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いいヒトを集め、いい事業を作り続けることを通じて、よりよい社会に貢献したい。株式会社もしもの創業者インタビュー

洗練されたウォーターフロントエリア「天王洲アイル」。そのオフィスビルに株式会社もしもを訪ねました。同社はドロップシッピング、アフィリエイトをはじめとした、様々なサービスを積極的に展開しています。

今回は社員募集にあたり、創業者の実藤さんに、創業の経緯や社風をインタビューしました。実藤さんが願うのは「いいヒトを集め、いい事業をつくり続けることを通じ、よりよい社会に貢献する」こと。その思いの一端を紹介します。

■起業の夢を少年時代に見つけ、大学在学中に事業を開始

--企業の立ち上げにはそれぞれドラマがありますよね。成功体験や挫折、実現したい世界など、創業者それぞれに思いがあります。実藤さんはなぜ事業をはじめたのでしょうか。

実藤:子どもの頃から、将来は起業したいと考えていました。きっかけは、ズッコケ三人組シリーズの「うわさのズッコケ株式会社」を読んだことです。有名な児童書シリーズの一冊で、主人公の小学生達がお弁当会社を立ち上げて商売をするんです。そのストーリーがとても好きで、「会社って面白い、将来は僕も企業したい」と考えるようになりました。

高校生になると経営学の入門書を読みはじめ、感銘を受けた教授のいる一橋大学商学部へ進学。在学中にはインターンも経験しました。

--着々と経営の知識を学んでいったのですね。インターンはどこで経験したのでしょうか?

実藤:生鮮野菜等のeコマースを行っているオイシックス(現 オイシックス・ラ・大地株式会社)です。オイシックス社の設立直前にチラシでインターン募集をしていたので、興味を引かれて飛び込んでみました。

オイシックスには「お客様が全ての答えを持っている」と考えるカルチャーがあって、創業メンバーは「自分たちがどんなに考えてわからないことでも、お客様に聞けばすぐにわかる」と考えていました。そのため、お客様インタビューや試食会等のお客様イベントを頻繁に行ってお客様の声を聞いていました。

会社を経営するようになってからも、私は利用者の声をサービスや意思決定に反映しています。その姿勢はこのインターンで育まれたものだと思います。

--自ら事業を始めたのは、いつ頃なのでしょうか?

実藤: 2001年にブランド品のeコマースからスタートしました。扱う商品は質屋の品で、当時はほとんどネットに掲載されていませんでした。世の中で珍しかったこともあって、1年半で2億円の売り上げをつくるまでになりました。その後、2004年に有限会社をつくり、eコマースとアフィリエイトサイトの運営を始めています。

■「個人の力を束ねれば大企業に勝てるかもしれない」ドロップシッピング事業を開始

--株式会社もしもはその後、ドロップシッピング事業を開始しています。なぜ事業転換をはかったのでしょう?

実藤:経営を続けるなかで、「個人の力を束ねたら、大企業に負けないビジネスができる」と感じるようになり、その方法を模索していたんです。当時は数人でアフィリエイトサイトを運営していましたが、そのサイト経由の商品流通額は年間10億円ほどになっていました。少人数でもそれくらいの額を動かせる時代だと感じましたし、より多くの数字を出しているサイト運営者もたくさんいました。

そんな折、「アメリカではドロップシッピングのモデルが生まれていて、個人がネットショップを開設でき、流通額も大きく伸びている」という情報を聞いたんです。「これは個人の力を束ねて大きなことができる仕組みだ」と考え、2006年に「もしもドロップシッピング」のサービス開発を始めました。

--サイト運営からサービス提供へと事業を変えるなかで、苦労することも多かったのではないでしょうか。

実藤:本当にその通りで、越えるべき壁は多かったです。特に苦心したのは機能面で、設計にあたって想定利用者の方々にインタビューをしたところ、求められる機能が想定していたものとだいぶ違いました。

当時はアメリカのシステムをそのまま日本に持ってくれば成功すると思っていたんです。でも、日本とアメリカでは環境が大きく違っていました。アメリカでは個人でも決済サービスが手軽に利用できましたし、ショップの運営者は自宅の住所をサイトに掲載しています。しかし、日本の想定利用者の方々に話を聞いてみると、「決済サービスは自分では用意できない」「自宅の住所も載せたくない」と話してくれました。

そのような違いを踏まえて、決済サービスとの提携や、返品された商品を当社が受け取ることなど、日本で求められるサービスに修正しました。おかげさまで使いやすいと好評を頂き、「もしもドロップシッピング」は50万人以上に登録いただく国内最大級のドロップシッピングサービスへと成長することができました。

■利用者の声から生まれた複数サービス展開

--その後、「もしもドロップシッピング」以外にも複数のサービスを開始しています。どのような背景があったのでしょうか。

2つめのサービスは2010年に立ち上げた「もしもアフィリエイト」です。当時、「もしもドロップシッピング」の利用者から、商品を売るだけでなく広告も貼ってみたい、という声を多く頂いていました。それなら誰でも簡単に使えるアフィリエイトサービスを自分たちで作ってみよう、と考えてサービスを作りました。

--利用者の声から生まれたサービスなのですね。「もしもアフィリエイト」は思い通りに伸びたのですか?

