新しい挑戦の舞台が、ここに誕生
2025年10月、テックプロジェクトサービス(TPS)に新たな部署が立ち上がりました。その名も...
「建設ソリューション部」
これまでTPSが培ってきた設計・施工の技術力と、最先端のプロジェクトマネジメントを組み合わせ、建設現場に革新的なソリューションを届けることを目指す新部署です。
「もっと効率的に、もっと安全に、もっと未来志向で。」
そんな想いを胸に、建設業界の課題解決に挑む仲間たちが集まっています。
今回は、この建設ソリューション部で部長を務めるSさんにお話を伺いました。
「建設ソリューション部の立ち上げの背景」や「どういう価値を届けるのか?」といった疑問について、部長ならではの視点で語っていただいたストーリーです。
▼建設ソリューション部 部長:Sさん
他社にてエンジニアリングモデルの製作、装置設計・製作、配管設計などの業務を経験した後、プロジェクトエンジニアとして技術派遣の形で東洋エンジニアリングに参画。日本・韓国・ドイツ・中国をはじめとする国内外で様々なカテゴリーのプラントプロジェクトに携わり、現場での課題解決に取り組んできました。 その後、日本での勤務を希望してテックプロジェクトサービス株式会社へ転籍し、国内の現場でさらなる経験を積み、2025年10月に建設ソリューション部の部長に就任しました。
なぜ、今、建設ソリューション部なのか
TPSでは、これまで国内において医薬・石油化学などのプラント建設を数多く手がけてきました。
これらの経験を通じて明らかになったのは、プロジェクトごとに現場管理手法が属人的で統一性に欠けており、特に建設現場においては、若手人材の育成やFM(フィールドマネージャー)/CM(コンストラクションマネージャー)といった後継者への計画的な引継ぎが十分に行われていないという課題です。
このような状況下では、遅延や不具合が発生した際に顧客へ多大な損失を与えるリスクが高く、プロジェクト運営の効率化と管理手法の標準化が急務となっています。
こうした課題を解決するため、2025年10月に立ち上がったのが建設ソリューション部です。Sさんは設立の狙いをこう語ります。
TPSの現場は、非常に個々の経験や判断に頼っている部分が多かったんです。もちろん、それはそれで現場遂行力の強さを生む要素でもあります。ただ、若手やFM/CM後継者に経験を効率的に伝えていくには、もっと標準化された仕組みが必要でした。
建設ソリューション部は、明確なミッションを掲げています。
「TPSらしさを基盤に、ICTで工事管理を標準化。安定した安全・工程・品質を徹底し、損益リスクを未然に断ち、現場工事の未来を創る。」
言葉にすると少し固いかもしれませんが、現場での判断や行動を支える“標準の基盤”を作ることがこの部の使命です。もちろん、それだけではなく、日々改善していく文化も大切にしています。
ミッションを支える5つの柱
建設ソリューション部のミッションを実現するために、Sさんは5つの柱を掲げています。それぞれの柱にはTPSらしい現場主義の考え方やICT活用の工夫が反映されています。
1.TPSらしさとコンストラクションオリエンテッド
Sさんはこう語ります。
私たちの強みは現場を第一に考える姿勢です。小回りの利く柔軟な組織で、即実行、改善の精神で動く。これがなければ、どんなデジタルツールも意味がありません。
現場の状況を肌で感じ、課題にすぐ対応できる組織文化が、この柱の基盤となっています。
2.現場/工事管理手法の確立とICT導入
ASPやAWP、BIM、4D・5Dシミュレーション、モバイル点検、Power BIダッシュボードなどのツールを使い、工程・資材・品質・労務・出来高を共通指標で管理。
標準化された管理手法を作りつつ、ICTで効率化することが不可欠です
3.安定した安全・工程・品質管理
Sさんは、安全・品質・コスト・工程の4要素を日次でレビューする仕組み「現場EVM+ITP逸脱トラッキング」を紹介。
安全は先取りで未然防止、品質は電子チェックリストでトレーサビリティを確保。事故や不具合を未然に防ぐことで、顧客の信頼も守れるんです。
4.損益の回避
「プロジェクトの赤信号は見逃せません」とSさん。
PCO(Project Control Officer)を中心に、出来高・コスト・変更管理を一元的に可視化し、逸脱が発生した場合には即時に対応する体制を構築。
問題が起きてから対応するのではなく、未然に防ぐ文化を根付かせることが、私たちの大きな役割です。
5.TPSの現場工事の未来
データ駆動の標準工法・標準帳票・標準KPIを普及し、経験値(Lessons Learned)を横展開。「標準」→「改善」→「再標準化」のループで、スマート・コンストラクションを日常化。
Sさんは最後にこう締めくくります。
現場の知見やICTを組み合わせることで、TPSの工事管理はより効率的で、次世代にも継承できるものになります。この部の立ち上げは、まさに現場工事の未来を創る挑戦です。
目指すは「多元化する組織」——現場に裁量と力を
私たちの中期的なゴールは、いわば『多元化』です。部員一人ひとりが裁量を持ち、それぞれの現場において効率的に仕事ができる組織にしたいんです。ただ統制するだけではなく、各自が判断し、成果を出せる体制ですね
と、建設ソリューション部のこれからの組織像をSさんは語ります。
建設ソリューション部は、利益を直接追う事が難しい部門です。プロジェクトより与えられた期間と予算で、損失を最小化しながら安定した成果を生み出す。
各現場で工事責任者や工事担当者のグループが主体的に判断し、完了させていく。その積み重ねが多元化した組織になるんです。
そのために必要なのは、共通のツールや標準化された管理手法だとSさんは言います。
どの現場でも、効率よく動ける仕組みを整え、平準化する。さらに人材育成も重要で、少数精鋭でも各自が主体的に意思決定できるような力をつけていきます。
だからこそ建設ソリューション部には、経験よりも主体性と学ぶ意欲を持った方に来てほしいですね。自分で考え、判断し、現場で成果を生み出す力。ツールや仕組みを活用して効率化を進め、チームと一緒に改善を繰り返せる人が、この部にあっていると思います。
建設ソリューション部は、TPS内部の課題である「属人的になりやすい手法」と「人手不足」を解決するだけでなく、お客様に対しては確実に工期を守る仕組みを整え、信頼とインパクトを届ける部門です。
現場での判断や改善が直接成果に結びつくこの環境で、部員一人ひとりが主体的に動き、社会に貢献できるやりがいを実感できる。それが、この部で働く醍醐味でもあります。