきか悩んでしまうものです。
「嫌われたくない」「関係がギクシャクしたら嫌だ」「自分の都合で叱っているように思われたらどうしよう」——そういった感情が先に立って、つい見て見ぬふりをしてしまったり、指摘すべきタイミングを逃してしまった経験は、多くの人にあるのではないでしょうか。
でも、本当に相手のことを思うなら、伝えるべきことをきちんと伝える勇気も必要です。指摘は、相手の成長を願って行う、れっきとした「思いやり」の一つです。ただし、その伝え方を間違えると、相手の自尊心を傷つけたり、反発を生んでしまう可能性もあります。
そこで、今回は「相手を指摘するときに意識したい4つのポイント」を紹介します。これらを意識すれば、伝える側も受け取る側も、より良い関係を築きやすくなるはずです。
① まずは相手の話を聞く
一方的に注意をすると、相手は「否定された」と感じ、防御的になってしまいます。まずは相手の話を聞いてみましょう。「どうしてそうしたのか」「何か事情があったのか」を丁寧に聞くことで、相手も落ち着いて話を聞くモードに入ることができます。
相手の立場や背景を理解したうえで注意をすれば、それは単なる指摘ではなく「寄り添い」に変わります。こちらの話を聞いてもらうためには、まずこちらが相手の話を聞く。それは注意だけでなく、あらゆる対人関係における基本です。
② 相手が未来で損してしまうことを伝える
人は「今」のことにはなかなか危機感を持ちにくいですが、「未来」の話になると急に現実味を感じるものです。たとえば、遅刻が多い人に対して「周りが困っているよ」と言うよりも、「今のうちに直さないと、社会に出たときに信頼を失ってしまうよ」と伝えた方が、本人にも響きやすくなります。
注意をする際には、「このままでは相手が未来で損をする」「困る場面が出てくる」という“未来視点”で伝えることが大切です。ただの否定ではなく、「あなたのために言っている」という意図が伝わるからです。
③ 相手がよりよい人生を送れるように、という視点を持つ
注意をするときは、つい自分の感情に引っ張られがちです。「イライラしたから言う」「不快だったから指摘する」といった“自己都合”の注意は、どうしても相手に反発を生みやすくなります。
そうではなく、「相手がもっと良くなってほしい」「この人ならもっとできると思っている」という“期待と応援”の気持ちを込めることが大切です。
相手の成長を願う気持ちが根底にあれば、言葉の選び方や表情、トーンも自然と優しくなります。そして、そういう言葉は相手の心にちゃんと届きます。
④ 相手がやりたいことに基づいて伝える
注意の仕方でもう一つ大切なのが、「相手の目標や価値観に寄り添う」ことです。たとえば「将来リーダーになりたい」と言っている人がいたときに、「その話し方だと、リーダーとして信頼を得にくいかもしれないよ」と伝えると、本人にとって納得感が生まれやすくなります。
相手の目指す方向性と、今の行動とのズレを丁寧に指摘することで、相手自身が自分の行動を見直すきっかけになります。相手の価値観を否定するのではなく、むしろそれを応援する前提で伝えることが大切です。
指摘する優しさ。指摘しない厳しさ。
注意をするのは勇気が要ることです。しかし本当に相手のことを思うなら、ときには伝えるべきことを伝える責任があります。
ただし、その伝え方によって関係性は大きく変わります。「相手の未来のために」「より良い人生のために」「相手の立場を理解しながら」「その人のやりたいことに寄り添って」——この4つのポイントを意識すれば、注意はただの批判ではなく、信頼を深めるコミュニケーションになります。
最後に…タイトルに書きましたが、『指摘』をしてあげないと
未来で相手は大きな失敗したり、人に迷惑をかけ苦しい思いをします。
大きな失敗をする前に指摘してあげることは優しさなんです。
指摘せずに失敗してから気づかせるというやり方もありますが、お勧めしません。
その失敗によって、大きなショックを受けたり、信頼を失い取り返しがつかなくなることもあります。
だからこそ相手を思うならダメなことはダメと伝えてあげましょう。