はじめは試行錯誤でしたが「システムで差別化をする」ことを決めてから成長速度が高まりました。システムによる効率化を進めることで広告主様側の月額無料化を実現し、これまで費用がネックでアフィリエイトを躊躇していた広告主様に数多く登録いただけました。

また、広告主様とアフィリエイト会員の両方が成果を伸ばすための独自機能を追加する、アフィリエイト未開拓のジャンルに集中してトップシェアを取る、などの工夫を積み重ねてきました。おかげさまで現在では20万サイト以上で使われる、当社の柱の一つとなるサービスに成長しました。

--他社との差別化が成長につながったのですね。他にも作られたサービスを教えてください。

2013年に「TopSeller」というサービスを開始しました。当時、ショッピングモールやカートを使ってネットショップを運営している事業者の方から「もしもドロップシッピング」を使いたいという声を多く頂いていました。

しかし、既存のショッピングモールやカートと「もしもドロップシッピング」はシステムの前提が大きく異なり、連携ができませんでした。それであれば、事業者様に特化したドロップシッピングサービスを新しく作るのが良いと考え、「TopSeller」を開発しました。

--こちらも利用者の声を元に生まれたサービスなんですね。「TopSeller」は順調に伸びましたか?

リリース直後から想定を大きく上回る成長を遂げました。商品仕入に困っている事業者様のニーズと合致したこと、事業者様の強い集客力を活用できたことが成長のポイントだったと思います。

サービスリリース後も、事業者様へのヒアリングを繰り返してサービスに反映させました。事業者様の業務が自動化されるシステムを提供したり、要望の多い商品を集中的に増やしたりといった積み重ねの結果、売上で「もしもドロップシッピング」を上回るサービスに成長しました。

--利用者のニーズにこたえたことが成長につながったのですね。すべてのサービスが伸びて順風満帆ですね。

様々な苦労はありましたが、おかげさまで成長軌道に乗ることができました。しかし、うまくいくことばかりではなく、2017年頃から祖業の「もしもドロップシッピング」の売上が大きく落ちてしまいました。大手モールの寡占が進み、個人のネットショップがものを売ることが難しくなってきてしまったためです。

「もしもドロップシッピング」は10年以上運営してきたメイン事業であり、思い入れも強かったため、なんとか立て直しを図ろうと様々な施策を行ったのですが、売上減少を止めることはできませんでした。最終的に、これ以上サービスを続けても利用者に価値を提供できないと判断し、サービスを停止することを決断しました。

--長い期間をかけて育てたサービスを停止するのは辛かったでしょうね。

はい。本当に多くの方々にお世話になり、多くの手助けをいただいて大きくなったサービスだったので、停止することは無念でした。利用いただいた会員の皆様や、様々な形で事業を支援いただいた方々に申し訳ない思いです。

しかし、「もしもドロップシッピング」の運営を通じて作られた組織やシステムが礎となって、その後の成長を成し遂げることができました。現在当社は「TopSeller」と「もしもアフィリエイト」をはじめとする複数の事業により、過去最高の業績をあげて成長を続けることができています。お世話になった多くの方々のおかげだと感謝しています。

■採用は「人柄」と「主体性」を重視。手をあげれば新規事業を立ち上げることも。

--株式会社もしもは様々な事業に取り組み、成長を続けています。ここからは社風やカルチャーを教えてください。

実藤:ベースにあるのは「いいヒトを集め、いい事業を作り続けることを通じて、利用者に喜んでもらい、ひいてはよりよい社会に貢献したい。」という思いです。

「いいヒト」には様々な要素がありますが、「人柄がよく、主体性がある」ことが重要だと思っています。特に人柄については重視をしていて、前向きで誠実な「この人と一緒に働きたい」と思える人を採用してきました。長い時間を一緒に過ごす社員の人柄が良いことは、強い組織作りにつながることはもちろん、社員一人ひとりの人生をより良くすることにもつながると思っています。

--社員の人生がより良くなるというのは面白い観点ですね。確かに多くの時間を過ごすことを考えるとその通りですね。もうひとつあげられた主体性についてはどのように考えていますか?

