株式会社Another works代表 / 日経COMEMO KOLの大林です。複業したい個人と企業・自治体を繋ぐ総合型マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を運営しています。
今日は少し趣向を変えて、若手時代の「後悔」をテーマにお話ししようと思います。基本的には後悔をしないタイプなのですが…もっと時間を使えば良かったとぶっちゃけ後悔していることもあります(笑) これからキャリアを築く皆さんにとって、少しでも未来を考えるヒントになったら嬉しいです。
1.多様なインターン経験をしておけば良かった
まず私が一番にお話ししたいのが長期インターン(社会人の方であれば複業)についてです。私は学生の頃から人材系の企業でインターンに明け暮れ、そこでビジネスの面白さや経営者の考え方に触れ、今の起業に繋がる大きなきっかけを得ることができました。私は1社に深く没頭したインターン生活を送りましたが、その経験に心から感謝しているからこそ、皆さんには”多くの分野”でインターンを経験することをおすすめします!
弊社の共同創業者/CTOは、文系出身ながら大学時代のインターンでエンジニアリングに目覚め、その道に進んでいます。彼を見ていると「知らないこと」「経験していないこと」はすごくもったいないなと痛感するのです。ある意味、「罪」とすら言えるかもしれません。
だから皆さんには、特定の分野に早くから絞りすぎず、若いうちに色々な世界を覗いてみることを強くお勧めします。特に今まさに成長している分野に飛び込んでみる経験は、将来の選択肢を大きく広げてくれるはずです。
2.漫画・映画・本にもっと触れておけばよかった
「仕事に関係ない!」と思われるかもしれませんが、漫画や映画、本といったカルチャーに触れる時間があるのは若手の特権です。
社会に出ると、ビジネスの話だけじゃなく、本当に色々な雑談をする機会があります。例えば「経営ってやっぱり『キングダム』だよね!」という話になったとき、知っていれば盛り上がれますが、知っていなければ話の輪に入ることができません。これは単に「話についていける/いけない」という問題だけではなく、共通の話題があることで、相手との距離が一気に縮まったり、思わぬビジネスチャンスに繋がったりすることもあります。
私は、大学4年の時に映画にどハマりして、インターン以外の時間はひたすら映画を観ていた時期がありました。特にロバート・デ・ニーロの『タクシードライバー』が好きすぎて、グッズを買ってロケ地巡りまでしたほど。
そして、社会人になったタイミングで偶然その映画が大好きな経営者の方との出会いがありました。 当然意気投合し、映画のBGMを流しながら商談させていただき無事に受注、それだけでなく「デ・ニーロ好きの面白いやつがいる!」と色々な方を紹介していただくきっかけになりました。たった1本の映画がキャリアのスタートダッシュを大きく助けてくれました。
だからこそ、時間のあるうちに、一見ビジネスとは関係なさそうなカルチャーにどっぷり浸かる経験には非常に価値があります。将来、どんな形で役に立つかは誰にもわかりません。
3.自分の「当たり前」を壊すため、もっと海外へ行っておけばよかった
学生時代、イタリアやフランス、アメリカなど親の薦めもあって海外旅行に行きました。もちろん、それぞれ素晴らしい経験で、今の私の糧になっています。しかし、「もっと色々な国、特に東南アジアやアフリカ、インドなど多様な文化を持つ国へ行っておけばよかった」と強く後悔しています。
なぜか。社会人になって、色々な経営者の方とお話ししていると、皆さん多様な国での経験を持っています。もちろん、その国に行ったことがあれば「話のネタが増える」のですが、それだけではありません。実際に現地に足を運び、それぞれの価値観を知っていたら、もっと視野が広がり、ビジネスアイデアも豊かになっていたかもしれないのです。
若いうちにしかできない経験はやはりあります。お金がない中で知恵を絞って行く海外旅行の楽しさや、そこで感じる衝撃は、大人になってからではなかなか味わえません。もし時間とお金が少しでも都合つくなら、ぜひ自分の知らない世界へ飛び出してみてください。それは、あなたの価値観を揺さぶり、人生を豊かにする最高の投資になります。
4.もっと早く「起業」という挑戦をすればよかった
有り難いことに、私は20代で起業するチャンスに恵まれました。でも、今振り返るともっと早く、それこそ学生時代に起業という挑戦も1つ手段としてはあったんだろうと思います。
起業すると、本当に色々な壁にぶち当たります。自分の名前や会社のブランドがなくて相手にされない悔しさ、自分の力を過信していたことへの気づき、仲間を集めることの難しさ、そして仲間が去っていく時の痛み…。どれも、経験して初めて分かることばかりです。
これらの経験は、早ければ早いほどいい。大事なのはアイデアの質よりも、「やってみる」という経験そのものなんです。「経験に勝るものなし」とは、まさにこのこと。
10代や20代前半で経験する失敗や苦労は、30代、40代で経験するそれとは、その後の人生への影響力が全く違います。若いうちの挑戦と失敗は、必ず未来の糧になります。
5.「学生・若手」という最強のパスポートで、もっと多くの経営者に会いに行けばよかった
「〇〇大学の学生です」という肩書きは、ある意味最強のパスポートです。社会人になると、どうしても名刺には会社名や役職が書かれていて、「何か営業されるのか?」「ビジネスの話題かな」と思われがちです。
しかし、学生という肩書きがあるだけで、多くの経営者の方は、「未来ある若者の話を聞いてみよう」「何か力になれることがあれば」と、驚くほどオープンに会ってくださいます。
もし昔の自分にアドバイスできるなら、「毎月10人の経営者にアポを取ってランチに行け!」と言います。食事をしながらリアルなお話をお聞きし、自分の行動に変えていけるはずです。
そして、一番大事なのは、会っていただいた後に、必ず心を込めてお礼の連絡(メールや手紙)をすること。スティーブ・ジョブズの言う「コネクティング・ザ・ドッツ」のように、その時は点でしかなかった出会いが、後になって本当に思わぬ形で繋がり、自分のキャリアを助けてくれます。点を打ち続けなければ、線になることはありません。
もしあなたが今学生や若手なら、ぜひ勇気を出して、興味のある経営者やビジネスパーソンにアプローチしてみてください。XのDMでも何でもいいんです。断られることを恐れずに。もちろん私も大歓迎です。できることはなんでもお話しします。そして、出会えたご縁には最大限の感謝を示すこと。それが、あなたの未来を切り拓く大きな力になるはずです。