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リソースが少ないことは良いことだ

これまでにも話している通り、私たちの会社はまだまだ小さく初期の成長段階にあり、経営リソースである「ヒト、モノ、カネ」は常に不足しています。普通に考えれば、これは企業間競争において不利だと認識されるかもしれませんが、実はリソースが少ないことが私たちにとっては良いことなのです。

その理由を説明します。経営リソースが満たされている大企業やトップシェアを持つ企業などにおいて経営戦略というものは、「王道」を行くことが基本となります。リソースが満たされているので、余計なことをしないほうがいいのです。一方、その他の企業は王道との「違い」を作ることで、顧客にとって王道では満たされないものが満たされることになります。

※ちなみに、この場合の“違い”とは、他よりもベターであるということではなく、他に対してディファレントであるという意味です。ベターかどうかというのは、自動車であれば一方よりも価格が安くてお得とかそういうことです。そして、ディファレントとは、様々なタイプの車を販売しているトヨタに対して、高級スポーツカーだけを販売するフェラーリのようなことを意味します。

多くの人々は、リソースがあることが良いことだと思い込み、少しでも安定していると言われている企業への入社を希望します。しかし、リソースが潤沢であることによって、人は考えることをやめてしまい、物事に鈍感になってしまいます。ここに個人の成長を阻害する要因があるのです。

私は、若いうちはできる限り大変なことを体験し、経験を積み重ねていくことが大事だと考えています。未熟なうちからリソースに満たされた環境に身を置くと、顧客に選ばれるための苦労を知ることができず、個人の成長が図れないように感じています。

厳しい環境下だからこそ、花も人も強く美しく育つのであれば、自身の成長を考えたとき、若いうちにどの場所にいることが自分の成長につながるのか、一度ゆっくり考えてみるといいかもしれません。

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