ミライズ株式会社は、「学歴や経歴といったフィルターにとらわれず、誰もが可能性を最大限に発揮できる社会」の実現を目指し、主に高校生の新卒採用支援事業を手掛けています。今回は、同社の創業メンバーであり、建設業界からキャリアを転換し、現在はセールス部門のマネージャーとして組織を率いる畑中俊人さんにお話を伺いました。創業期の苦労、事業成長の原動力、そしてミライズが大切にする採用の考え方や今後の展望について、マネージャーとしての視点から詳しく語っていただきました。
畑中俊人 / セールスマネージャー
大学卒業後、建設会社で施工管理技士として4年半勤務。その後、代表の北畑氏と共にミライズ株式会社を創業。営業未経験からのスタートながら、事業成長に貢献。現在はプレイングマネージャーとして第一線で活躍しつつ、セールスチームの戦略立案、組織強化、人材育成を統括。
異業種からの転身と創業への決意。代表との出会いが拓いた新たな道
ーー畑中さんはミライズ創業メンバーでいらっしゃいますが、それ以前は建設業界におられたと伺いました。まず、その頃のお話からお聞かせいただけますか。
大学卒業後は建設業界に進み、施工管理の業務に約4年半従事しました。実家が建設業を営んでいることもあり、将来的にはそちらの道も視野に入れ、一級土木施工管理技士の資格も取得し、現場の最前線で経験を積みました。
ーー未経験のセールスへキャリアチェンジ、そして起業というのは大きな決断だったかと存じます。どのような経緯があったのでしょうか。
最大の転機は、現代表の北畑との出会いです。彼とは昔からの知り合いなのですが、彼のビジョンや価値観に強く共感し、「北畑となら面白い未来が創れる」と直感的に感じたのが大きいですね。そのため、どんな形でもいつか一緒に仕事したいと考えていました。
当時は建設業界の仕事はやりがいもありましたが、一方で業界の特性上、年功序列の文化や評価制度に、どこか閉塞感を覚え、自身のエネルギーを持て余すような感覚もありました。そんな時、北畑の「一緒に起業しよう」という一言が、自分の中に眠っていた挑戦心を呼び覚まし、新たな可能性を感じさせてくれました。
ーー畑中さんご自身としても、営業という仕事には魅力を感じていらっしゃったのですね。
ええ。実家を継ぐにしても、新たな事業を立ち上げるにしても、営業力は全ての基本になると考えていましたし、成果がダイレクトに現れる世界に挑戦したいという想いもありました。何より、北畑と共に新しい価値を創造していくことへの期待感が、あらゆる不安を上回りましたね。
そして、北畑から「いよいよ会社を立ち上げる」という話があり、ミライズの創業に至った次第です。彼の決断力とスピード感には常々信頼を置いていましたので、二つ返事で参画を決めました。
ゼロからの組織立ち上げ。情熱と「個」の力で乗り越えた創業期の試練
ーーミライズ創業当時の状況をお聞かせいただけますでしょうか。
創業当初は、費用も限られていたため、オフィスも間借り状態で、会社のウェブサイトもメールアドレスも存在しない、文字通りゼロからの船出でした。「こんな状況の中、自分たちで何とかできるのか」というプレッシャーは常にありましたが、とにかく行動し続けるしかありませんでした。
営業面では、形のないサービスを売ることの難しさに直面しました。ミライズではまず「ミライズとは何者か」「私たちのサービスにどんな価値があるのか」という根本からお客様に伝え、信頼を勝ち取らなければなりません。実績も信用もない中では、最終的に「畑中俊人」という個人を信じてもらうしかなかった。まさに情熱と、自分という「個」の力で仕事を獲得する、非常に泥臭い毎日でした。
ーーその厳しい状況を乗り越え、事業を軌道に乗せる上で、代表である北畑社長の存在はやはり大きかったですか。
もちろんです。北畑は常に冷静沈着で、物事の本質を見抜く力に長けています。一見、遠回りに見えるような判断や、非効率とも思えるような戦略を取ることがあっても、それは常に長期的な視点と明確なロジックに基づいています。周囲からは常に冷静に見られることが多いですが、非常に人間味あふれる一面も持っており、何よりも人を惹きつける力、そして組織を率いるリーダーシップは創業時から際立っていました。彼とは根本的な価値観を共有できているという自負があり、それが現在のミライズの基盤になっていると感じています。
組織の未来を左右する「採用哲学」と、ミライズが目指す「フィルターのない可能性」
ーー現在、畑中さんはセールス部門のマネージャーとして、組織運営や人材育成にも注力されていますが、マネージャーとしてのやりがいや難しさはどのような点に感じていますか。
プレイヤーとしての面白さは、やはりお客様に直接価値を提供し、その反応をダイレクトに感じられる点です。特に高卒採用支援という、まだその価値が十分に認知されていない市場を開拓していくことには大きな手応えを感じています。
