1社のグループ体制で、エネルギー事業や不動産投資、多店舗エステ、宿泊事業など多岐にわたるビジネスを運営し、着実な成長を遂げているTeam Energy様。
会社が増え、事業が多角化する成長の裏側では、取引銀行や口座数も増加し、「グループ全体のお金が、いま、どうなっているのか」が極めて見えにくいという課題に直面していました。
「日次で億単位の数字が変わるからこそ、全部を足したら今どうなのかがパッと言えない」。
そんな状況を打破すべく、同社は「AI経営の実践者」であるキャナルAIをパートナーに選びました。
本記事は、多事業ならではの複雑な財務課題に向き合い、「提案はAI、確定は人」という安全設計のもとでAI財務ガバナンスを実現した軌跡を追う事例です。
本PJのサマリ
インタビュー参加者
- Team Energy様: A様
- キャナルAI: 水島
課題|日次で億単位の数字が動く。多社・多口座によるグループ経営の「見えなさ」
ーー本日はよろしくお願いします。まずはTeam Energyの事業内容について教えてください。
A様:
私たちは電力会社を母体に、エネルギー事業や不動産投資、宿泊、エステなど多角的に事業を展開しています。
単なる多角経営にとどまらず、地域資源の活用や新規事業の創出を通じて、グループ全体でシナジーを生み出し、常に挑戦的なビジネスを形にしています。
おかげさまで事業は拡大を続け、会社が増え、取引する銀行も順調に増えていきました。
成長そのものは喜ばしいことですが、その分だけバックオフィスや経営管理の面で「グループ全体のお金が、いま、どうなっているのか」が見えにくくなっていっていったのです。
水島(キャナルAI):
事業が多角化しグループ規模が大きくなるほど、資金の流れは複雑になりますよね。
私たちはその複雑な「見えなさ」を解消し、よりスピーディな経営判断ができるよう、二人三脚で改善に取り組むことになりました。
ーーAI導入前に抱えていた、経営上の課題について具体的に教えてください。
A様:
数字のデータ自体は各社にあるんです。むしろ、ありすぎるくらいでした。
しかし、私たちは日次で億単位の数字が動くビジネスを展開しています。だからこそ、「全部を足したら今どうなのか」が誰にもパッと言えない状態は致命的でした。
11社で約30口座あり、そのデータが銀行別のExcelシートに散在していました。サマリは手作業の集計に頼っており、毎月30〜40時間もの工数が消えていく上に、データのズレと遅れが常態化していたのが大きな課題でしたね。
水島(キャナルAI):
売上が上がっていることは見えても、「だから何をすべきか」という経営の判断材料が読み取れない状態にお困りでした。
また、グループ各社で経費承認の流れがバラバラだったため、親会社として支出の妥当性を横断的に確認できないというガバナンス上の課題もご相談いただきました。
ソリューション|「提案はAI、確定は人」。段階的かつ安全なシステム導入
ーーシステム化を検討する中で、キャナルAIにご相談いただいた背景を教えてください。
A様:
財務という絶対に間違えられない領域だからこそ、ただシステムを導入するのではなく、確実かつ安全なアプローチができるパートナーを探していました。
キャナルAIさんは、いきなり全部を作り替えるような大掛かりな提案ではなく、まずは「代表がスマホで全社を把握できる画面」という最初のゴールに絞り、短期スプリントで立ち上げるという進め方を提案してくれました。
水島(キャナルAI):
私たちは、いきなり巨大なシステムを構築するのではなく、フェーズを分けて段階的に育てていく方法をとりました。Phase 1では資金繰りと承認フロー、代表ビューの構築。Phase 2では不動産物件管理やAI財務ガバナンスへと広げていきました。
ーーキャナルAIからの提案で、特に重要視したポイントは何でしょうか。
A様:
「AIに会計データを勝手に書き換えさせない。提案はAI、確定は人」という設計思想です。
AIは判断を大いに助けてくれますが、最終的な決定権は必ず人間が握る。財務領域だからこそ、この線引きを最初に合意できたことが、導入への大きな安心感につながりました。