実藤:当社では社員一人ひとりの個を尊重し、任せる文化があります。ルールもできる限り少なくして、個人の裁量に任せる部分を大きくしています。主体的に考えて動ける人にとって働きやすく、自分の力を思う存分に試して活躍できる環境だと思います。

最近では、社員の発案により「もしもクリエイター」というサービスをリリースしました。これは、YoutubeやInstagram等で発信をする方が企業のPR案件を獲得できるプラットフォームです。フォロワーが少ない方でも広告収益を得られるように多くのPR案件を用意しています。

--「もしもクリエイター」はどのような流れで生まれたのでしょうか?

実藤:事業を生み出したのは、副業でYoutube配信をしていた社員でした。動画の撮影を始めたら次第に上手くなって、「会社でも関連事業をやりたい」と提案してくれたのです。「いいですね。やりましょう」と、非常にカジュアルな流れで決まりました。

--手をあげれば、新規事業の立ち上げも任せてもらえる環境なのですね。

実藤:個人の意思は最大限に尊重することとしています。また、事業を立ち上げる人が意欲を持って考え抜き、全ての決断をくだすことは成功率を上げるためにも重要だと思っています。なので、基本的にはできる限り任せるスタンスでいます。

一方で、任された人が成果を出すには、自らの頭で考え抜きながら必要な知識やスキルを素早く身につける必要があります。だからこそ受け身ではなく、主体性がある人に入社して欲しいと考えています。

もちろん、ただ任せっきりにするのではなく必要に応じたフォローをしますし、社内のマーケターやエンジニアやデザイナーなど、必要なリソースを揃えてバックアップします。経験が少ない方でも新しいことを始めやすい環境だと思います。

■大切にする社風は「オープン・フェア・リスペクト」

--そのほかにカルチャーとして重視していることはありますか?

実藤:オープン・フェア・リスペクトの3つを大切に考えています。オープンは情報や議論を透明に公開すること。フェアは公正で偏りのない判断をすること。リスペクトは相互に尊重しあい、任せることを指しています。いずれも、これからの時代にますます重要になる要素だと思っています。

「オープン」について、コミュニケーションをオープンなチャット上で行ったり、会議の議事録を全社に公開することで、誰でも全社の情報にアクセスできるようにしています。

また、月末の全体会議では事業や会社の状況をできる限り伝えた上で、全員が簡単に質問を投稿できる仕組みを用意しています。一方的に伝えるのではなく、双方向にコミュニケーションを取るための工夫です。

--オープンにするための仕組みを整えられているのですね。「フェア」・「リスペクト」についてはどうでしょうか?

「フェア」について、社内では誰が言うかよりも何を言うかを大切にしたいと思っています。私の意見や提案に対しても、遠慮なく反論が出てあえなく却下となることも日常茶飯事です。また、社外の取引先やお客様に対しても、自社の利益に偏ることのないフェアな取引をしていくことを心がけています。

「リスペクト」について、社員間でも個人を尊重しあう文化があります。ウェットな関係ではなく適度な距離感を保ち、しかし必要なときには協力し合うような関係です。個人の意思を尊重するため、ルールもできる限り少なくしています。主体性が求められますが、この適度な距離感が良いという社員の声はよく聞かれます。

オープン・フェア・リスペクトの3つを大切にし、より強く体現できる組織になっていければと思っています。

■働き方も「やりたい」を応援。リモートワークも対応しています

--話は変わりますが、少しだけ働き方について教えてください。最近では柔軟な働き方を求める求職者が多くなりました。特に、リモートワークへの対応は関心が集まる項目だと思います。

実藤:仕事と同様、働き方もできるだけ社員の「やりたい」気持ちに沿えるよう努力しています。たとえばリモートワークで言うと、福岡や大阪に在住しながら働いている社員がいます。

福岡の社員は仕事とプライベートを両立させるために東京から移住しました。その社員は、フレスコボールという競技で日本ランキング1位なんです。ブラジルで生まれたフレスコボールは、ビーチでラケットを持って打ち合うゲームなので、「練習しやすいようビーチの近くに住みたい」と。

「今まで通り成果を出してくれるなら問題ない」という判断で、リモートで働いてもらうことになりました。その社員は福岡への移住後も成果を伸ばし続けていて、お互いに良い結果になったと思っています。

--社員の「やりたい」気持ちに応える姿勢は一貫しているのですね。最後に、これからの株式会社もしものビジョンを教えてください。

実藤:いいヒトを集め、いい事業を作り続けることを通じて、よりよい社会に貢献する。それをひたすら続けていきます。現在行っている事業を進化させ続け、同時に新しい領域にも積極的に進出していきます。

私は新しいことに挑戦するプロセスが好きで、「いいヒト」と一緒に働けることを嬉しく思っています。社員がやりがいを感じられて、利用者も喜んでくれる。そのことが実現できる環境を作り続けて行きたいと思います。

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