一方でマネージャーとしては、メンバー一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出し、チームとして成果を上げていくことに尽きますね。「メンバーを活かすも殺すもマネージャー次第」という言葉を常に意識し、個々の強みを見極め、それを組織力に転換していくプロセスに大きなやりがいを感じます。もちろん、価値観の異なるメンバーをまとめ、共通の目標に向かわせることの難しさも日々痛感していますが、それも含めてマネジメントの醍醐味だと捉えています。
ーーミライズでは未経験者も積極的に採用し、育成されていると伺いました。その背景にあるお考えや、教育方針についてお聞かせください。
はい、現在のメンバーの約半数は営業未経験からのスタートです。私たちの採用基準は、学歴や職歴といった表面的なフィルターではなく、その方の持つ人間的な魅力やポテンシャルを重視しています。これは、私自身が異業種から営業の世界に飛び込み、ゼロからキャリアを築いてきた経験も影響しているかもしれません。
教育方針としては、OJTを基本とし、できるだけ早く現場の空気に触れ、実践の中で学んでもらうことを大切にしています。もちろん、初期の研修や定期的なフィードバック、必要に応じたサポートは欠かしませんが、自ら考え、行動し、失敗から学ぶという経験こそが、最も人を成長させると考えています。
ただし、会社の成長フェーズやメンバーの特性に合わせて、より体系的な研修プログラムの導入や、フォローアップ体制の強化も継続的に行っています。組織全体の底上げを図るためには、教育の仕組みも常にアップデートしていく必要があると認識していますので、今後はより良い研修制度を構築していきたいと考えています。
ーーミライズが掲げる「学歴フィルターのない社会」というミッションは、まさにその採用・育成方針と直結しているのですね。
その通りです。このミッションは北畑の強い想いから生まれたものですが、私も深く共感しています。学歴や経歴は、その人の一部を示すものに過ぎません。それよりも、その人が持つ素直さ、成長意欲、周囲への配慮といった人間的な資質の方が、仕事をしていく上で、そして組織に貢献していく上で、はるかに重要だと考えています。
実際に、ミライズではこの方針で採用を行うことで、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材が集まり、それが組織の活性化に繋がっていると実感しています。
ーー採用において、具体的にどのような点を最も重視されていますか。
面接でお会いした際に、その方の言葉や振る舞いから誠実さや人間的な温かみが感じられるか、そして「この人とであれば、同じ目標に向かって共に汗を流せる」と心から信頼できるかどうか。この点を最も重視しています。
スキルや経験は後からでも身につけられますが、人間としての根幹の部分は容易には変わりません。組織は人の集合体ですから、メンバーがお互いを尊重し、ポジティブな雰囲気の中で仕事に取り組める環境を創り上げることが、結果として最大のパフォーマンスに繋がると信じています。
ーー未経験者育成には時間とコストもかかるかと存じますが、それでも人間的な魅力を重視する採用を続ける理由はどこにあるのでしょうか。
もちろん、経営的な視点から見れば、即戦力となる経験者を採用する方が短期的には効率が良い場面もあるでしょう。しかし、私たちは目先の効率だけを追うのではなく、長期的な視点で組織の成長を考えています。
未経験でも、例えば周りを思いやれるか、ポジティブか、などを尊重し、そういった人材を自社で育成できる体制と文化を構築することこそが、変化の激しい時代において持続的に成長できる強い組織を構築できると信じています。
これもまた、北畑がよく口にする「一見、遠回りに見えることがゴールまでの最短ルートな事もある」という考え方と通じる部分です。
ーー畑中さんがマネージャーとして、ミライズで今後どのような組織を創り上げていきたいかお聞かせください。
マネージャーとしては、メンバー一人ひとりが自身の役割と責任を理解し、自律的に行動できるような組織を構築していきたいと考えています。全員で大きな目標を達成できるようなセールスチームの土台作りが当面の目標です。
会社全体としては、北畑が掲げる「フィルターのない社会」の実現に向け、採用の間口を広げ、多様な人材が活躍できるプラットフォームとしてのミライズを確立していきたいと考えています。
ーー最後に、どのような方々と共に未来を築いていきたいですか?
そうですね。私たちが求めるのは、誠実で、周囲へのリスペクトを忘れず、前向きに物事に取り組める人間的な魅力にあふれた方々です。
現状に満足せず、常に新しいことに挑戦し、仲間と共に成長していきたいという情熱を持った方と、これからのミライズの未来を一緒に創り上げていきたいですね。