ーー具体的に、どのような仕組みを構築していったのでしょうか。
A様:
まずは代表向けのダッシュボード構築です。
スマホに最適化されており、グループサマリから会社別、口座別へと3階層で見える化いただいたことで、出先でも全社の資金状態をひと目で確認できるようになりました。
また、バラバラだった経費承認フローをシステム上で統一・可視化したことで、これまで承認までに平均4日かかっていたプロセスが、スマホから即座にワンタップで決裁できるようになり、実質「即日」まで短縮されました。
水島(キャナルAI):
その他には「AI財務ガバナンス」の仕組みを導入させていただきました。
従来のアラートは「残高が閾値を下回りました」と数字を出すだけでした。これでは経営者は「で、どうする?」と迷ってしまいます。
そこで、まず計算ロジックで“赤信号”を判定し、その理由をAIが日本語で説明するようにしました。「支払いが前倒しで執行されたため一時的に残高が下がった。次の入金は〇日頃の見込み」といった具合に、根拠の明細まで一気にたどれるように構築しています。
【AI財務アラートのイメージ】
「〇〇社の口座残高が基準値を下回りました。
原因:宿泊事業の決済サイトからの入金ズレ(中2日)および物件修繕費の前払い。
対策:〇日には〇千万円の入金が確定しているため、静観で問題ありません」
A様:
それに加え、現金残高と過去の支出ペースから「資金が何ヶ月もつか」を自動計算するWhat-Ifシミュレーションも非常に重宝しています。
実際に、億単位の新規の不動産投資案件が立ち上がった際、「この支払いを2週間延ばしたら、グループ全体のキャッシュフローはどう変化するか」をその場でシミュレーションできました。結果、資金ショートの懸念を払拭した状態で、通常なら1ヶ月はかかる投資判断を数日に短縮して実行へと踏み切れました。
さらに、予約サイトごとにバラバラな宿泊事業の入金サイクルも、AIが過去の傾向から予測を立ててくれます。結果的に実際の入金額との誤差はほぼなくなり、今月の現金化予測が自動で出せるため、資金計画の精度が向上しました。
成果|「報告を待つ」から「自分で見て動く」へ。AIがもたらす攻めの経営判断
ーーAIを導入したことで、経営判断にはどのような変化がありましたか。
A様:
散在していた数字が一つの画面に集約されたことで、全社が同じデータを見て話せるようになりました。
また、スマホ1つで資金状況を即座に確認できるため、「報告を待つ」スタイルから「自分で見て動く」スタイルへと変化し、意思決定が高速になりましたね。
緊急のアラートも理由と対策のセットで提示されるので、対応すべきか、様子見でよいかをその場で精度高く決断できます。
ーー他社、特に同じようなグループ経営企業に「AI経営」をおすすめしたいポイントはどこでしょうか。
A様:
経営におけるAI導入(AI経営)の真価は、単なる業務の省力化ではなく、「経営判断のスピードと精度を高められる」ことにあります。
「提案はAI、確定は人」という安全な境界線があるからこそ、経営者は安心してリスクをコントロールでき、最も重要な「攻めの投資判断」にエネルギーを集中できます。
グループ企業が増え、スピードとガバナンスの両立に悩んでいる企業にこそ、この段階的で対話的なAI経営の導入を強くおすすめしたいですね。
ーー今後の展望や、キャナルAIに期待することをお聞かせください。
A様:
これからは、不動産や宿泊事業の収益管理へと領域を広げた支援をいただきたいと考えています。グループが大きくなるほど、このシステムの価値は増していくはずです。今後も経営基盤を一緒に育てていってほしいです。
水島(キャナルAI):
ありがとうございます。
「数字を集める」だけで終わらせず、「だから、どうする」までを一緒に考える。これこそが私たちの提供するAI経営です。今後もグループ全体の成長を支える強固な基盤づくりを全力でサポートさせていただきます。
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